会計事務所にいた時の同僚の方から聞いた話。7年以上前になりますが・・・
田舎に暮らす実母から電話があり、世間話をしていたら確定申告の話になったそうです。
『私ね、一人で確定申告、全部できたんよ』 『へぇ~スゴイね』 『書類持って行って、税務職員の人に教えてもらいながらコンピューターで申告したの』 『スゴイ!スゴイ!どれ位、時間かかったん?』 『2時間か3時間くらい??』 『(しばらく絶句して)チョット、他に分からなくて聞きたい人が沢山いるのに、一人で職員さんを一人占めしたらダメでしょ』って会話があったそうです。
そのお母様は一人で何でも出来るように勉強したかったと思うのですが、残念ながら翌年には完全に申告のやり方を忘れてしまっているでしょう。確定申告は簡単なようであり、意外と生活には関係ない計算が多いので、一般の方には理解できないことも多いと思うのです。1回の説明では無理でしょうね。
今後、今までと同じように確定申告をするとなると大変なことになると思うのです。今でもこのお母様のような方が沢山いると思うのです。この方のお父様が定年まで公務員でいらしたので恩給がありますが、病気にもなっておられます(医療費控除の適用がある)ので、当然還付の確定申告(収入が多いので、源泉徴収をされているから還付できるのです)をします。このようなケースの方は多いと思いますが、お年寄りにはコンピューターは程遠く、申告の要領を得ない人も多いでしょう。そうすると職員の方が指導するのですが、現在は代筆が認められていない(本人の直筆でないと、もし間違った申告をした場合トラブルになるからと聞いたことがあります)ので、一文字一文字教えながら(申告はあくまで本人がするので、職員は指導、説明しかできないらしい)申告するようになると思うのです。
現在でも高齢者が多く、今後約10年で団塊の世代が定年し、寿命は延びる一方で、同じ様な方が更に増えるのですから、現在の税務職員では対応出来ないかも?って思うのは私だけでしょうか?
この記事の案(年金受給者の確定申告を不要にする)は本当に一つのアイデアとして真剣に考えても良いのではないかと思いました。