今頃の時期に会長さんの会社の税務調査があったんです。

 税務署の人が一人で来られて、帳簿を繰っている時が結構暇なので、代表者の方は結構、身の上話をされるんですよね。会長さんもそのお一人。

 その時の忘れられない話があります。

 『くり~ぃむ』さん、なんでマッカーサー率いるアメリカ軍が日本を占領できたか知ってるか』っておっしゃるんです。キョトンとしていると『それはやな、アメリカ軍は正規軍だったからだよ』と。

 会長さんは現在多分80歳ぐらいだと思います。満州で暮らしていました。当時少年だった会長さんは学校では授業が殆んどなくて、空襲にあった時に逃げる訓練ばかりさせられたそうです。そんな中、日本は敗戦し、ソ連軍が雪崩れ込んできたそうです。占領するとかの次元ではなく、略奪とか強姦などやりたい放題だったとのこと。アメリカ軍が日本を占領した時とは全く違うそうです。

 興味深かったのは、司令官が女性だったこと。軍隊は名ばかりで、殆んどが刑務所にいた囚人。こんなことは教科書にも書いていない。囚人だったかどうかは私も半信半疑ですが、会長が言うには『ソ連兵は腕時計に興味を示していた。日本人から奪った時計を腕に2つも3つも付けるんだ。ただ、彼らには学がなく、字が読めない。時計に興味を示したのは時計の針が動くから。止まると我々日本人が直してやると嬉しそうにしていた。』ってことが正規兵でない証拠かもしれないと感じました。それと『メガネを奪うんだ。彼らは寒い地域にいるからかもしれんが、近視が多くて、メガネをかけて良く見えるようになると嬉しそうにしていた』と言うのも興味深かった。

 それと男性でも夜は本当に怖かったそうで、昼でも女性は危なかったそうです。会長さんも強姦にあっている女性を見かけたそうですが、相手のソ連兵は複数人で更に腰に拳銃を差していたから、助けたくても到底無理だったとおっしゃっていました。

 本当はソ連もアメリカが日本を占領したように満州を占領したかったんだと思う、っておっしゃっていました。もし『規律』を理解して守ることが出来る軍隊であれば、満州もソ連の領土だったかもしれないなぁって私も感じます。もしそうだったら、現在の世界地図ってどうなっていたんでしょう。