*嵐妄想小説

*BL小説

*お山妄想

*お話は全てフィクションです。

 

 

(5)①

 

 すっかり12月も終わりに近づいた。

 

あと少しで、お正月。

 

会社も今日から正月休み。

 

ちょっとだけ、今日はゆっくり寝ようって。

 

目が覚めたら、お昼だった。

 

「……うわ……寝坊した、智くん?」

 

一緒に寝ていた智君が、居なかった。

 

リビングに行くと、部屋はエアコンで温められていた。

 

12月なのに、春みたいに暖かい部屋は、智君みたいだ。

 

「買い物へ行ったのか……」

 

 

 

テーブルに、「買い物に行きます」のメモ。

 

大きめの三角おにぎりと、黄色いお漬物。

 

俺のために、智君が作って用意してくれていた朝ご飯。

 

 

 

「いただきます」

 

窓のカーテンを開いて、外を見ながら、一人でおにぎりを頬張った。

 

いい天気の空を眺めて、美味しかったけど。

 

「……起こしてくれたら……良かったのに」

 

これ以上は、贅沢だけど、……一緒に買い物へ行きたかった。

 

二人で、おにぎりを作って食べたかったのに。

 

 

 

「一人じゃ、寂しいんだよな……」

 

今日一緒にいたいから、昨日の仕事を頑張ったんだけど。

 

 

 

***

 

 

 

昨日、帰った翔ちゃんは、顔色も悪かった。

 

年末は、すごく忙しいみたいで、休みに食い込まないように、仕事を必死で片付けたらしい。

 

急いでお風呂を済ませて、簡単な晩御飯を食べながら、もう翔ちゃんは、半分眠ってた。

 

何とか、ベッドまで連れて行って寝かせて。

 

 

 

「翔ちゃん、何が喜ぶかなあ」

 

お疲れな翔ちゃんを労ってあげようと、色々考えた。

 

 

 

 

ぐっすり眠った翔ちゃんは、可愛くて。

 

風邪ひかないように、肩まで布団を掛けてあげる。

 

まだ、お昼前。

 

翔ちゃんは、寝かせてあげたいから、起こさない。

 

リビングは、寒いから緩くエアコンをかけておく。

 

一人で、おにぎりを作って食べる。

 

翔ちゃんの分は、ラップして冷蔵庫へ。

 

財布にスマホ、翔ちゃんが買ってくれたマフラーを持って、買い物に。

 

ドアを開けたら、めっちゃ寒い。

 

「急いで、行って帰んないと……」

 

早歩きで、駅に向かった。

 

 

 

***

 

 

 

おにぎり食べ終わったら、智君にLINEする。

 

「おはよう、起きたよ。今は、どこにいるの?」

 

 

 

すぐ既読がつかないから、画面を開いたまま。

 

窓の外は、買い物へ行く人たちに、自宅前で車を洗う人。

 

「去年は、どうしたっけ……」

 

まだ別々に住んでたから、一緒に買い物して、お昼を食べに行ったはず。

 

約束しなくても、会えるようになったから、贅沢になったのかな。

 

ちょっと一人になったからって。

 

留守番が寂しいなんて。

 

「贅沢言ったら、ダメだよね」

 

 

 

続く

 

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