*嵐妄想小説

*BL小説

*お山妄想

*お話の全てはフィクションです。

 

 

(5)

 

 

side 智

 

 

やばい やばい やばい!

 

翔ちゃん、どう思った?

 

絶対に、俺がニノを襲ってたって思ってる。

 

ニノと俺は、やばいDVDを観てただけ。

 

ニノが、やっぱり観たくなくて帰ろうとしたから、追いかけてしまっただけ。

 

俺だって、やばい動画なんて、一人で観る趣味は無い。(男しか出てこねえし)

 

俺が襲いたいのは、翔ちゃんだってば。

 

なんなら、翔ちゃんに俺を襲って欲しいんだから。

 

なんとかしなくっちゃ。

 

 

***

 

 

side 翔

 

 

明日聞くからって、言ったものの。

 

朝が来ても、まだ、動揺激しくて。

 

しかも、二日酔いで、死にそう。

 

智君が寝てる間に、一人で家を出てしまった。

 

……情けない。

 

俺は、逃げてしまった。

 

智君と向き合うのが、怖かったから。

 

 

 

***

 

 

 

「翔さん、二日酔い? めずらしいね」

 

昼休み、屋上のテラスでボンヤリしてると、松本潤に見つかった。

 

「うん……まあね」

 

真っ赤な目の俺をみて、驚いてる。

 

「何? あの弟と何かあった?」

 

「えっ?」(汗)

 

「あれ、図星? なになに?」(笑顔)

 

「言えねええー」(涙)

 

「何? 弟に襲われた?」

 

「ええっ……!」

 

 

 

思わず、動揺して、手に持ってたスマホを落としてしまった。

 

「な……何を……」

 

「翔さん、動揺しすぎ。ちゃんと教えてよ」

 

驚きもせず、俺のスマホを拾ってくれる松本。

 

「初めてじゃん、そんな翔さん。親御さんの時でも、落ち着いてたのに」

 

「ああ……そうだな」

 

あの両親が亡くなった日を、思い返した。

 

 

 

 

*******

 

 

 

両親が亡くなった時は、ひたすら必死だった。

 

智君が心配で。

 

やっとできた家族が、こんな事になって、さぞショックだったろう。

 

 

 

俺より、ずっとまだ子供だったから。

 

まだ中学生だったから。

 

でも、智君が言ったのは。

 

 

「翔ちゃん、ごめん。俺が死ねば良かった」

 

 

そんな風に、思わせて。

 

俺は、悲しかった。

 

誰も悪くない。

 

そんな智君を、必ず幸せにするんだと、決めた日だった。

 

 

葬式が終わった夜。

 

火葬場から帰って、二人で並んで布団に入った。

 

智君は、嬉しそうで。

 

一緒に寝たいなんて言い出した。

 

「翔ちゃんが好き」

 

二人で布団に入ると、頬を染めて俺の胸に抱きついてきた。

 

それが可愛くて、抱きしめる。

 

「俺も」

 

深い意味は無かった。

 

ただ、可愛かったから。

 

智君が、キスして来て驚いたけど。

 

寂しいのかも……そう思って受け止めた。

 

何度も、キスするうちに、智君の体が反応し出して。

 

「翔ちゃん……」

 

泣きそうな顔で、辛そうにするから、可哀想になった。

 

 

 

「楽にしておいで? 俺がしてやるから」

 

そうして、おむつを変えてやるような気持ちで、俺の手だけで シ テ あげた。

 

それが当然のように、思っていたけど。

 

俺の弟だからって。

 

自分のしたことに、後で驚いた。

 

 

 

それでも、あの時のあの子が、可愛かったと思うなんて。

 

初めて、自分が危ない奴だと自覚したんだ。