*嵐妄想小説
*BL小説
*大宮妄想(+潤翔妄想)
*SFファンタジー
*男性妊娠出産可能な世界
*お話の全てはフィクションです。
(3)
まだ、神様の愛の試験用紙も見つかっていない二人が……ここにいる。^^;
「あのさ……また、抑制剤を変えようかなあ……」
「え? なんで? せっかく体に負担の少ないのにしたのに」
「だって、早いんだもん……シーズンの間隔が」
「だめ?」
まだ始まったばかりの大野と二宮。
二人で、久しぶりに外へ出かけて、大きな公園を歩いていた。
いろんな人が眩しいほど、明るく話しながら、行き交っていく。
異性のカップルに、同性のカップル。
家族づれも同様の色んな人たち。
二人で、大きく広がる空が見える広場の芝生に座る。
「何度も言ってるけど、和也は考えすぎ。恥ずかしいことじゃ無いんだし」
「……恥ずかしいよ」
「そうかなあ、ハッキリ言って、俺は365日、発情してますけど?」
「えっ?」
「好きな子と一緒にいて、その気になって貰えないって、すっごく悲しいんですよ?」
「あ……」
二宮は、自分の体が特殊すぎて、普通が分からなくなっていた。
「今でもさあ、中々……許して貰えないのに」
「ごめん……」
眉を困ったように、下げて二宮は、謝った。
「シーズン終わったばっかりだけど……、今夜……する?」
赤くなりながら、二宮が提案する。
「本当? やったー♡ でも、無理してない?」
「うん……気が付かなくて……ごめんね」
二宮は、知らぬ間に我慢させてたのが、申し訳なくなった。
が。
「いいのいいのっ♡ シーズンの時は、24時間ねだられて、天国だからねっ。それでチャラかなっ」
「はっ?」
大野の浮かれる発言が、二宮の気持ちをくるっと変えてしまう。
「(むっ)……やっぱりダメ。次のシーズンまで待ってっ」
「ええっっ?! どうして?」(しまった……)
「もう、気が変わったのっ!(怒)」
***
なんとか二宮を宥めて、一緒に部屋でお酒を飲みながら話す。
大野は、なんだかんだ言って、プロの専門家だから。
ゆっくりリラックスさせて、気付かれないようにカウンセリング。
「ほら、櫻井君たちも結婚して、落ち着いたでしょ?」
「うん、長かったね。二人が初めて会ったのって、翔さんは10代って言ってたし」
「そうそう。和也も、もっと長い時間と広い視野で見れば、悩まなくていいんじゃ無い?」
「そうかなあ……」
二宮の不安も多分、櫻井と似ているんだろうと、大野は思っている。
不安だから、シーズンの後の落ち込みが激しくなる。
変わってしまう自分を相手が、嫌にならないか、そこも心配なんだろうから。
『自分と相手の気持ちの確かさ』
それは、世界中の人が恋愛相手に、必ず思う普通のことだ。
特殊な体に生まれたせいで、その不安が大きくなってしまう。
だから専門家として、恋人として、二宮の不安を消してあげなければならない。
「あの、ちょっと提案なんだけど?」
「なあに?」
「薬を、完全に止めて見ない?」
「え? 無理だよっ、怖いし」
「健康な人は、普通にそういう欲があるでしょ? それを落ち着かせる薬は、鬱も引き起こすでしょ?」
「うん……」
大野と付き合う前は、薬の多用で、二宮は鬱気味だった。
ニッコリ笑って、大野がいった。
「だからさ、婚約しない?」
「うん……へ? ……ええ?!」
「結婚は、和也がしたい日でってことで良いよ♡」
大野のあまりの軽い言い方に、二宮は思わず耳を疑った。
続く