イタリアを旅する女一人・・・ | ミュンヘン・ カフカ通り徒然日記

イタリアを旅する女一人・・・

昨夜、昔々懐かしい映画Summertime1955年)を久しぶりに見る。
独題をTraum meines Lebens(=私の生涯の夢)というそうで
え~っとこれって日本ではたしか「旅情」だったよね・・と確認する始末。

オールドミスで生真面目なアメリカ人女性ジェーンが
夢にまでみたベニス旅行を実現させる。
この町の魔力に魅せられ、イタリア男と短いロマンスを体験するが・・・

その当時は
海外旅行なんて一生に一度できるだけでも
ものすごい決心だったんでしょう。
こんなに遠くまで来てしまった・・と、全く別世界に身を固くしてる姿が描かれる。
キャサリン・ヘップバーン
自立してるはずなのに、なにか心もとない孤独な中年女をリアルに演じてましたね。
経験不足の少女のような不安な表情やギクシャクした感じが上手いな~。

ベニスの今も変らぬ風景の雰囲気もよく伝わってきます。
そしてテーマ曲Summertimeが全編を通して流れ
とってもアナクロなロマンチック映画で癒しになりました。
(ご丁寧にあらすじを説明するトレーラーも現代のとはずいぶん違う・・)



イタリアで自己解放する女性像といえば
私の世代ではA Room with a viewですよね。
(1986年「眺めのいい部屋」独題:Zimmer mit Aussicht)
こちらは時代が遡り、20世紀初頭のフィレンツェが舞台だ。
ヴィクトリア朝的がんじがらめのイギリスからやって来る若い良家の令嬢ルーシー
旅の開放感と生命力溢れるイタリアに強烈なインパクトを受け
常識に囚われない自由な思想の青年ジョージと知り合い
自分の置かれた立場と本当の気持ちの間でジレンマに陥る。

イギリスに戻ってから、そんな思いを断ち切るように
スノッブな上流紳士セシル(ダニエル・デイ・ルイス!)との婚約に踏み切るが・・。
感動的なラストももちろんですが
なんといってもフィエーソレへの遠足のシーンが素晴らしいの
お堅いイギリス人たちのピクニックから逃れたルーシーが
ポピーの花咲く小麦畑でジョージに突然唇を奪われる、あれです恋の矢
バックに流れるキリ・テ・カナワ歌うChi Il Bel Sogno(「つばめ」より)と共に
映画史に残る名場面だと思う。



は~・・・タメイキ。つい熱くなってしまいました。
アメリカ人やイギリス人に限らず
昔も今も、イタリアって旅人にひと時の夢を見させてくれる
不思議な魅力を持つのでしょうね。