トニー・ザイラー | ミュンヘン・ カフカ通り徒然日記

トニー・ザイラー

今朝ラジオのニュースで
トニ・ザイラー氏(Toni Sailer)が73歳でお亡くなりになったと聞いた。

オーストリア出身、往年の名スキー選手で
50年代に青春してた私たちの親の年代にとって
英雄・アイドル・時の人であったのですよね。

1956年のコルティナ・ダンペッツォでの冬季オリンピックで3冠王になり
その後映画俳優や歌手として芸能界で成功する一方で
スキー界の大御所であり、地元キッツビューエルでスキー学校も経営。
黒い稲妻(der schwarze Blitz)と呼ばれた
黒いタートルネックと黒パンツで颯爽と山を滑り降りるその姿は
今見てもスタイリッシュでかっこいい。

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私は昔スキーをさかんとしてた父からその名前を聞く程度だったけど
彼が主演した映画「白銀は招くよ」のタイトル曲だけは聞き覚えがあった。
作品も見たことなかったのに歌だけは知ってたのはなぜかと思ったら
NHKの「みんなの歌」でも流れてたんですね。
すごく懐かしいメロディが今朝は頭のなかでグルグルしてます。


「白銀は招くよ」(1959 原題:12 Mädchen und 1 Mann)のあの歌は
"Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt" by Toni Sailer

彼の映画は50~60年代のドイツ語圏に数多い
いわゆるHeimatfilm(故郷映画)ですね。
戦争の痛みから抜け出つつあった時代
悪のレッテルの重みに苦しむ自分たちの祖国を
再び愛し始めたころでしょうか。
美しい風景を舞台に、話の筋はまったく人畜無害の恋と友情。
そんなメルヘンのような世界を夢見たのかしら。
今でもテレビでそんな古き良き昔の作品がよく放映されます。
ロミー・シュナイダーのシシィ3部作はその最たるもの。

映画しかり、スポーツしかり。
トニー・ザイラーのオリンピックでの活躍は
当時の人々にとって明るい希望の星だったことだろう。
やはり50年代以降スキーや山登りをさかんとしていた義父母にとっても
(何もない時代に一番手っ取り早い余暇は山スポーツだったとか)
時代を象徴する切っても切れない人物に違いない。