*二次創作・オマージュ的 小説

*本家のドラマ等のブラックペアンとは、何も関係がありません。

 ただの妄想でフィクションです。

 BL妄想や表現を含みます。

 

*基本、世良君の視点のラブコメのコメディ多めですw(世良君の奮闘記)

 

 

 

 

side 世良

 

渡海センセイと会う約束の前日になった。

 

(明日、何を話そうかなあ♡ センセイ、何が食べたいかなあ)

 

 

 

「世良先生、ご機嫌ですね?」

 

「本当、ニコニコして、いつもと違いますね」

 

「そ〜お?」

 

看護師たちの声も、俺を祝福してるかのようだっ。(違う)

 

 

 

仕事が終わって病院を出ると、ものすごく綺麗な人が立っている。

 

「……渡海センセイ?」

 

「お疲れ」

 

目の前には、ガードパイプに腰をかけるような格好の渡海センセイがいた。

 

思わず走り寄っていく。

 

「どうしたんですか? それにこの服!」

 

「変かな?」

 

「いや、めっちゃ似合ってます!」

 

「んふふ。良かった。明日、着ていく服買ったんだ」

 

「え///」

 

お、俺のために?

 

先生は、見た事がないスーツ姿で。

 

くすんだ赤いというか、臙脂色に近い生地。

 

襟も同系色の暗い色のデザイン。

 

小さな白い顔の先生は、王子様みたいにオシャレになって。

 

それでも華奢な線はそのまま、可愛い顔はさらに綺麗に見えた。

 

俺のために買った服。

 

嬉しいっ(泣)

 

 

 

 

……待て。(・・?)(疑)

 

なんで今日?

 

明日の約束なのに?

 

 

 

「1人で、百面相やめてくれる?」

 

渡海センセイがクスクス笑う。

 

 

「この服気に入った? これさっき買って貰ったの」

 

「は? ……誰に?」

 

 

 

 

すると、渡海センセイの背後に止まっていた黒い高級車のウインドウが開いた。

 

そこから見えた人が、よく通る声で言う。

 

「私が買ってやった」キラキラ

 

 

 

それは、佐伯のおっさん……いや、佐伯さんだった。

 

驚いて言葉も出ない俺。

 

渡海センセイが、なんでもないように言う。

 

「お前に10万もらうって言ったら、買ってくれて」

 

「意味がわかりませんが?」

 

はあ? どう言う意味?

 

「お前が気の毒だからって。明日はお前から、金は貰わないようにしなさいって。その代わりに、この服と20万くれるんだって。だからお前に言っておけって……」

 

 

 

……。ムカムカ

 

それって渡海センセイは、自分のものなんだとか言う、マウントでしょうかっ?!(怒)

 

 

 

 

「結構です!」ムカムカ

 

思わず、わざと渡海センセイの肩を抱いて、佐伯さんに怒鳴った。

 

「ほお?」笑

 

佐伯さんは、面白そうにこちらを見ている。

 

 

「明日は、ちゃんと払いますし! この服も着て来ないで下さい!」

 

「でも、俺、綺麗な服無いけど……」

 

「俺が買います! なんなら今でも買います!」

 

「今はダメ。これから飯行くから」

 

「えっ? もしかして2人で?」凝視

 

「うん」うさぎ

 

はああああああ?!ムカムカ

 

明日のデートの前に、こんなおっさんと?

 

「飯だけ? もちろんっ! 飯だけですよね?!」

 

思わず、渡海センセイに詰め寄ってしまう。

 

「うん」

 

本当なのか。

 

大丈夫なのか?

 

そもそも、なんで? このおっさんが、傍にいる?(もうおっさん呼ばわりw)

 

 

 

「渡海。もう行くよ」

 

「はい」

 

 

渡海センセイは、そのまま佐伯さんの車で行ってしまった。

 

俺は、呆然と見送るしかなかった。(涙)

 

 

 

 

 

*小悪魔な渡海センセイと、純情な世良君と、大人な佐伯様でした。(^^)