⭐️注:お山編もあります。

 

*嵐妄想小説

*BL小説

*SFファンタジー

*大宮妄想

*お話の全てはフィクションです。

 

 

(9)

 

 

俺はポストの話を、どうしてもっと、聞いてあげなかったんだろう。

 

後悔しても、遅かった。

 

出会う2年前から、俺を見ていたかも知れない。

不思議な手紙が、そして俺が自分で、大野さんを呼んだんだ。

 

大野さんを知らない俺は、きっと会っても。

手紙の話をしても分からないから。

 

ただ、俺を見ていてくれたの?

未来の恋人だって名乗った俺を信じて?

 

彼は、自分の運命を知っているんだろうか。

俺と会って、その後に若くして亡くなるなんて。

 

もしかしたら、俺と付き合わなければ、死なない運命が、あるかも知れない。

俺のせいで、予定が変わって、海に落ちる飛行機へ乗せてしまった。

 

 

 

どうしたらいい?

 

 

 

「なんとかしないと……」

 

急いで、手紙を書いた。

 

手が震えて、うまく書けない。

 

 

 

 

『大野智様

 

俺を信じてくれるなら、運命を変えることができます。

 

俺に会わないで。

 

恋人にはならないで。

 

もし、なったなら貴方は、2020年のX月X日の飛行機事故で、死んでしまいます。

 

14時30分に羽田を出る便です。

 

行き先は、ローマです。

 

どうか、この飛行機に乗らないでください。

 

そして、俺を忘れて下さい。

 

二宮和也』

 

 

 

 

震える手で、ポストに入れる。

 

届くのだろうか?

 

手紙の通りなら、彼に2年間手紙は届かなかった。

 

 

 

ポストの前で、ただ祈った。

 

 

 

大野さんが、どうか生きてくれますように。

 

たとえ、他人になっても、生きていて欲しい。

 

どうか、彼に違う運命を……!