ボクの癌がわかったのは,2009年4月で,全周性の腸閉塞がきっかけだった.

屁すら出ないほどの完全な閉塞で,腹壁反射が強く,ともかく酷い目にあった.

およそ11週間の絶飲食の末,結局,減圧のめどが立たず,7月1日手術.

 

病理診断の結果を聞いたのは,さらに4週間後だったけれど

今でもその時の様子を,はっきり覚えてる.

「ステージはIIIbで,リンパ節転移は4/24.漿膜のすぐ下まで達していて

予後は厳しい.施設内の数字だと,IIIaの5年生存率は73%でIIIbでは67%」

 

『あなたと同じ状態の患者が10人いたとして,4人が再発,うち3人は5年以内

に死んで,1人は5年以上生きるかもしれない』

こう説明された.N医師だ.

 

「あなたは,若いし基礎疾患がないので,当てはまらないかもしれない」とも.

 

なぜかと聞くと

 

「出たら徹底的に切るんだよ.心配ない」と言われた.

 

厄介な奴を身体から取り出して,すっかり治った気分だったボクは

このとき大いに凹んだのだけれど,頭のどこかで「切ればいいのか」と納得できた.

 

それから後

2010年2月に両肺への転移を確認(2011年2月に治癒的切除→無再発)

2010年6月に肝転移を確認(2010年8月に治癒的切除→無再発)

2012年7月に脳転移を確認(2012年8月にSRT→消失)

2014年6月に脳転移を確認(2014年7月にSRT→消失)

2017年9月に脳転移を確認( ↓ )

2017年11月に脳転移を確認(2017年11月にSRS→一部消失)

2018年11月に脳転移を確認(2019年3月にSRT→縮小中)

と,あちこち転移してくれた.(これ以外に転移の疑い多数も,炎症性変化だった)

やはりというべきなのか.

 

「お前は運が良い」とよく言われるけれど

運のいい奴ならば,こんなに何度も転移しないだろうし

そもそも,大腸がんに罹らないだろう.

 

この10年振り返って,不思議なのは

話によく聞く「何かに生かされてる」って感じを,ただの一度も

感じなかったこと.なんでだろな.

 

つづく

 

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