*嵐妄想小説

*BL小説

*大宮妄想・潤翔妄想

*SFファンタジー

*男性妊娠出産可能な世界

*お話の全てはフィクションです。

 

 

 

 

side 大野智

 

不意に始まったシーズンと薬の副作用で、パニック状態の二宮さんを、思わず抱きしめた。

 

 

「大丈夫、大丈夫だよ」

 

ゆっくり、焦らずに、背中をトントンと叩きながら。

 

腕の中で、二宮さんは子供みたいに、泣きじゃくってる。

 

その色気は、はっきり言って、慣れてる俺でもヤバかった。

 

 

 

白い首筋も、涙も、興奮して赤くなった頬も。

 

体の全部が綺麗で、艶かしい。

 

違う誰かだったら、間違いなく彼を襲ってると思う。

 

必死に理性と戦って、優しく背中や髪を今度は、撫ぜてあげる。

 

 

 

「大丈夫、大丈夫」

 

念仏のように、声をかけながら、途中からは自分へ声をかけてた。

 

大丈夫じゃ無いけど、大丈夫。

 

俺は、二宮さんを襲ったりしないぞ。

 

 

 

********

 

 

 

side 二宮和也

 

 

なかなか、興奮が収まらなかったから。

 

大野先生が、安定剤をくれるけど。

 

体が思うように動かない。

 

困った先生が、……俺の口に薬を入れてくれた。

 

「飲める?」

 

先生の指が、唇に触れるとゾクゾクする。

 

震えて飲み込めない。

 

コップの水も溢れて飲めなかった。

 

 

「ごめんね……ちょっと我慢してね?」

 

先生が、口移しで水を飲ませてくれて。

 

我慢できなくて、先生の舌に自分の舌を絡めていく。

 

「んんん……」

 

驚いた先生が逃げようとするのに、それを許せなくて強く抱きしめる。

 

……どうしよう。

 

したくて……たまらない。

 

されたくて……されたくて。

 

 

しばらくの間、唇を離せなかった。

 

 

 

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side 大野智

 

 

……しまった。

 

シーズンを抑えるのに、飲ませた薬が効く前に、刺激してしまった。

 

専門の医者なのに、ありえない大失態だった。

 

二宮さんは、もう正気じゃない。

 

こんなに激しい発作を現実に見るのは、初めてだった。

 

しかも、二人きりの部屋で。

 

 

 

……流石に、辛い。

 

 

 

こんなに綺麗な人に、縋り付かれるなんて。

 

なけなしの医者のプライドを必死に思い出す。

 

患者に手を出すなんて、最低なんだからなっ……。(泣)

 

ああ、いっそ、普通の会社員になりたいなんて、一瞬思ってしまう。

 

 

「二宮さん。深呼吸して? ゆっくり目を閉じようか?」

 

「うん……」

 

涙をこぼしながら、やっと目を瞑ってくれた。でも。

 

「ねえ……触って?」

 

色っぽい声で、囁かれてしまう。

 

「……10数えるからね? 10数えるからゆっくり、息をしようか。いち……にい……さん……」

 

二宮さんが眠ってくれるまで、拷問のような甘い時間が過ぎていった。

 

 

 

*********

 

 

 

side 二宮和也

 

 

嵐のような時間が過ぎて。

 

大野先生の優しい声で、眠りに落ちた。

 

優しい優しい声と、大きな手は、安心できた。

 

俺は、狂う自分が怖かった。

 

 

でも。

 

 

いつか、自分じゃなくなることは、あっても。

 

先生のように、優しくしてくれる人がこの世にいる。

 

そう思ったら……。

 

嵐のような発作が、小さくなって、消えていったんだ。

 

 

 

続く

 

 


ニコニコキラキラ大野先生、カッコいいですね〜。ブルーハーツ