*嵐妄想小説
*BL小説
*磁石妄想
*お話の全てはフィクションです。
全話同時にUP(1)〜(10)
本編は(9)まで。(10)は、書き下ろし・おまけのイチャイチャ。(早めに限定になる予定)
ここでは、めずらしく男っぽいイケメン翔さんです。
イケメン翔さん x 姫ニノちゃん
(6)
「すみません……今日は、その体調が悪くて、まっすぐ帰ります」
断るのが申し訳ないような人だったけど、もう翔さんに会うのは辛いから断った。
これで、もう会う理由が無くなった。
虚しい気持ちと罪悪感は、誰のせい?
断った相手? それとも翔さん?
まっすぐ家に帰ると、真っ暗な部屋。
寂しいとかじゃないけど。
この虚しさは、埋めようが無いから。
少しの時間潰しには、食事に誘われるのは結構有難かった。
ちょっとした気晴らしと、優しい相葉さんに送ってもらえるのは、安心で幸せだった。
******
仕事帰りに遊び歩かなくなって、しばらく経ったある夜。
何もする気が起こらなくて、食事も億劫だったから、もう寝ようとシャワーして着替えたタイミングで電話が鳴った。
「翔さん?」
「ニノ、今から行っていい?」
「も、もう寝るところで……」
「今さ、家の前なの」
「え?」
急にインターフォンが鳴り響く。
玄関のカメラには、翔さんの姿。
「翔さん……」
迷ったけれど、断る理由もなかった。
――――
「お茶が良いかな……車?」
「タクシーだから、大丈夫。水でもいいよ」
ニッコリ笑って翔さんがいう。
「水じゃあ……車じゃ無いならビール?」
「うーん、先に話していい? 何もいらないから」
「え? うん」
二人で座ったラグの上で、思わず正座する。
「二人でやり直そう、俺はやり直したい」
「またそんな事を……」
「ニノさ、もっと思ってること言いなよ。嘘ついちゃダメだから」
「嘘? ……嘘は翔さんじゃん」
「俺?」
「好きな人いるんでしょ? ……忘れられないんでしょ? だからだから……」
これ以上声にすると、泣きそうで最後まで言えなかった。
翔さんは、驚きもせずに笑って俺を抱きしめる。
「そんなこと思ってたんだ、どうして俺に直接聞かなかったの?」
「聞いたら……翔さん困るでしょ……」
どんどん声が小さくなってしまう。
こんなに、いつまでも翔さんが忘れられなくて、拗らせるなんて思わなかった。
翔さんがいう通りだけど。
ちゃんと、聞いてから言えば良かったのかもしれないけど。
でも、愛されてない人とは、もう付き合えない。
「ねえ、誤解してると思うんだけど」
「誤解じゃないよ……翔さん」