トーマスマンの小道を犬と歩く
週に一回だけ特別サービスで
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息子の楽器レッスンの送迎をしている。
なぜか音楽学校の場所は、由緒ある高級住宅街
ボーゲンハウゼンなんです。
30分のレッスン(のはずが毎回一時間もかかる。
何してるんでしょー?)の間、
私は犬の散歩がてら素敵な界隈を散策してるというわけ。
ここはイザール川を挟んで
中心街とは反対側、
市内でありながら緑の多い閑静な
地区である。
私たちがお気に入りのコースは
小川がせせらぐ緑地帯や、
巨大なブナの木がうっそうとするヘルツォーク公園。
みごとなブナの木・・・ここでブランコしたら楽しそう。
この日の夕方、ちょうど長雨が上がったところで、
光と影の具合で一段とロマンチック。
道路を横切りポッシンガー通りをイザール川方面に、
突き当たりの川べりの散歩道トーマス・マン・アレーまで
歩く。
ちょうどその右角にたつ白亜のお屋敷。
ここに1910年代から33年までトーマス・マン一家が住んでました。
このヴィラは戦後長年忘れられ売買されていたが、
数年前に修復なったもの。ゆえにピカピカ新品だし、
しかも記念館でもないのですよ。変でしょう?
テレビドラマ”マン家の人々”(Die Manns)の
撮影に使ったわけじゃないし。
とにかく、このヴィラは
目の前が緑の小道、その向うはイザール川・・という
犬の散歩にも最適なロケーションです。
彼の著作”ご主人と犬”(Herr und Hund)
によると、
彼は毎朝犬のバウシャンとここを散策するのが
日課だったそうです。
本来妻や子供たちが欲しくて調達した
犬(田舎育ちの雑種犬)は、なぜか彼を
ご主人と決めて(?)なついてしまった・・・
というほほえましいエピソード。
格調高い作家の意外な一面です。
ちなみに、その当時この辺は新興住宅地で、
舗装もされてない辺鄙なところだったんだって。
あんまり人里離れてるんで家を建てる人間も
少なかったとか・・。
今では土地家賃が高いのではドイツ1,2を争う
ミュンヘンの中でも憧れの的だというのにね。
そんな80年以上も前の
風景を思い浮かべながら
歩くのもなかなか趣きがあるでしょう?
もっとも・・この道は川に沿って
市内を突き抜けてると言ってもいいので、
自転車やジョギングする人、ベビーカーを
押すママやらただの散歩人まで
結構な人出なんです。
その間をぬって犬も走り回ってるしね。
我が家の犬は臆病者だし
リードつけてますが、
ドイツではリードつけるなんて
動物虐待!とか言う人多いんですよぉ~。
そろそろレッスンも終わる頃だ。
車のところに戻ることにしよう・・・
と、方向転換した途端に
”帰り道はあたしがちゃんと分かってるわんっ”
と言わんばかりに先を急ぐ犬。あぁぁ。




