*嵐妄想

*BLラブコメ

*大宮妄想

*お話の全てはフィクションです。

 

 

 
(2)
 

毎日のように、ニノへ会いに来ていたサトシだったが。

 

気が付くと、もう十日も姿を見せていなかった。

毎日、ニノが働くキッチン・カーへ通って来ていたのに。

 

「……あれ? 最近来ないなあ」

 

思わず呟くと。

 

「あら〜誰が来ないの?」

 

ニノの可愛らしさに惹かれて、買いに来てくれた客の女性たちは聞いてくる。

 

「あ、いえ関係ないですよ? 仕入れのことです」

 

そうなの〜? あははと、客たちはニノがおしゃべりしてくれるだけで、満足そうに帰って行った。

 

今日の分は、全て売り切れ。

 

「よし、ここまでだ」

 

何だか変な気分で、ニノは片付けを始める。

まだ、午後2時。

 

あちこちの掛け持ちバイトは、今日はない。

ニノがゆっくりできる、数少ない日だ。

 

 

貧乏な両親が残した借金を返すのに、働き詰めだった青春のニノだ。

金持ちらしい気楽そうなサトシは、ニノを馬鹿にしてるかのように見えていた。

 

「きみ、すごく可愛い。綺麗な人だねえ♡」

 

キッチン・カーで、ホットドッグを買いに来たサトシと出会ったのは、1ヶ月前。

どうやら、毎日、この前を通っていたらしい。

勇気を出して、一人で買いに来たのだとかいう。

 

「そうですか? ありがとうございます♡」

 

お客には、魅力全開の笑顔で応対するニノである。

 

「この後は、(キッチンカーの営業後)忙しいですか?」

 

毎日のように、客たちから誘われるので。

いつも通り、お断りする。

 

「この後も、仕事なので」

 

大抵の場合、普通のお客は、忙しいんですねとか言って諦めるのだが。

とっても素直な王子様は、返事が違っていた。

 

「まだ、働くの?きみって貧乏なの?」うさぎはてなマーク

 

1ミリも、悪気のない王子サトシ。

だが、100間違えた返事である。

 

「……」(激怒)ムカムカムカムカ

 

王子は、分かっていない。

ブ スにブ ス。

太っている人にブ タとか、言ってはいけない事がある。

大体、ブスと言われてしまうのは、美人が多いのだということ等もちろん知らない。

 

この一言で、ニノ姫に嫌われてしまったサトシ王子でありました。

 

 

続く。

 

 

ニコニコ笑本当に素直な方なので。飛び出すハート