バシッ!
「痛えよ」
「気を抜くな」
「ぶったね!、僕のことぶったね!、親にだってぶたれたことないのに!」
「甘えるな、ここで気を抜くんじゃない」
「わかった、いくよ、いってやるよ」
「インパクト行きまーす」
ギューーーン
<ここまでファーストガンダムっぽく書いてみました>
「ヨシヨシ、もう大丈夫、勝てばいい、もうスピード落としても大丈夫だよ」
1989年のシャダイカグラの出遅れを思い出した。
でもあのとき最後は勝ったぞ、自分に言い聞かせて冷静さを装った。
スタートで出遅れた分、行き脚がつかなかったのでかなり無理して集団の後方に位置した。
じわっと追い上げて行くが、時折頭を上げて嫌がるそぶりを見せる、これで勝ったらバケモノだ。
いや、元々バケモノ的な末脚を持っているのだから、あれでも来るのかもしれない。
そう言い聞かせながらも気持ちは半信半疑だった。
そんな4コーナーでの出来事が、冒頭の武豊騎手が初めて使ったムチだった。
コースは異なるが、昨日ハットトリックが挟まれた位置とよく似た場所だった。
ここでソラを使われて不安定な状態で直線を迎えてはいけない、武豊騎手のまさしく「愛の鞭」だった。
そしてそこからの加速は別次元のものだった。
直線を向いたときには勝負は決していた。
なんという表現をすればいいのかわからないが「強い馬」であることを実証してみせたレースだった。
無事でいってくれ、心配な点はただそれだけ。
他の馬にも少し触れてみたい。
ただ各ジョッキーたちの感想は聞かなくてもわかる。
「完敗、力の差がはっきりとある」といった内容に終始するだろう。
シックスセンス 四位騎手、皐月賞で勝っていたはずの完璧な騎乗だった。
位置取り、仕掛けるタイミング、馬の伸び、どれをとっても皐月賞馬になれていたはずの競馬をした。
ただ一頭次元の違う馬が存在していたことが騎手と馬には不幸だった。
同じことはアドマイヤジャパンにも言えるのではないか。
いつのまに、と思うくらい最内に入っていた、横山騎手の腕があっての芸当だろう。
それでも勝てなかったのはアドマイヤジャパンの現時点での実力だから、仕方がないとあきらめられるのではないか。
マイネルレコルトはやはり2000mは少し長いようだ、直線で一瞬馬群からすごい勢いで抜けてくるかと思われたが、坂上で止まった。
これは長くいい脚を使えるマイネルレコルトにとっては、距離以外のなにものでもないだろう。
安藤ローゼンクロイツもこれまで戦ってきた馬たちとのレベルが違うことがよくわかった一戦だった。
薔薇一族GⅠに無縁なりといったところか。
シックスセンスについては「狼の皮をかぶった羊」欄で取り上げて来たように、毎回見栄えのする馬体でありながら、これまで善戦マンで終わっていましたが、はまればこれくらいは走れる馬ということでコーナー掲載馬から外させていただきます。
当コーナーを参考にして馬券予想から外した方が折られましたらお詫びいたします。
ごめんなさい、cologneの馬を見る目が間違っていました。
レース前、いつになく緊張した武豊騎手を見ました、そしてレース後もインタビューに答える武豊騎手にやはり笑顔はなかったように感じました。
そのときcologneには21年前の岡部騎手とオーバーラップしました。
三冠を意識して騎乗することは武豊ほどの騎手をもってしてもこれほどの緊張をもたらすものなのかと。
勝利ジョッキーインタビューで「安堵」している武豊、今日は馬の力に助けられたと語っていたように感じました。
ダービーでは俺が勝たせてやるの決意を見せながら。