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*お話の全てはフィクションです。
*恋するアンドロイド
シーズン2「おもちゃの天使」
(3)+(4)last 同時にUPしています。
(3)
どうやら、ニノが櫻井さんを呼んだらしい。
全く……なんでも言うんだな。(恥)///
でも、本当に親のように心配するんだな。
俺の思ってることを説明すると、櫻井さんが微笑んで言った。
「そうですか、安心しました。ニノを嫌っていないか心配しました」
「嫌うなんて、あり得ません」
ニノ、分かって無いからなあ。(溜息)
櫻井さんが、ニノに隣の部屋で待っていてと言うので、部屋には俺と二人になった。
「大野さん、人は寿命があります」
「? はい、そうですね……?」
「1日ずつ、それは減って行くんです」
「? ……」
「考えすぎないで、あの子を愛してやって下さい。思い出を1つでも増やしてあげて欲しいんです」
「え……どういう意味でしょう?」
「人は、人生が長いと思っていますが、そう長くもありません」
櫻井さんは、憂いの籠った声で続ける。
「何より人は、必ず死にます。私たちアンドロイドは、必ず置いていかれます。あなたが長生きしても、あの子は最後、必ず一人になります……わかるでしょうか?」
ドキッとした。
死ぬことなんて考えたことも無かった。
「私の伴侶も、全力で守っていましたが、亡くなりました。その彼と私の親友も亡くなりました。残された私は、しばらく……どうして良いか……わかりませんでした」
悲しそうに、自分の膝に組んだ手を見つめて、思い出すように話してくれた。
「魂の無い機械の私たちは、死んでも人には会えないでしょう。だから、せめて伴侶の会社を継いで大きくしました。私のようなアンドロイドが人の幸せを作れるように。アンドロイドも愛してもらえて幸せになれるよう」
俺は、思った。
体は機械かも知れないけれど、櫻井さんはもう人と同じだ。
愛情を理解して、感じて、生きている。
ずっとずっと未来の為に、人のために生きている。
櫻井さんの手をとって、俺は言った。
「あなたは、もう人です。死んでも会えないなんて言わないで。魂は、その体に必ずあるはずです」
「……ありがとう」
櫻井さんが微笑んだ。
愛しても、愛されても、人は死んでいなくなる。
特別に考えることも無かった。
当然で普通だと思ってたから。
でも、アンドロイドは、その人々を永遠に想って生きていくのか。
「俺、生きてる限り、ニノが幸せに暮らせるよう頑張ります。だから心配しないでください」
「安心しました、あの子はもう、幸せなんですね」
本当に嬉しそうに櫻井さんは笑ってくれて。
俺は、嬉しかったけど、胸が痛かった。
彼の孤独は、ニノの孤独になる。
自分の体を大切にするなんて、考えたことも無かったけど。
「俺、長生きします。これからもよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ、お願いします」
自分の命が、愛する人を幸せにできるんだと、知ることになった。
続く