*嵐妄想小説
*BL小説
*磁石妄想
*お話の全てはフィクションです。
全話同時にUP(1)〜(10)
本編は(9)まで。(10)は、書き下ろし・おまけのイチャイチャ。(早めに限定になる予定)
ここでは、めずらしく男っぽいイケメン翔さんです。
イケメン翔さん x 姫ニノちゃん
(4)
side ニノ
ずーっと無理だと思ってた片想い。
翔さんが好きだったけど、俺なんて無理だと思ってたから。
そもそも、翔さんモテるんだから。
わざわざ、俺と付き合う理由が無い。
ある日、翔さんが休憩所で、眠ってた。
椅子に沈んで爆睡状態。
無防備な可愛い顔で。
ちょっとイタズラするつもりで近づいた。
「うふふ……こーんなとこで寝てたら、チューされちゃうよ♪」
チューするふりだけして、立ちあがろうとしたら、いきなり腕を掴まれた。
「わっ」
俺の腕を掴んだまま、寝てたはずの翔さんが笑顔でいう。
「キスしないの?」
「なななっ……何いうの? じょっ冗談だからっしないって」
起きてたの? ええ? どういう意味なのー?
「なんだ……してくれないなら」
いきなり腕を引っ張られて、翔さんの上に倒れて。
「え?」
「可愛いな」
そのまま両手で頭をホールドされて……翔さんに長い長い……キスをされた。
「ん……」
やっと、翔さんの腕が緩んで唇を離すと、自分の口が腫れぼったい感じで呆然とする。
「こっ恋人に怒られるよっ」
半泣きになって思わず言ったら、翔さんは、また笑う。
「恋人いないし」
「いつも……誰にでもするの?」
「そんな男だと思ってんの?」
「いや……そうじゃなくて」
あ、そうだね。そんな人じゃないって知ってるし。
「ごめん」
「なんかニノ、今日は可愛いなあ。俺の恋人にしたいよ」
「え?」
「おいで」
そう言って素早く椅子に寝かされて。
頭の中ぐちゃぐちゃになるまで、キスされて。
体を可愛がられてしまった。
「だ、誰か来たら……!」
「いいよ、見せつけて恋人だって言うよ」
「冗談でも怖いからっ」
「冗談じゃないし」
綺麗な顔で、クスクス笑う翔さん。
その日から、彼氏だからねって言われて。
俺たち付き合ってるって言われて。
でも、信じきれないまま日が過ぎて。
結局、上手くいかないまま、別れることになってしまった。
わかってたけど。
愛されてたんじゃないし。
ただ、可愛いくらいの好きじゃ、保つわけないもん。
愛してるのは、俺だけだなんて分かってたから。
それでも、好きだったから。
別れは俺から、言ったんだ。
優しい翔さんからは、言えないだろうから。