近未来トゥーランドット | ミュンヘン・ カフカ通り徒然日記

近未来トゥーランドット

久しぶりにオペラ記事など。

3週間ほど前に行った
メランコリックかつ倒錯的でスルメイカ的面白さ?の「オネーギン」が
暫く頭の中をグルグル回ってましたが
昨夜の「トゥーランドット」はガラリと雰囲気変わって
ラ・フラ・デルス・バウスが演出担当の一大パフォーマンス・スペクタクル。



実は私、「トゥーランドット」(1924年)を見るのはこれが始めて。
プッチーニ最後の作品であり、未完のままというエピソードにもそそられるもの。
ワーグナーみたいなドラマチックで壮大なオーケストラと
そこここに聞こえてくるモダンな響きが非常に新鮮でありました。
よく考えたら、黄金の20年代まで生きた作曲家なのよね。。。と納得した次第です。
でも、繊細で限りなく美しいアリアはやはりプッチーニ。

ラ・フラ・デルス・バウスの演出は
全体的に見て、スターウォーズとマトリックスとブレードランナーを足して割ったという感じ。
ロープで宙吊りアクロバットと3D効果を取り入れたビデオ背景が触れ込みか。
どうやら今や経済大国として揺るぎない地位にある、近未来の中国が舞台らしい。
意味明確不明確な漢字が飛び交い
大衆シーンはカーニバルでお馴染み「中国人」に扮装したカラフルなコーラスや
ブレイクダンスやスケートするダンサーたち。
欧米の人間にとって極東ってこういう風にしか表現できないのかな・・と
日本人の私には思えたけれど
(かなり公平な目を持っていると思う)同行した夫は、割合ポジティヴに受け止めてたな。


Jennifer Wilson(トゥーランドット)とJohan Bohta(カラフ)という主人公たちの貫禄が~~
もちろん歌唱はど迫力のオケに負けじと力強いんですが
井出達がこれまたど迫力で・・・以下略(焦)
そんな彼らの狭間で押し潰されそうになりながらもw
密かに思いを寄せるカラフのために命を落とす影の主役、
けなげで可愛いリウを歌い演じた中村恵理さんが素晴らしかった!
理恵さんは華奢な体に似合わず声量があって表情豊かでいいですね。
しかも、この役は外見や雰囲気もピッタリ。
カーテンコールでも一番拍手が大きかったのは恵理さんでした。



↑ 劇場の入り口で配布された3D用に例の赤青メガネ。
でも~3Dエフェクト自体はごく単純なもので
話題づくりの演出ギャグかも?と思ったくらいです。
たいした効果もないし面倒なので、私は途中からいちいち掛けるのやめ。
字幕スクリーンに’メガネ掛けよ’のコマンドが表示されると
観客席中からパラパラパラパラ・・・とメガネを取り出す雑音が
数分間も続くのが結構気になった。
ラストの悲しい部分なんてちょっと興醒めだったし。