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*恋するアンドロイド

シーズン2「おもちゃの天使」

(3)+(4)last 同時にUPしています。ニコニコキラキラ

 




 

 

(4)last

 

side 大野智

 

 

「ニノ、また会いましょうね」

 

「はい、マスター!」

 

櫻井さんをニノと見送った。

 

 

 

漆黒のコートは、天国の使いのようなのに。

 

誰よりも、天国の愛する人に会いたいのに、そこへは行けないまま。

 

 

 

彼が言った、1つでも多くの思い出をと。

 

今も、思い出を数えて生きているのかも知れない。

 

櫻井さんを愛した人は、どんな人だったんだろう。

 

いつか、この世の果てで、再会できるんだろうか。

 

永遠のような彼の永い孤独は、想像を超えてしまった。

 

 



 

「ニノ、おいで」

 

二人きりになって、ニノを後ろから抱きしめて座った。

 

嬉しそうに笑ってくれて、ジンと胸が熱くなる。

 

 

「ニノ。ちゃんと教えるし、説明するから聞いて?」

 

「はい」

 

「人は、頑張っても百年しか生きられない。でも俺とニノは、俺が死ぬまで一緒だ」

 

「はい、一緒です」

 

うふふって、嬉しそうなニノ。

 

「ニノは、まだ知らないことが多いから、あと少し勉強してから……抱くから、待てる?」

 

「少し? 3日くらいですか?」

 

大真面目に言うから、笑ってしまった。

 

「分かんないけど、……そんなにかからないよ」

 

「わかりました……好きは、一緒ですか?」

 

「好き? 好きだよ、いっぱい愛してるよ? ニノは?」

 

「いっぱい、いっぱい……全部好きで、愛してます!」

 

大威張りで、ニノが言う。

 

「ありがとう」

 

ぎゅっと、華奢な体を抱きしめる。

 

ニノの魂は、ちゃんとココにある。

 

愛されて幸せだって思う。その幸せは、魂がなければあり得ない。

 

「ご主人様、どうして泣きますか?」

 

「嬉しくて……ニノに会えて嬉しいなあって」

 

「私もです、嬉しいです♡」

 

ニノは、そう言って俺に口付けてくれる。

 

嬉しくて、たくさん俺からもキスをした。

 

 

 

そう、会えたから。

 

いつか別れも……来てしまう。

 

それは生と死のよう。

 

 

 

教えるなんて、教わることの方が。

 

幸せにするよりも、幸せにして貰うことの方が、多いって気が付くまで。

 

……そんなに、時間はかからなかった。

 

 

 

 

人が、アンドロイドに愛を教えたけれど。

 

その愛は、今度は永遠の愛で……返してくれるんだろう。

 

 

 

 

……ニノ、愛してるよ。

 

いつか、俺がいなくなっても、この気持ちは永遠だから。

 

 


 

 

 

 

「教えてマスター」<end>

 

(シリーズはまだ続きます)

 

ニノちゃんの「3日ですか?」は、私の子供の頃の口癖だったようです。笑

しばらく待っててとか言われると、言ってたようです。

仕方なく大人は、「それくらいかな」と言い、それは実際には何年も待たされるとかありましたね。

子供の3日は、永遠のように遠い感じでした。