風の盆に学ぶ。
その坂の多い城下町には酒屋があって八百屋があって…魚屋と肉屋があって…電気屋があって郵便局があって…銀行があって、診療所があって、たまに来るお客様をもてなす食事処があって、必ず大工さんがいて…
そして町いちばんの踊り子がいて…
彼女の踊りを見ると喉がカラカラにに渇くんだ…
でも編笠をとって酒屋の店番をする祭り以外の彼女はいたって普通の女の子で…
きっと、僕らの生活はこんな風にあるべきなんだ…と最近よく思う。
最初単位のコミュニティで人々の明確な役割があれば、生活は安定するし、そんな町の祭は自分達の生活への感謝と文化の伝承のために行われる。
富山にある八尾という町はまさしくそんな町で、今や全国的に有名になった「おわら風の盆」でさえも観光客に媚びる事なく、どちらかというと、そんな事よりも夜も深くて誰もいない町を自分達だけの為に踊り流すのが目的だったりする。
旧い町はこんな風に独立国家的であるほど、魅力が保たれる。
観光と経済という甘い言葉に、ある一線を踏み越えてしまうと、あっと言う間に欲に町が蝕まれて行く。
町民の暮らしはぐっと豊かになるが、その暮らしを維持するための経費はもはや自分の住む町からだけでは賄えなくなる…
…なんて事を教えてくれた今年の風の盆前夜祭。
この夏はじめての祭は、少し蒸す富山の空気と吹き抜ける秋の風が胡弓と三味線と唄をしなやかな踊りを魅せてくれる魅力的な祭りでした。
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