*嵐妄想小説

*BL小説

*末ズ妄想小説

*お話の全てはフィクションです。

 





 

(4)

 

side 二宮和也

 

 

「おはよう、カズ。元気ないじゃん。なんかあった?」

 

「相葉さん、おはよう……家の話、お願いしても良いですか?」

 

「うん、もちろん。潤には言ったの?」

 

「まだです」

 

あれから潤君は忙しいらしくて毎日帰りも遅くて、朝だって、ほとんど話す暇もなく出て行ってしまう。

 

理由は、分からないけど、嫌われたとしか思えない。

早く、出ていかないと、もっと嫌われるかも……。

 

仲良く、平和なうちに引っ越すべきだったのに。

 

「何なの? 泣きそうじゃん? どうした?」

 

「……っ」

 

泣きそうな俺を、相葉さんが優しく抱きしめてくれたから、思わず縋ってしまった。

声を殺してなく俺を、子供のように背中を撫でて慰めてくれる。

 

「本当にどうしたの? 良かったらお試しにさ今日金曜だし、泊まりにおいでよ? ね? 気分も変わるかもしれないよ?」

 

「……うん」

 

相葉さんは、入社した時から優しくて。

潤君の次に、好きな人。

相葉さん家に行ったら、そのうち、この気持ちも薄れるかもしれない。

 

新しい恋は、前の恋より辛かった。

 

 

 

******

 

 

会社が終わって、着替えに帰るとメールが来てないか確認する。

潤君からは、今日も遅いからと、簡単な連絡がひとつ。

 

『お疲れ様です。今日は、相葉さんの家へ泊まりに行きます』

 

それだけ潤君に送って、明日の着替えと荷物を持って、家を出た。

 

 

 

***

 

 

 

「さあ、入って。今日はゆっくり飲もうよ。明日は休みだし」

 

「うん、ありがとう」

 

相葉さんは優しくて明るくて、久しぶりに一人ぼっちじゃないのが、嬉しかった。

 

最近は、ずっと家で一人きりだったから。

 

(潤君……どうしてるかな……)

 

 

 

***

 

 

 

 

side 松本潤

 

カズからのメールに動揺してしまった。

もしかしたら、このまま俺の家に来たように、相葉さんの家へ行ったきりに、なるんじゃないか。

 

カズは、案外押されると弱くて。

流されて、そのままになりそうだった。

 

……俺が、そういう風に持って行ったように。

 

 

 

 

 

家に帰ると、誰もいない。

 

本当に相葉さん家に行ったのか。

 

カズと顔を合わすのが辛くて、避けていた結果がこれか。

 

可愛い同居人がいなくなった家は、寒いくらい静かで。

 

やっと気が付いたのは、カズをずっとこの寒い部屋で、一人にしていた事だった。

 

(やっぱり、俺が悪いじゃないか……)

 

 

 

 

 

いつも、カズが座っていた場所に一人で、座ってみる。

 

一言も、一度も、俺を責めなかった。

 

きっと、言いたいことがあったはずなのに。

 

 

 

 

……誰より寂しがり屋だと知っていたのに。

 

初めてあった日が、もう遠い。

 

どうしてこうなったんだろう。