意識が自然と夢から引き離される。そして突然、同時に無数の光が体に突き刺さる。

 昨夜部屋のカーテンを閉め忘れたせいで、朝の直射日光が窓ガラス越しに当たっていたのだ。


 「……」

 無言で起き上がり、目を擦りながらうっとおしそうにカーテンを勢いよく閉める。

 午前4時30分。起きるにはあまりにも早すぎる時間であった。セットした目覚まし時計のアラームが鳴るまで、まだかなりの余裕がある。二度寝しようにも、あの眩しい朝日を思いっきり浴びた後だ。眠気が吹っ飛んでしまうわけだ。



 その体勢のまま、しばらくボ~っとして特に何もせずにいる。

 俺は気が短い。なので当然すぐ自分自身にイラだってベッドから飛び出す。

 

 親も姉弟もまだ起きる時間帯ではない。

 その状況をこっそり使って、誰もまだ起きていない、薄暗い外を出歩ってみることにした。

 

 



「何なんだよ……一体……!!?」


俺はいかにも、逆ギレした様子で声にならない金切り声を上げ、頭をくしゃくしゃと掻きむしる。

悩めば悩むほど気持ちがムシャクシャしてくる。考えるだけ無駄だと、俺は悟った。



気がついた時、枕元にあった時計はすでに0の針を差していた。いつもより寝る時間はかなり早いが、何故か今のちょっとした思考によって、一気に疲れが溜まってしまった。

眼を閉じれば、無論、急に眠気が襲ってくる……。


あっという間に意識は夢の世界へと飛び、俺はしばらくの裕福感を味わうことが出来た。……夢の中で。







このところ、何もかも詰まらなくなってきた。


この間、テストの成績がよかった。

友達だって少なくはない。

流行にだって、ちゃんとついていけている。


ごくごく普通の青春時代を、これまで十分に過ごしてきたつもりだった。

だが、どうしても何か物足りないものを感じる。



それは……『恋・愛(レン・アイ)』……?



そんな馬鹿な。ハッタリだ。



確かに、俺は今まで恋愛経験をしたことが何一つない。美男子(イケメン)とか、スポーツマンとか、秀才とか、色んな男子をこれまで目にしてきた。

だけど、俺の心を誰一人掠りすらしなかった。当然、一目惚れんなんざ大それたことは勿論無い。



俺の頭の中の感情には、異性に対する思いというものがないのだろう。

そう確信をすることが、余計俺の心の隙間を広げていく。