(BL/大宮ON/妄想小説)
*王子とか姫と書いていますが王子でも姫でもありません。(ただの趣味)
ニノちゃん姫が大好きな、王子・サトシ。
彼は大変悩んでいた。
彼は、心も、姿も美しい。
自他ともに認める、モテ期しかなかった勝ち組だった。
なのに、あの貧乏な姫は、王子に大変冷たい。
王子が、めちゃくちゃ嫌われていると思える態度の姫だった。
王子は、考えた。
が、さっぱり自分のどこが、嫌われているのか分からない。
あんなに、嫌われても、ニノが好き。
純情で可愛い王子様だ。
ニノが可愛いだけでなく、とても良い子なのも分かっている。
困った王子は、友人に相談してみた。
イケメンで、同じく金持ちの子息だ。
名前は、櫻井翔という。
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「へえ。サトシ君を拒否する女の子もいるんだねえ。初めてじゃないの?」
相談に来た王子へ、お茶とお菓子をススメながら、翔は自分も紅茶を飲んだ。
王子は、紅茶のカップをふうふうしつつ、返事をする。
「初めて。みんなさ、なんでも良い。一晩だけでも付き合って欲しいとか言うのに」
「まあ、そんな子は、俺は嫌だけどねえ。怖いもん」
「オイラも。そんな子は嫌なんだ。付き合った事ないよ。あ。それと、ニノって男だから」
大真面目なサトシの返事だが、翔は思わず吹きそうになった。
「へ? サトシ君、男って」
「うん。男なの。でもねえ、良い子だし可愛いんだ。すっごく働くの。あんなに働く子初めて見た」
「そ、そうなんだ。(動揺を隠せない)あの、聞いていい? 今まで男と付き合った事あるの?」
「ない」(きっぱり)
「それで、よく付き合おうとか……」
「えへん、オイラは勇気あるからねっ」
これも『オイラ』同様に、幼稚園時代の先生に言われたことである。
何かした(何の内容は覚えていない)時に、とっても褒めて貰ったのだ。
『勇気があるわねサトシ君』
それ以来、自分は勇気のある男だと信じている。
「勇気……(関係あるかな? 意味が違うとか?)」
翔は、色々思うが、そこはスルーした。(面倒な気がしたから)
「そんなに好きで付き合いたいなら、聞けば? どこが嫌なの? とかさ」
「そっか……。そうだね。ありがと、翔ちゃん。そうする!」
ニコニコする王子に、翔は不安だ。
そんなに、真面目に答えた訳でもないからだ。
「あ、あの……」
「今から、聞いてくる。ごちそうさまっ♫」
可愛い王子は、立ち上がるとすぐに帰ってしまった。
「大丈夫かなあ……」
恋する友人は、純粋すぎて。
その分、心配だった。
続く♡
純情王子の想いは、真面目な姫には、なかなか通じないのです。