嵐BL妄想小説です

大宮妄想小説(ON)

登場人物等全てフィクションです

 

 




 

(4)

 

side ニノ

 

ジョニーが、いつも教えてくれる。

 

「この世の幸せは、愛することよ」

 

結婚のこと?

 

「そうねえ、そして愛されること」

 

愛してもらうのは、どうすれば良い?

 

「幸せにしてあげるの、笑顔にしてあげる。それだけよ」

 

愛して愛される。

 

幸せにして、幸せになる。

 

単純で難しい……ただ一つのこと。

 

 

「この世で最初に、ニノにプロポーズしてきた人と、結婚するといいわ」

 

「そうなの?」

 

どんな人かも分からないのに?

 

「どうして?」

 

「あなたの価値を、この世界で一番最初に見つけてくれたからよ」

 

なるほど。

 

でも、自分の価値って、なんだろう?

 

みんな、俺を見て綺麗だ、愛してるって言うけど。

 

そのことなのかな?

 

そう言うと、ジョニーは笑った。

 

「愛する人を大切にする努力をできることよ? 一緒に笑って暮らすために、頑張れる?」

 

「努力できるよ、俺を好きだって結婚したいって、言ってくれる人なら」

 

「そう、偉いわね。あなたのお母さんも、喜ぶわ」

 

 

お母さん。

 

早くに亡くなったから、覚えてないけど、ジョニーは知ってるらしい。

 

「気が強くてねえ。よく殴られたわ」

 

そう言って大笑いするジョニー。

 

その声には、お母さんへの愛情が溢れていた。

 

お母さんが死んでから、ずっと一緒にいるジョニー。

 

体が大きくて、濁声で。(オネエ言葉っていうのを話す)←(智が教えてくれた)

 

明るくて、いつも俺を励ましてくれる。

 

お父さんは、ジョニーの話をすると、ただ笑う。

 

「良いお友達だね」っていう。

 

うん。ジョニーは、良い子だよ。

 

24時間一緒にいるんだ。

 

ただね、俺以外の前には、現れないから。

 

俺以外の人間は、ジョニーが見えないみたい。

 

(いや、見えても怖がって近寄って来ないよう)

 

それなのに。

 

智は、会ってすぐにジョニーの方を見たんだ。(嬉しい)

 

「お友達?」

 

「ニノの保護者よ、よろしくね?」

 

ジョニーと会話までする。

 

 

 

普通の人じゃないんだろう。

 

 

 

同居が始まった日も、そうだった。

 

智とジョニーは、言い合いだってできるんだ。(嬉しい)

 

 

 

「ねえ、新婚なんだからね? ちょっと出ていってよ」

 

「まあっケチくさい男ねっ……まあいいわ。ニノ、困ったらアタシを呼びなさい」

 

「俺がいるから、困んないって!」

 

初めてジョニーのいない生活は、ちょっと不安だった。

 

「ねえ、もしかしてジョニーがいないと、寂しい?」

 

智が、困ったようにいう。

 

俺が不安そうにしたんだろうか。

 

「うん……ちょっと。でも、智がいるから、大丈夫でしょ?」

 

すると、嬉しそうに笑った智。

 

智が、嬉しそうにすると、俺も嬉しくなった。

 

ジョニー、君の言った意味が少し分かった。

 

「大切にするね?」

 

そう言って抱きしめられた。

 

ギュッて心臓が、跳ねてドキドキする。

 

きっと……この時から、智を好きになったんだと思う。

 

 

 

太陽みたいに温かい、明るい彼といるだけで、楽しくなった。

 

普通の人じゃなくたって、構わない。

 

結婚するのが、彼で良かった。

 

 

続く