*嵐妄想小説
*末ズ妄想・大宮妄想
*吸血鬼・ダーク・ファンタジー
*お話の全てはフィクションです。
第6章
「薔薇とチョコレートと白い薔薇の蕾」(5)
(5)
浅間は、ヒルダを置いて、ニノを連れてすぐ会場を出て行った。
ヒルダの頼みを聞く気はサラサラ無かった。
別れる寸前に、茜はニノに自分の連絡先のメモを渡して囁いた。
「明日、必ず会いましょう?」
ニノはジュンが気になったが、話す間も無くて、浅間をジュンのオーナーに紹介できなかった。
「ニノ、また店で待ってるよ」
ジュンは、笑って手を振ると、浅間とニノを見送った。
***
ホテルの部屋に帰った途端、疲れが出てニノは動けなくなってしまった。
浅間が、手早く着替えさせて、ベッドに寝かせてくれる。
「浅間さん……ごめんなさい」
「いや、お前を呼んで悪かった。大丈夫か?」
アジア人への差別が、黙認される国だ。
騒ぎになるかも知れないことは、分かっていたが、勝手な嫉妬心からパーティーに呼んでしまった。
ニノを攫おうとする青年への、浅はかな嫌がらせのつもりだった。
「うん……。ごめんね……」
そのまま目を瞑ると眠ってしまった。
浅間は、ニノの呼吸と脈を確認して、布団をかけてやった。
ヒルダが、浅間とニノが噂になっていると言ってた事を思い出し、早めにパリを出ようと考えながら、寝室を後にした。
明日には、今日の始末をどう付けるか、考えなければならなかった。
**********
ニノが眠っている間に浅間は出掛けてしまい、目が覚めた頃に茜が直接会いにやって来た。
「昨日の……?」
「あなたから連絡をしてくれそうにない気がして。思わず来ちゃったわ」
そう言って笑う笑顔は可愛いが、気の強さは隠せなかった。
早速、部屋に来てすぐ遠慮なく話し始める。
「あら、まだ具合が悪いの?」
ニノの顔色を見て不思議そうにしている。
吸血鬼で、そんなに体力がない者は見た事がなかった。
「ここにいるって、どうして知ってるの?」
茜は、ちょっとキョトンとした顔をしたが、すぐ笑って言った。
「吸血鬼は、すぐ分かるものよ? 噂も血の匂いもね?」
「君は、人間でしょ……?」
「ヒルダが知ってるから。あ、私の大事な人のことよ?」
昨日、浅間の隣にいて、美しいのに恐ろしい本性を隠そうともしてないような、あの女性を思い出した。
「どうして来たの? 浅間さんいつ帰るか分からないよ?」
「あなたと話したかったのよ。血の洗礼のことを教えて欲しいの」
「え?」
茜は開いたままの窓を閉めに行き、扉に鍵をかけて。
もう一度ニノの前に座り直した。
「私、血の洗礼を受けたいの。でも。ヒルダはダメだって言うのよ」
悔しそうに、彼女は顔を歪ませた。
「あなたはどうやって、受けたの? 浅間とはどこで会ったの?」
少女は真剣だ。こうやって話すと、落ち着いていて、見た目より年齢は上らしかった。
「僕は、浅間さんとは病院で会ったんだ。担当のお医者様だった」
「それで? 仲良くなったの?」
嬉しそうに彼女が聞いてくるが、ニノは、話そうか迷ってしまう。
「その……本当は、別の人の洗礼を受けるはずだったんだけど……。浅間さんが来て……それで……」
「なんですって? それじゃあ、勝手に盗みに来たの? 吸血鬼はテリトリーを破らないんじゃないの?」
驚いた顔で、茜が捲し立てた。
「よくは、覚えてないんだ。一度全部、血を吸われて死んでからだから。気がついたら、浅間さんのものになってた」
「そんな……約束してた人は?」
「うん……今も日本にいるよ。盗まれたことを怒っていて、再会した時は、殺されそうになったけど」
「……分かるわ。私もその人なら、そうするもの」
茜は、自分が盗まれたような顔をしている。
強くて綺麗で、純粋な彼女は、大野に似ているかもしれない。
+裏話+
このお話もすごい勢いで、
確か第6章も1日で書き上がった筈。
コロナ禍で外に出られないとはいえ、
病的な勢いがあったなあ。
(今は流石に時間が足りない)
同じ物語でも舞台が変わるって新鮮で。
めちゃくちゃ楽しいなあって
思った記憶があります。
最初スマホで打ってたんですが、
量が多くて面倒になって。
当時は中古のノートパソコンを買って使ってました。
確か、すっごい安くって。(2万くらいだった)
Windowsでオフィスソフトとか抜いた分だったから。
タイピングは遅くて苦手だったんですけどね。
(今も手元を見なきゃ打てないし)
それでも倍は早く打てるから、楽しくなって。
それでたくさん書くようになった気がします。
でも、どんどん動作が重くなって。
すっかり楽しいし、
仕事でも使えるかもって買い換えた。
すると、楽に編集できるって気が付いて。
その頃くらい?にpixivだけだったけど、
Amebaにも載せるように。
見よう見まねで始めました。
画像や飾りやデザインが使えるって楽しい。
信じられないくらい1記事に時間がかかります。
1記事の編集だけに1時間はザラにありますね。
いくら時間をかけても、料理みたいなもので。
読むのは1分とかですけど。^^;
画像を探したり、気に入らない記事消したり。
でも編集って楽しい。
それが自分でも驚きでした。
しかも保管して置いておけるし。
(PCやらから消えても残る)
pixivはオリジナル版
(夢小説は名前も変更できます)
Amebaは妄想版
今はこの形がベストだと考えています。
この場所は秘密の宝箱です。