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にのとねこ

[仔猫だった彼 x 仔猫のような主人]

(2)オレは猫

 

 

 

 目が醒めたら、人間の家だった。

 

毛布に包まれて、温かい。

あったかいタオルで、優しく体を拭いてもらった。

 

(……気持ちいい)

 

優しい白い手が、俺を撫でてくれる。

嬉しくて泣きたい気分。

 

「死なないで……元気になって……」

 

小さな声で、ずっと話しかけてくれる。

でも、生きてて良いの……?

だって……「オレ」は。

 

眠っては起きて、ミルクを貰って、また眠る。

優しい言葉と優しい手で、幸せ。

何日経ったか、分からないけど動けるようになった。

 

「まー、元気になったねえ」

 

嬉しそうに笑って、抱っこされる。

 

「まー」って俺のことみたい。

 

じゃあ、この子は、なんて名前だろう?

 

夜は、大事な優しい時間。

朝、出かけて夜になると、この子は帰ってくる。

 

「ただいま、まー」

 

寂しかった? って聞くから、「にゃあんっ」て返事する。

寂しかったのは、きっと、この子の方だ。

 

俺が、いないとダメに違いない。

 

お風呂も一緒。

この子が、入った後について行く。

 

「まーも、お風呂入るの?」

 

猫って、お風呂が嫌いなんじゃあ……とか言いながら俺を抱っこして、湯船に入ってくれる。

 

お湯は、ちょっと熱いけど、白い胸に頬擦りして舐めてあげる。

 

「まー、可愛い」

 

うふふと嬉しそうに笑う。

舐めて欲しい?

唇を舐めて、顔中舐めてあげる。

 

抱っこして湯船から上がってから、今度は身体中舐めてあげた。

 

「くすぐったいよ……」

 

顔を赤く染めて、嬉しそう。

足の間も、舐めてあげる。

 

「きゃっ……」

 

小さな悲鳴が、なんだか気持ち良かった。

その後もいっぱい、舐めてあげて、嬉しそうだったな。

 

寝る時も一緒。

パジャマを着たこの子の腕の中に入って、眠る。

あったかくて、気持ち良い。

 

「まー、おやすみ」

 

掠れた甘い声で言うと、いつもたくさんキスしてくれる。

その後は、俺を撫でながら、夢の中へ。

眠ったこの子は、可愛い。

赤ちゃんみたい。

 

そっと、パジャマの中に入って、悪戯する。

 

胸を舐めたり、足の間を舐めたり。

可愛い指先も、吸ってあげる。

 

気持ち良さそうに、甘く息を吐いて、眠ってる顔は、色っぽい。

もっと、もっと、気持ち良くしてあげるね?

 

ああ、しまった。

俺って仔猫だった。

 

この手じゃ、不便だなあ。

仕方ないか。

肉球の付いた手と口で、パジャマをずらして、楽になるよう脱がせてあげる。

 

そおっと、身体中を舐めてあげた。

気持ち良さそうに、体を捻るから、後ろに回って、舐めてあげる。

体が、震えて、甘い声がする……気持ちいいみたい。

 

俺がいないと、寂しいでしょう?

可愛い唇を舐めて、そう言うと、眠ったまま、頷いた。

 

大丈夫、俺が幸せにしてあげるからね?

 

……でも、まだ俺は、仔猫のままだった。

 

 

「オレは猫」<end>

 

仔猫だった彼(まー)X 仔猫のような主人(ニノ)