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(5)仔猫の恋

 

 

俺を拾ってくれた「ニノ」

 

命の恩人で、愛しい人。

 

最初は、俺が仔猫だったのに。

 

いつの間にか、ニノより先に、大人になってしまった。

 

同じ空間に、同じ時間にいるはずなのに。

 

仔猫から大人になった俺は、切なくて。

 

いつまでも仔猫のような彼は、変わらないから。

 

愛したくて、たまらないのに。

 

愛して欲しくて、ただ、辛い。

 

 

 

 

 

 

 

可愛い可愛い、綺麗な栗色の仔猫の「まー」

 

拾った日から、可愛くて、愛おしくて、たまらない。

 

だけど。

 

まーは、仔猫のままでは、いてくれない。

 

さらに、猫でもいてくれない。

 

今では、誰より美しい姿の大人の男性になってしまった。

 

大人の彼が、そばにいるとドキドキして、どうして良いか、分からない。

 

仲良くなんて、出来なくて。

 

つい、冷たくしてしまう。

 

こんなに、愛おしいのに。

 

こんなに……好きなのに。

 

 

 

 

 

 

眠ってる間は、お互い素直で。

 

まーが猫の姿だと、ニノは、布団に入れてくれるから。

 

可愛い黒猫と、可愛いニノは、毎日一緒に眠る。

 

 

ニノは、猫の姿のまーには、キスしてくれるし。

 

可愛い猫を、胸に優しく抱きしめて、ぐっすり眠れる。

 

 

 

でも、まーは、眠れない。

 

愛しい彼の胸は、優しくて、温かいけど。

 

気持ち良くて……気持ち良く、してあげたくなってしまうから。

 

そっと、胸の中から逃げ出して、人の姿に戻ってしまう。

 

人の姿のまーは、何も身に纏っていないままで、今度は、ニノを抱きしめる。

 

ぐっすり眠ったニノ。

 

可愛くて、額と頬に、唇に、チュッチュッってキスをする。

 

パジャマの中に手を入れて、優しく 愛 撫 してあげる。

 

白くて小さくて、柔らかい体は、触っ てるだけで、気持ちいい。

 

 

 

 

早く、大人になって欲しい。

 

君が俺を好きで仕方ないのは、もう十分わかってるから。

 

俺の恋(発 情期)は、とっくに始まってるけど。

 

本物の恋(発 情期)は、これからなんだよ?

 

猫の雄は、雌が 発 情してくれないと、何も出来ないんだ。

 

 

 

 

早く、気持ち良いって思って欲しい。

 

トロトロに溶けそうに、優しく 触 ってあげるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

体が、変で目が覚める。

 

猫のまーが、人のまーの姿だった。

 

綺麗で、すべすべの肌で、何も着てないまま。

 

「まー……」

 

まーが、微笑んで聞いてくる。

 

「ニノ……気持ち良いでしょ……?」

 

気持ち良い……?

 

まーの肌が、気持ちいい。

 

自分の体も、何も着ていなかった。

 

肌がピッタリくっ付いて、すべすべのまーの手も体も気持ちいい。

 

優しい手が、身体中撫でてくれる。

 

まーの唇が、顔や首筋に触れてくる。

 

後ろから、抱きしめられて、優しい手が足の 間に 下りてくる。

 

 

「あ……」

 

思わず出た声を、まーの唇が 塞 いでくる。

 

そのまま今度は、上から覆 い被 さってくるから、何も見えなくなってしまう。

 

クチュクチュ言う音が、響いて 腰 がキュンキュンした。

 

やっと、ちゃんと目が開いて、まーの綺麗な顔が見える。

 

触られた場所が、熱くて苦しい。

 

優しいけど、その手が強引に何かを……出させようとする。

 

「まーっ……怖い……」

 

泣きそうになって、見つめると嬉しそうに笑った。

 

その綺麗な顔に、胸が熱くなって、苦しい。

 

次の言葉は、まーの舌 に攫 われて、消えてしまった。

 

 

 

愛しくて、好きでたまらない仔猫だった、まー。

 

まーの手が優しく、眠った僕を起こす。

 

今まで知らない世界を、教えてくれる。

 

 

 

 

それは……初めて恋を知った夜。

 

仔猫の恋が、はじまった日。

 

 

<end>

 

ニノと猫『仔猫の恋』

仔猫だった彼 X  仔猫のような主人