*嵐妄想小説

*BL小説

*お山妄想

*お話の全てはフィクションです。

 

 

(7)

 

 

side 智

 

「ニノは、気にするな、翔ちゃんの誤解は俺が解くから」

 

心配して電話して来たニノ。

 

「ごめんね、ちゃんと理由を言いに行くよ? ね?」

 

「大丈夫だから、仲直りしたら、電話する……うん、じゃあ」

 

 

 

俺らしくなく、ちょっと動揺して怖気付いてたけど。

 

動揺して心配するニノを宥めてたら、自分も落ち着いた。

 

 

 

俺は、ずっと言ってる。

 

「翔ちゃん、好き」

 

翔ちゃんだけが、わかってくれないから。

 

今日こそ、きっちり、はっきり、させようと思う。

 

 

翔ちゃんは、鈍い。

 

それは、俺が一番知ってるんだから。

 

 

 

***

 

 

 

side 翔

 

 

ドキドキしながら、家に帰った。

 

「おかえり!」

 

智君が、笑って迎えてくれた。

 

 

 

……良かった、このまま誤魔化そう。

 

何も無かった事に……。

 

 

 

「翔ちゃん、何も無かった事にしないでくれよ」

 

 

ギクっとしてしまう。

 

困った俺は、顔を隠しながら。

 

 

「ちょっと、風呂に……」

 

「待ってよ」

 

智君が、後ろから抱き付いてくる。

 

「聞いてよ」

 

「ちょっと待って……」

 

 

 

「もういっぱい待ったよ!」

 

 

 

智君が叫んで、ああ、もう逃げられないと思った。

 

 

 

 

「分かった、ごめん」

 

そう言って俺は、体を捻って智君に謝った。

 

「俺が、悪かったよ」

 

俺が優しく言うと、智君が、嬉しそうに笑ってくれた。

 

「ちゃんと、話し合おう」

 

 

 

智君が、ちゃんと説明してくれた。

 

DVDで、勉強しようとしてたこと。

 

あの男の子は、付き合って一緒に観てくれてただけのこと。

 

でも我慢できずに、逃げ出したから、つい追いかけたら、ああなったこと。

 

 

「言いたいのは……こんな事じゃないんだ、翔ちゃん」

 

思わず、息を止めてしまう。

 

「智君……」

 

智君は真面目に、まっすぐ話し出した。

 

「俺は翔ちゃんだけが好き。男が好きとか、女とかじゃなくて」

 

「…………」

 

「それで、翔ちゃんと……ちゃんと付き合いたい。恋人になりたい」

 

怖いくらい、可愛い顔で言ってくれる。

 

それだけで、胸が熱くなった。

 

 

「翔ちゃんが、俺を嫌いなら諦める。でも……俺は好かれてると思ってる」

 

 

 

……うん。

 

この世で一番好きだよ。

 

 

 

 

「だから、俺と……♡っくすして」

 

「うん……へ? ええっ?!」

 

あまりのストレートさに、声が出た。

 

 

 

「俺は、翔ちゃんと抱き合いたいんだっ」

 

そう言って、勢いよく抱き付いて来た。

 

もしかして……これって、盛りなの?

 

そうだな、高校生だし……って場合じゃねえっ!

 

 

 

「こら! 待てってば!」

 

もう、俺には止める以外の選択が無い。

 

素直で、強引なんだから。

 

本当、やっぱりまだ子供じゃないか。

 

羽も、何なら、子供の尻尾もありそうだ。

 

 

 

「止めろつってんだろおーっ!」(怒)

 

俺は仕方なく(?)智くんをぶっ飛ばしたのだった。