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くちびるにCandy・2

「甘くキスして、ただ抱きしめて」

 

 

 リビングには、休日なのでお昼間だけど、お酒を並べて。

 

恋人たちが、甘くキスしてたと思ったら、影が重なった。

 

普通の恋人たちには、違いなかったが。

 

世界が変わり、人の遺伝子も変わった。

 

男性の半分が、妊娠できる世界になった。

 

仲の良い、この恋人たちの一人もそうだった。

 

 

 

***

 

 

 

「好きだよ……」

 

色々な葛藤を乗り越えて、二宮は大野と付き合えるように変わった。

 

二宮も特殊な体に生まれて、妊娠できる男性だった。

 

特異体質も、不安も、大野がプラス思考に変えてくれたから。

 

 

しかし。

 

二人は、付き合いだして、まだ日も浅かった。

 

初めて体で愛しあったのは、昨日だ。

 

それでも、今日会ったら、我慢できずに二人でベッドの中。

 

何度もキスをして、何度も抱きしめ合う。

 

キスしてる間に、本格的にシーズン(発情期)が始まってしまった二宮は、激しく求めてきた。

 

「大野さん……気持ち良くして?」

 

そんな風に色っぽく綺麗な顔と声で言われたら、断れる男なんていないと、大野は思った。

 

 

まだ、昼間だから、窓から太陽に光が差し込んで、二宮の体を照らす。

 

きっと普段の二宮なら、恥ずかしくて耐えられない。

 

でもシーズンが始まった彼は、別人だ。

 

自分で服も脱いで捨てると、大野を脱 がせて露 わになった肌に、覆 いかぶさって、あちこち唇 と 舌を 這 わせていく。

 

「二宮さん……綺麗……」

 

「和也って呼んで……」

 

そう言って、どちらともなく、唇を合わせて 舌を絡 め合う。

 

素肌の 体も 絡 まって。

 

体の 中 心 も、くっつけて、感 じあう。

 

大野も、二宮の体を大きな手で、撫 で回していく。

 

胸 も首 筋も舌 で可 愛 がると、声を 上 げて二宮が身 を捩 る。

 

 

 

「和也……可愛い……」

 

「ねえ、もっと……」

 

ねだられるまま、熱くなっていく。

 

シーズンは、魔法がかかった不思議な時間だ。

 

 

大野にとって、色っぽい女神のような彼は、シーズンが終わると、誰より落ち込むのだった。

 

 

 

***

 

 

 

「二宮さーん? えっと、和也さーん?」

 

「……何?」

 

シーズンの後は、本当に二宮は暗かった。

 

外出もせずに、ソファで、膝を抱えてグルグル考える。

 

そしてシーズンの場面が、フラッシュバックして。

 

自分のした事を、思い出しては、落ち込んでしまう。

 

「ほらほら、落ち込まないで? なんで落ち込むの? 悪い事してないのに」

 

大野は落ち込んで、元気が出ない二宮を明るく励ますが、大抵は逆効果だった。

 

 

 

「いっそ、悪い事なら落ち込まないで、反省するのに……」

 

「ネガティブ……」

 

「大野さんには、分かんないんだから……」

 

「そうだね? いや、わかるよ? 一応俺は専門の医者なんだしね?」

 

「でもさあ……」

 

「それに俺は、天国みたいに楽しかったよ?」

 

ニコニコして言ったら、大野はそばにある雑誌を投げつけられた。

 

 

 

 

……二宮は、どうしても別人に変わる自分が、恥ずかしいのだった。

 

 

 

続く