旭川のつづき
このシマフクローは
絶滅寸前の貴重なシマフクロウの出産や子育てを
がんばってきました。
動物園の動物は多くの自由を制限されていますが
動物園の最大にすばらしい点は
ほかの動物や人間に殺される心配がないところ。
それだけに釧路のミルクちゃんはほんとうにかわいそうでした。
有る一点のアングルからだけで事務的に表現すると
オリの中で自由をずっと制限された上に
むりやりペアリングされた配偶者のDVで死亡…
というかたちになってしまいます。
関係者のショックは測り知れません。
これまで200回も同居したのに懐妊しなかったということは
それだけ相性が悪いか
何らかの理由でもはやストレスになっていただけかもしれない。
でも
子供が生まれないから返還とか
他の個体を持って来るわけにもいかなかったでしょう。
こんなことが起きるなんて本当に起きるまでは想像できなかったと想います。
せっかく多くの人に協力してもらって
期待もされて
世界のホッキョクグマも減っている中で
わたしたちはなんとしても成功させなければ…とスタッフの皆さんというか
動物園の指導者たちが後に引けなくなっていたとしても
ムリはありません。
それも同情できますし十分理解できます。
いろいろかさなりあってがんばりすぎてしまったのかも…❆
動物園の動物はほかの動物や人間に殺される心配がないはずです。
こんな事件が起きたとしても
私の動物園への信頼は揺るぎませんが
それでも現場では直近の管理者がすべきことの目的を
勘違いしたり,作業の判断ミス等で
本来おきるはずのない悲劇が稀にではあってもおきてしまう。
どうしても動物園には檻(おり)が必要ですが
そこで暮らす動物の過ごし方や表情や寿命をみていると
動物にとっては動物園の特色は 檻 ではなくて
園
であるとおもいます。
釧路動物園のことは本当に残念ですし
秋田からは怒りが爆発している様子も伝わってきますが
ほんとうに誰かが悪いわけではない
不幸な事故なので
これ以上誰かが責められたりすることはなく
キロルもゆるされて
ふつうに展示されるようになれることを願っています。
たとえ動物園で事件が起きても
動物園を信頼します。
動物園は決して完ぺきではないけれど
この世界では今のところこれに代わるものはどこにもない
一番マシな取り決めだからです。
現在の自然界の野生では
これらの2種類の動物は命がけの死闘を展開しそうですが
ここは動物園で保護され安心して暮らしています
ほかの動物たちも同じような平安を享受していました。
帰りは特急ライラック34号に乗りました
ライラックの入線を待っているとちょうど…
特急ライラック34号は
17:55に旭川へ到着して折り返し16:30に札幌へ向けて出発します。
この日の旭川の日没は17:26ごろ。
日没より1時間ほどはやい便の列車に乗ると
日本海の方角に沈んでいく美しい夕陽を眺めながらの鉄道風景旅行を楽しめます