(BL/ON/大宮妄想)
*Dom/subユニバース・パロ風(オリジナル設定)
(18)
呉坂 亮という女性は、父親の会社を継いで数年で、大きな企業に成長させた実力者だ。
そのやり方は、さまざまで。
色々な方法を、遊びのように試して来た。
天性の勘と頭の良さ。
美しい迫力のある外見は、彼女をカリスマにしか見せない。
強引な手で、小さな虫のように壊した会社も多かった。
人に恨まれることすら、彼女にはやりがいになる。
彼女の関心は、人間そのものだから。
恨まれて、ナイフで刺しにくる人間もいたが、理解は出来ない。
仕事は、命懸けのものだ。
その勝負に負けた事を恨んで、先に進めない人間は次も失敗する。
彼女相手じゃなくとも、いつか破綻する。
恨みや復讐に囚われて、時間を無駄にするなど、おかしいと思う。
「頭が悪すぎる」
なぜ、人は間違いと知りつつ破滅するのか。
たかが、小さな事ばかりで。
感情の生き物の生態を、その目で理解したかった。
彼女は、常に冷静で平坦だ。
その為に、楽しいもの、美しいものへの理解が未熟だった。
興味のない性や恋愛。その先の結婚は、有益に使いたい道具でしかない。
和也の会社を狙うにつけて、美しさで有名な若い和也に目を付けた。
暴君でカリスマと呼ばれる和也だったが、彼女から見れば違和感がある。
カリスマで暴君、それは自分と同じはずなのに、彼からは違う匂いのようなものがあった。
「和也……何かあるかも知れない」
彼女の勘は、外れたことが無かった。
和也の身辺調査を、自分の秘書にさせた。
秘書の女性は、可愛らしい小さな顔の若い学生のような子だ。
誰より社長を尊敬して、彼女のために24時間働きたがる。
Subにも似た秘書は、和也の秘密をあっという間に見つけて報告してきた。
彼女が見せる画像は、恋人のような和也と智。
ただ違うのは、二人でいる時は、必ず智は和也の首を絞める仕草や、それをねだる和也の姿。
S Mかとも見えたが、どうも違うようだった。
「亮様、彼らはDom とSubではないでしょうか?」
「それは、どのようなものなんだ?」
聞いたことはあったが、見たことがない。
そもそも興味がなかった。
誰もが、自分の性は隠してしまう。
悪用されることも多いからだ。
それならばと、彼女はその関係性について学習を始めたのだった。
(続く)
最近は、本当にこんな方がいるような気がします。
ホルモンが出ないのかなあ。
理性的に戦えて、頭脳戦では無双だと思う。
好きも嫌いもないんだもん。
感情豊かに潤って暮らす人生と、平坦な感情がもたらす穏やかな感情の暮らし。
きっと色んな人生があるものだと考えます。
価値観が同じ人じゃないと大変そうだなあ。
(本編には出てきませんが、秘書の女の子は呉坂社長に恋をしています。どこかで書きたいぞ。pixivかな)