Possession 抱擁 | ミュンヘン・ カフカ通り徒然日記

Possession 抱擁

Possession 抱擁(2002年)について書かせてください。



現代と過去が交差する愛の物語                英語版原作の表紙はバーン・ジョーンズなの

何気なくレンタルして

何もかも隅々まで気にいってしまった一本です。

時代物がぴったりのジェニファー・イール(高慢と偏見!)

ジェレミー・ノーサム(エマ)をもっと見たくて借りてみたのですが

お話の奥の深さにもすっかり惚れ込み

後日原作本(もちろん日本語です)も調達~恋の矢



原作: A.S.バイアット女史

監督: 二ール・ラビュート

音楽: ガブリエル・ヤレド  


出演:

グウィネス・パルトロウ - モード・ベイリー

アーロン・エックハート - ローランド・ミッチェル

ジェニファー・イール - クリスタブル・ラモット

ジェレミー・ノーサム - ランドルフ・ヘンリ・アッシュ

トビー・スティーヴンス - ファーガス・ウォルフ

レナ・へディ - ブランシュ・グローヴァー

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舞台はロンドン~ヨークシャー~ブルターニュ。

19世紀の高尚な作家ランドルフ・アッシュを研究するローランドは

作家所持だった本の間に挟まれた書きかけの手紙を見つける。

ある婦人宛ての恋文だ。

一生おしどり夫婦として知られ、妻だけを愛し続けた彼の

この手紙が本物だとしたら・・・文芸界を揺らがす新しい見解のはず。

手紙内容から推測して、相手として可能性のあるのは

フェミニストで同性愛者の女流詩人クリスタブル・ラモット。

ローランドはラモット専門の学者モードに協力を依頼する。

いにしえの隠された愛の奇跡を追ううちに

いつしか、2人の間にも・・・。


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ヴィクトリア時代のがんじがらめの社会でありながら

人目もはばからない驚くほど情熱的な愛情と

傷つくのが怖いばかりに人を愛することに臆病な現代の男女。

二つのカップルの行方が同時進行で繊細に描かれる。


バイアット女史の原作とは設定が違う部分もあり

長々と語られる手紙のやりとりや

クリスタブルのゴシックな創作詩(まるで実在の作家?と思わせますが

すべてはバイアット女史の自作なの)・・といったものは

映画ではかなり省略されていますが、それはそれ。

文芸の薫り高い作品に仕上がっております。


グウィネスとアーロン・エックハートもよいけれど

やっぱり昔の作家カップルの方が官能的な演技で合格です。

イングランド・ヨークシャーやブルターニュの風景も美しい。

19世紀の衣装やインテリアはかなりラファエル前派の雰囲気を出してますね。

(っと思ったら、英語原本の表紙もバーン・ジョーンズの「マーリンとヴィヴィアン」じゃないのぉ)

想いは伝わらない二人とやっと愛に辿りつく二人・・・・。

ラストシーンは毎回じわ~っと感動の涙です。

ジェーン・オースティンものが好きな方なら

きっと気にいるはずキスマーク


音楽は「イングリッシュペイシェント」や「善き人のためのソナタ」等も担当した

ガブリエル・ヤレドが美しくも悲しいメロディで作品を盛り上げてます。

特筆すべきはラモン・ヴァルガスが歌うアリア”Possesso”!

すごくよいんです、これがっ。

曲を聞いただけで映画のシーンが目に浮かびゾクゾク・・・。

残念ながらYoutubeでは見つからなかったのですが

私は思わずなになに、何のオペラ?って探しちゃったわ~。