日はお休みなので撮り溜めたビデオを見ていました。

 「世界のコワ~イ女たち」(2012.01.17放送)リンク

 今回は「松本サリン事件」を題材にされていました。

 私の記憶では事件が報道された最初は本当に小さな事件でした。確かニュースステーションで見た記憶があります。「催眠ガスみたいなものが撒かれた」ような感じで報道されていたと思います。翌日に死亡者が出るようになったことと、被害が広範囲になったことが事件を大きくした感じがしました。当時はワイドショーが全盛。沢山の警察官が河野さん宅に入って何か薬品を持ち出した映像を繰り返し見て、皆さんは「あ~やっぱりね」と感じたのではないでしょうか。立派なお庭の邸宅の植木が、日に日に枯れていくのもテレビ画面で見ていると「ここが震源地?」って言葉では言わなくても映像で「そうでしょ?」って有無を言わさず納得させられていたような気がします。テレビって本当に恐いですね。

 最初、私も薬品名が分からなかったので「そうなのかなぁ」と思いました。暫くすると「農薬」という情報が入り、「?」と感じるようになります。農薬ってスゴイ薬ではあるのですが、今売られているキレイな野菜には沢山の農薬が付いています。本当はナメクジに食べ尽くされていてもおかしくない葉物野菜が全くの無傷なのは農薬のお蔭。でも健康被害はないし、第一農家で農薬が混ざってガスを発生させて事故ったこと自体聞いたこともありません(その程度でサリンが出来るんだたら、昔は使うことが出来たキツイ農薬なんかで既に何らかの事故があってもおかしくないんではないかと思う)。それに範囲が広すぎる。冷静に考えれば「???」でした。

 私が河野さんが犯人ではないと確信したのがニュースステーションで元KGB職員の方がおっしゃっていた「犯人は車に乗り、毒ガスをスプレー缶などに詰めて走る車の窓(被害から想定してワゴン車の窓と仰っていたと思います)からスプレーして撒いた」という説が正しいような気がしたからです。何故スプレー缶を使ったかの理由がマンションの4階の方が亡くなっているからだったと思います。これが正しいとすれば計画的犯罪だし、複数人の犯人がいることになるし・・・

 番組中、名越先生が仰った「もしお金が無くなって、お金持ちと貧乏人がいたら、貧乏人を犯人と思いこんでしまう」のが人間であって、その要素が全て揃ったのが河野さんだったということ(私の記憶なので正確性に問題アリ)、が全てであったかもしれません。何となくイジメの構図に似ているような気もしないではない。

 現代人って恐ろしい程の情報を持っているし、学力なんて昔の学者以上のモノを持っていると思うのですが、あらゆる可能性を探る力が落ちているのか、人間を見る力が衰えているのか、モノの見方が狭くなっているような気がしてなりません。

 皆が「イイ!」とか「正しい」ということには立ち止って考えることが大事なのかと思います。