嵐BL妄想

末ズ妄想小説です(純愛)

登場人物等全てフィクションです

 

 

 

 

(4)

 

side   二宮

 

潤君の家へ泊まるようになって、1ヶ月だ。

 

毎日、潤君と料理して食事する。

たまに一緒に外食して、家に帰ると二人で映画を見たり、テレビ見たりして、何でもない時間が過ぎていく。

交代で洗濯したり、休みも俺は仕事を持って帰ってるから、潤君は俺の仕事が終わるまで、一人で音楽聴いたり料理して待っていてくれた。

 

静かで、優しい時間だった。

 

でも、潤君の不眠症は、治ったんだろうか?

いつも、俺が先に寝ちゃって、起きたら潤君は、もう起きてる。

 

俺、本当に役に立ってるのかな。

不安になると、潤君は必ず気が付いて、明るく話しかけて笑わせてくれた。

 

どこまでも潤君は、優しい。

俺には勿体ない人だと、思った。

 

こんなに俺に優しいのは、潤君以外では……あの人だけだった。

 

「……」

 

 

 

晴れた12月の空を思い出した途端、ドッと気分が重くなった。

 

『二宮……』

 

遠くに行く事を、告げられて目の前が、真っ暗になった。

職場の味方は、あの人だけだったから。

あの人も、潤君みたいに優しくて、素敵な人だった。

 

でも、もう会えない。

 

突然、絶望感が襲ってきて、体が凍りつく。

 

心臓が痛い。

 

後悔ばかりが押し寄せる。

自分を責めて責めて暮らしてた。

 

でも今は、忘れて暮らしてたことが、ものすごい罪悪感になって、恐くなる。

 

 

 

 

もし、もしも。

 

潤君も、あの人のようになってしまったら。

 

恐くて恐くて、何も考えられなくなった。

 

あの人の最後の言葉が、聞こえてくる。

 

 

 

『二宮、愛してる。俺を忘れないで? 忘れたら……許さないから』

 

そして、あの人はビルから飛び降りた。

 

飛び降りる寸前まで、電話で話していたのは、俺だった。

 

 

続く