(BL小説/MA妄想)*男性が妊娠出産できる世界のお話*
<side 雅紀>
夢の中みたいだった。
ずっとニノが大好きで。
俺はニノみたいに、なりたかった。
初めて見たニノの発情姿が、頭の中に浮かんで、知らずに真似た気がする。
ただ、途中からは、自分からの欲求に従っていったんだ。
初めてなのに、動物みたく、色々したくて、して欲しくもなった。
説明できない、俺の『イヴ』の発動だったと思う。
その相手が、どんな人かなんて、酔っていた俺は分かんないんだけど。
彼の匂いは、とっても素敵だった。
だから、夢中になってしまったんだ。
もう記憶も、あやふやになっていった。
<side 潤>
素敵な夜だった。
情熱的な彼には、俺も圧倒されてしまった。
こんなに、激しく迫ってきたから、遠慮なく繋がって驚いた。
彼の体からは、少し出血があって。
俺の見立てでは、初めての経験なんじゃないか? と思った。
『イヴ』は普通じゃないらしいとは聞いていたけど。
その色気と、迫力は、想像以上。
なのに、朝になったら、記憶もなくて。
なのに、また突然発情したりもする。
動物のように俺に迫ってくる彼は、怖いくらい色っぽい。
別人のような真面目で可愛らしい姿と性格に、俺は本気になってしまった気がする。
それなのに。
まるで、他人のような『マー』
俺は、あの人の身代わりだったのかもしれない。
あの……シングル・ファザーの二宮という人の。
「……あきらめないんだからな。マー、俺をなめんなよ」
着替えながら、マーの顔が浮かんだ。
俺が誰かに執着するのは、生まれて初めてなんだからな。
続く
潤君頑張って♡大宮さんの行方もチビ翔君も心配ですね。