嵐妄想 大宮妄想 小説
亀ちゃんと暮らす小人の大宮ちゃん。
おはなしの全てはフィクションです
(BLではありません)
side 亀梨和也
「「お誕生日おめでとうっっ♡」」
「へ?」
「おめでとうって言うんだろ? アレクサンダーに聞いたもん」
「……誰の誕生日?」
「「誰? ……知らない」」
「……」(やっぱり)
仕事から帰ると、小人コンビがおめでとうって。
どうやら、テレビを観てたみたい。
テレビで、お誕生日の場面でも観たんだろうか。
さらにAIのアレクサンダーの怪しい説明を聞いて、誕生日祝いをしようと思ったらしい。
俺も、アレクサンダーも、誕生日じゃ無い。(AIって、自分の誕生日を言い出すから、驚いたことがある)
俺のお手製のパジャマを着た小人の二人。(まあ簡単に縫ったからワンピースみたい)
好きな色が、黄色と青色っていうからさ。
その色が入った古着を切って作ったんだ。
「そのパジャマ可愛いじゃん、よく似合ってるよ」
「そうか、俺らイケメンだからなっ!」
「イケメンイケメン♬」
「テレビで覚えたの? イケメンて意味分かってんの?」
「知ってるぞ、イケてるメンズっ! 俺とカズにピッタリだろ?」
「はははっ……」
二人が自慢げに、胸はって言う。
可愛くて、笑ってしまった。
「あ、そう、晩御飯何食べたい?」
「え? ケーキだろ? 誕生日ってケーキ食べるんだろ?」
「……ご飯が先です」
「ご飯食べたら、ケーキ?」
「俺、今日はちょっと違うのが良い!」
「ご飯食べてからね。買いに行かなきゃいけないし」
「先に、買いに行こうよっ!」
「一緒に行くう!」
「えええ……仕方ないなあ」
小人って誕生日あるんだろうか?
「ねえ、お前らの誕生日ってある?」
「ケーキ食べる日は、誕生日なんだろ?」
「……それだったら、毎日のように誕生日になって、あっという間に100歳じゃん」
「100歳? それって100回ケーキ食べる?」
「うーん……」
ダメだ、話はお互い噛み合わない。
……まあ、いいか。
少し、今日は寒いから。
「寒いからね、今日はカバンの中に入りなよ」
布製のエコバッグに、二人を入れて肩にかける。
お布団みたいな生地だから、ふわふわして気持ち良さそう。
「お誕生日って楽しいなっ」
「うんっ楽しいねっ」
ふふ。そうだね。
もう、何回食べたか分かんないケーキを買いに、3人で出かけたのだった。
……小人って、何歳?