*嵐妄想小説
*BL小説
*SFファンタジー
*大宮妄想(+翔くん)
*お話の全てはフィクションです。
*恋するアンドロイド
シーズン2「おもちゃの天使」
純粋すぎるアンドロイドのニノは、分かってくれない。
どうして、俺がニノを抱くのを我慢してるのか。
どれだけ、ニノを大切にしてるのか。
「しない人……しない夫の相談のお話読みましたっ、殆どが浮気してるって書いてました!」
「え? そんなものどこで読んだのっ? ……いや、そうじゃなくて、浮気の意味知ってる?」
すると、ニノの目にみるみる涙が溢れてくる。
「き……嫌いになったら、他の人とするんですか?」
「……それは浮気じゃなくて、本気のやつだな」
「本気って、違うんですか?」
「えーっと……ややこしいなあ」
「浮気と本気、どっちも他の人と……しますか?」
「そうだな……」
「ご主人様は、どっち?!」
「えっ……おまえ、俺をどう思ってんの?」
ニノは、ポロポロ泣きながら俺に縋りついてくる。
「り……離婚しちゃいますかっ」
「もう……困ったなあ」
子供のように、俺に縋って、おいおい泣くんだな。
可愛くって、困ってしまう。
「離婚なんてしない。今度言ったら怒るよ? わかった?」
「……はい」
「よし、もう泣き止んで? 遊びに行こうか? どこがいい?」
「ゆーえんちっ♡」
ほら、無理じゃん。俺の煩悩と罪悪感は、せめぎ合って大変なんだ。
それでも、笑顔が見たいから。
遊園池へ二人で、行ったんだ。
こんな子供みたいなデート初めてだよ。
ニノは、何を見ても喜んでくれて。
それだけで、俺まで幸せな気持ちになるなんて、信じられないよ。
――――――
ニノを作って俺に引き合わせてくれた人が、突然家にやって来た。
玄関に立った姿は、天界の使いのような、天国へ連れて行くような漆黒のコート姿。
「こんにちは、急にすみません」
ニッコリ笑った背の高い綺麗な顔の男性だ。
櫻井翔という、世界一のアンドロイド開発研究者で、世界一人間に近いアンドロイドだった。
表の世界では、彼は人間ということになっている。
「マスター!」
櫻井さんの姿を見るなり、ニノが駆け寄って抱きついた。
親に会った子供のようだ。
「元気そうですね、良かったです」
櫻井さんも嬉しそうに、抱きしめ返す。
「はい」
「その後……大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ無いです、ご主人様は、まだしてくれません!」
「……え?」
俺は、驚いて持っていた筆を落としそうになった。
続く