*嵐妄想
*BLラブコメ
*大宮妄想
*お話の全てはフィクションです。
毎日のように、ニノへ会いに来ていたサトシだったが。
気が付くと、もう十日も姿を見せていなかった。
毎日、ニノが働くキッチン・カーへ通って来ていたのに。
「……あれ? 最近来ないなあ」
思わず呟くと。
「あら〜誰が来ないの?」
ニノの可愛らしさに惹かれて、買いに来てくれた客の女性たちは聞いてくる。
「あ、いえ関係ないですよ? 仕入れのことです」
そうなの〜? あははと、客たちはニノがおしゃべりしてくれるだけで、満足そうに帰って行った。
今日の分は、全て売り切れ。
「よし、ここまでだ」
何だか変な気分で、ニノは片付けを始める。
まだ、午後2時。
あちこちの掛け持ちバイトは、今日はない。
ニノがゆっくりできる、数少ない日だ。
貧乏な両親が残した借金を返すのに、働き詰めだった青春のニノだ。
金持ちらしい気楽そうなサトシは、ニノを馬鹿にしてるかのように見えていた。
「きみ、すごく可愛い。綺麗な人だねえ♡」
キッチン・カーで、ホットドッグを買いに来たサトシと出会ったのは、1ヶ月前。
どうやら、毎日、この前を通っていたらしい。
勇気を出して、一人で買いに来たのだとかいう。
「そうですか? ありがとうございます♡」
お客には、魅力全開の笑顔で応対するニノである。
「この後は、(キッチンカーの営業後)忙しいですか?」
毎日のように、客たちから誘われるので。
いつも通り、お断りする。
「この後も、仕事なので」
大抵の場合、普通のお客は、忙しいんですねとか言って諦めるのだが。
とっても素直な王子様は、返事が違っていた。
「まだ、働くの?きみって貧乏なの?」
1ミリも、悪気のない王子サトシ。
だが、100間違えた返事である。
「……」(激怒)
王子は、分かっていない。
ブ スにブ ス。
太っている人にブ タとか、言ってはいけない事がある。
大体、ブスと言われてしまうのは、美人が多いのだということ等もちろん知らない。
この一言で、ニノ姫に嫌われてしまったサトシ王子でありました。
続く。
本当に素直な方なので。