*嵐妄想小説
*BL小説
*大宮妄想・潤翔妄想
*SFファンタジー
*男性妊娠出産可能な世界
*お話の全てはフィクションです。
③
side 二宮和也
松本さんから逃げて、大野先生の所にいた翔ちゃん。
俺と松本さんとで、連れて帰ってきたけど。
大野先生が言ってたように、まだ不安定な翔ちゃん。
二人にしてしまって、大丈夫かな……。
でも。
松本さんと翔ちゃん、二人の問題だったから。
「じゃあ、何かあったら連絡してね?」
「うん、ありがとう……ニノ」
松本さんの横で、翔ちゃんは寂しそうに、黙っていた。
「翔……大丈夫?」
「うん……」
「じゃあ、俺たち帰るよ」
運命の恋人たちなのに。
仲だってとっても良いのに。
恋も結婚も、何もかもが、大変そう。
俺は、その姿を見て改めて思った。
「絶対に……俺は、結婚しないからな」
寂しいなんて、大した問題じゃない。
……たぶん。
*********
朝になって、ゾクゾクすると思ったら、熱が出てきてた。
体温計は、38度2分。
「結構あるなあ……」
まあ、日曜日で予定も無いし。
「しまった……買い置きが何も無い……」
普段から、料理なんてしないから、家には何も無かった。
「熱が上がる前に、買い物に行っておこうかな……」
こんな時、一人なことを痛感する。
辛いとかは、無いんだけど。
一生このままなんだなって……思う。
「……暗いことは、考えないぞ」
頭をゆるく振って、弱気な考えを振り払った。
こんなことじゃ、長い人生やっていけない。
*********
スポーツドリンクに、缶詰とパン。レトルトのお粥や色々。
結構買ってしまったから、荷物は重かった。
いつものスーパーが閉まってたから、無理して遠出したのは……失敗だったかも。
だんだん、苦しくなってきた。
「熱が上がってきたかな……」
寒くてたまらない。
目を開けてるのも、辛くなってきた。
もう歩けない。
駅の花壇のそばに座り込む。
ゼエゼエいう息を何とかしようとするけど、上手くいかない。
途方にくれて、顔を上げた時だった。
すぐ前の横断歩道に停車した車から、誰か出てきた。
「君っ? 具合悪いの? 大丈夫?」
大声で、近寄ってくる。
「あ……大野先生?……」
翔ちゃんの担当医師の大野先生。
肩をそっと、掴まれた。
「あれ……二宮さん? 大丈夫?」
掴まれた肩から、電流が走ったようだった。
一気に体が熱くなって……。
何かが、突き上げてきたよう。
「先生……」
そのまま、俺は大野先生に抱き付いていた。
*********
やっと意識がはっきりした頃、俺は大野先生の家の布団に寝かされていた。
「大丈夫? いつから熱があったの?」
俺の頭を、冷たい氷枕で冷やしながら、優しく大野先生が聞いてくる。
「気がついたのは……今朝です……」
考えたら、寝る前も怠くて、寒かった。
「風邪ひいたかなって……」
大野先生は、困ったように眉を下げて、微笑んだ。
「二宮さん……シーズンは、久しぶりなのかな?」
「え……?」
「これは、シーズンの症状だよ」
驚いて、すぐ言葉が出なかった。
「抑制剤……飲み過ぎなんじゃ無いかな? 健康なのに飲み過ぎみたいだから、副作用が出てると思う」
「薬……効かなくなったの?」
怖くて、体が震える。
抑制剤が効かないなんて、どうしよう。
巨大な不安感が一気に襲ってくる。
「どうしよう……」
「大丈夫、心配しすぎ。それが副作用に影響してる」
「でも……効いてないんでしょう?」
感じたことの無い絶望感だった。
体が震えて、涙が溢れてくる。
「泣かないで……大丈夫だから。お薬を変えてみよう? 明日病院で、ちゃんと診てあげるから」
先生の言うことが、気休めにしか思えない。
「薬が効かなくなったら……もう生きていけない……」
自分が、自分じゃ無くなってしまう。
知らない誰かに、抱かれるかも知れない。
それも……自分から誘って。
「絶対に……やだ……」
想像が悪夢のように襲ってきて、悲鳴を上げた。
続く
本当にサプリのニュースとか怖い。分かっていない副作用って世の中には多い気がする。お薬って二面生があるものだから。治してくれるけど毒でもあって怖いですね。
このニノちゃんは、多用しすぎたせいの体調不良でもあります。