Ein fliehendes Pferd 逃亡する馬
レンタルDVDから
Ein fliehendes Pferd(逃亡する馬)が送られてきた。
原作は
お友達に薦められて
ちょっと前に読んだマルティン・ヴァルザーの同名小説。
現代人の複雑な心模様を上手く表現してて
結構好きなタイプの作風でした。
(和訳も出てます:同学社内藤道雄訳・新しいドイツの文学シリーズ¥1386)
2006年製作・昨年秋に公開 原作はマルティン・ヴァルザーの小説
何年来もボーデン湖畔の同じ町の同じ宿で休暇を過ごす
マンネリ中年夫婦ヘルムートとサビーネは
彼の昔のクラスメート・クラウスとその若い恋人ヘルにばったり出くわした。
性格のまったく異なる2組の男女が繰り広げる
コメディータッチの軽やかな物語だけど
そこで描かれる人間描写はなかなか鋭い。
同じ生活パターンをこよなく愛する自称悲観論者ヘルムートは
常に行動的で人生謳歌タイプのクラウスが苦手。
夫と全く違う社交的な彼にちょっぴり惹きつけられるサビーネを
昔からあいつは他人の神経逆なでして浮いてたんだぞっとたしなめる。
そういう自分はというと、愛情表現もあっけらかんとした
ヘルが気になったりする・・。
ある日ドライブの途中に出くわした荒馬を手なずけてしまうクラウスの言葉:
Einem fliehenden Pferd kannst du dich nicht in den Weg stellen.
Es muss das Gefühl haben, sein Weg bleibt frei.
Und: ein fliehendes Pferd lässt nicht mit sich reden.
(「逃げる馬を馴らすには、目の前に立ちはだかっちゃだめだ。
自分は縛られない・自分は自由だって馬に思わせるのが肝心。
逃げる馬を言葉で説得しても無駄なんだ」・・・ってところかな?)
逃げる馬なのは果たして
冒険することから逃避するヘルムートのことなのか。
それとも・・・?
最後のどんでん返しとともに
物語のキーポイントとなるシーンです。
風のように自由奔放なカップルに翻弄され動揺し、
自分たちの今を見つめなおすヘルムートとサビーネ。
一緒に湖の向うまで泳いでいくラストは
そんな2人の再スタートを象徴してるのでしょう。。。
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監督: Rainer Kaufmann
ヘルムート: Ulrich Noethen
サビーネ: Katja Riemann
クラウス: Ulrich Tukur
ヘル: Petra Schmidt-Schaller
ライナー・カウフマン監督の作品は軽いラブコメも結構多い。
彼のStadtgespräch(巷のうわさ話)やdie Apothekerin(薬剤師)でも
おなじみカチア・リーマンも中年女を演じるようになりました。
ウルリッヒ・ノーテンは平凡な男の役が上手い中堅どころ。
U.トゥクーアは「善き人のためのソナタ」の時と似た様な
多血質だが実は裏のある人間を好演してます。
ヘル役のシュミット・シャラーは初めて見る顔で
無邪気な中にお色気が漂う不思議な魅力だ。





