*二次創作・オマージュ的 小説
*本家のドラマ等のブラックペアンとは、何も関係がありません。
ただの妄想でフィクションです。
BL妄想や表現を含みます。
side 世良
ずっと忘れられない、医師の先生がいる。
天才的な腕を持ち、稼いだ金は全額寄付する、普段の態度の悪さからは想像できない素晴らしい外科医・渡海征司郎。
今となっては、会いたくても、なかなか会えない遠い人だ。
なぜなら。
「それってデート?いくら出す?」
やっと、偶然会えたのに。
こんなセリフの先生の神経はどうなってるんだろうか。
別の病院で働いているらしい(教えてくれない)渡海先生だが、相変わらず何かというと金を請求するのだ。
自分では使わないくせに。(貯まった金は寄付してるらしい)
『また会ってほしい』の返事が『いくら出す?』なのだった。
「わかんないの? ただで、デートできると思うの?」
「え?」
「金出すなら、付き合ってやる」
「か、金? ってお金?」
「初回だから、サービスな。10万で良いよ」
「10万って。せ、先生、もしかして。か、体まで売ってるんですか?!」
「はあ? 体売るわけねーだろ? 飯食って、出かけるだけ」
「飯食うだけで10万! (何もさせてくれないのに?!)」(おい)
「何? まだ研修医なの?」
「いや、違いますけど」
「それに、お前さ、借金残ってるぞ。返せないなら辞めて退職金で返せよな」
「ヘ? 冗談だったんじゃ……」(助けてもらった代金)
「もう……何? 医者なのに10万もないの? じゃあ、無しで」
「うわわわわ。払います! 次の給料日で、どうですか!」
「OK。どこ行く?」
「ど、どこでも良いです。ってか、どこ行きたいですか?」
「ホテル。高いとこが良い」
「えええっ///」
「ホテルの飯だよ。何もしないから。食って帰るだけ。中に酒飲むとことか何でもあるし。移動なくて楽だろ?」
「はあ。そんなこと、他の人とも……してるんですか?」
「誰でもは、しないけど」
「良かった……(嬉しい)」
「あとは……佐伯のおっさんとか」
「えっ!」
「じゃあな、電話する」
華奢な小柄な先生は、そういうと街へ消えてしまったのだった。
その後ろ姿が、少し楽しそうに見えるのは、勝手な自分の妄想なのか。
「でも……嫌われては……無いって思うなあ」
先生と電話番号が、交換できたんだもん。(LINEとかは拒否されたけど)
そう思うと、顔がニヤけてきた。
「……金、もっと稼がなくちゃ」
勤労意欲と出世欲、金への執着を大きくしてくれる、大好きな渡海先生だった。
何よりも金がないと、先生は会ってくれない。
最近、あまりの現場の厳しさに、少しやる気をなくしてたんけど。
「渡海先生みたいな……優秀な人にならなくちゃ」
医師としての初心を思い出す、春の日の再会だった。
ブラックぺアン2楽しみすぎる。。。