去年の12月25日のラジオ短波杯2歳ステークスで初めてローゼンクロイツを見た。

 しかしそのときの印象があまりない。

 当日のヴァーミリアンの気配が抜群であったため、ローゼンクロイツの印象がないのだ。

 印象がない、は正しい表現ではない、かなり上のレバルでの普通の印象というのが正しい表現か。

 毎日杯でも同様の印象で、この状態で勝つならかなり強い馬だなとパドックを見て感じた。

 当日はコンゴウリキシオーが増加体重以上に太めで惨敗したわけだが、一瞬でそれら前をいく馬たちを交わした切れ味は一流馬の切れ味だった。

 しかしこの時点ではまだコンゴウリキシオーが太めだったから負けたという印象が強かった。

 そして3月20日のスプリングステークスに、ラジオ短波杯でローゼンクロイツを負かしたヴァーミリアンが出走してきた。

 マイナス体重であるのに牛のような馬体をしていたヴァーミリアン。

 休養期間中になにがあったのかわからない、しっかりと調教もされていたことだとは思うが、とても競馬に出てくる馬体ではなかった。

 当然のことながら、レースは見せ場もない完敗だった。

 このレース前まではローゼンクロイツを負かした馬ということでヴァーミリアンを相当高く評価していただけにがっかりしたのを覚えている。

 このとき、記憶のすり替え現象がおきたのだと思う。

 

 コンゴウリキシオーは太かった = ローゼンクロイツはたいしたことない

 

 ヴァーミリアンは強くなかった = ローゼンクロイツも強くない

 

 今冷静に考えればローゼンクロイツという馬を全く評価せず、他の馬を基準にした評価しかしていなかったことに気がついた。

 そして皐月賞で騎乗する安藤騎手がローゼンクロイツの切れ味をどう生かした騎乗をするか考えた。

 安藤騎手には今年になってから「武豊拒否症候群」を発症した。

 武豊騎手と同じレースではほとんど勝てないし、連対も少なくなっていた。

 この「武豊拒否症候群」を発症させたレースがラジオ短波杯だった。

 直線の決め脚にかなり自信のあった安藤ローゼンクロイツは自分のレースに徹していた。

 そこをスローペースを読みきった武豊ヴァーミリアンに早めにスパートされ、必死で追い上げるも交わせずに敗れた。

 安藤自身もこのレースでの敗戦が後々こんなにも悪影響を及ぼすとは、本人自身も思わなかったことであったろう。

 そういった意味で今度の皐月賞、安藤は相当な決意でレースに臨んでくるだろう。

 皐月賞というよりもデープインパクト打倒の戦いを挑んでくる気がしてならない。

 もちろんアンフェアーな騎乗をしてディープインパクトを負かしにかかるといった意味ではない。

 考え付く策として最も考えられるのはディープインパクトの少し前に位置しておいて、武豊騎手が動き出すよりも半テンポ早く仕掛けるというものではないだろうか。

 末脚に自信のあるローゼンクロイツとはいえ、ヨーイドンでスパートしたならディープインパクトの末脚にはかなわないのは、安藤自身がヴァーミリアンで体験していることだ。

 それをさらに上回るディープインパクトと武豊に対して後方から勝負することはないはずだ。

 当然のことながらこれくらいは武豊騎手なら想定範囲内のこととして対応策は練ってあるだろう。

 だが改めてローゼンクロイツが馬券対象範囲内に充分入ってくる可能性の高い馬と騎手のコンビだと再認識した。