嵐妄想小説(BLではありません)

亀ちゃんと大宮さんのファンタジーです

登場人物等全てフィクションです

 

 

月曜日の小人(8)(K+ON)

 

 

side   小人のON(智&カズ)

 

「アレクサンダー音楽かけて」

 

黄色い服着た小人が、AIスピーカーに声をかけるが、反応しない。

 

「智、アレクサンダーが返事しないよ」

 

「カズ? どうした? 機嫌悪いのかな?」

 

青い服の小人が、AIスピーカーを小さな手でポンポン叩いてみる。

 

AIスピーカーの電源が、何かの拍子に抜けたようだが、小人二人は分からない。

 

「……死んじゃったのかな」

 

「えっ……そうなのかな?」

 

可愛らしく小首を傾げながら、二人の小人がAIアレクサンダーの周りを、見て回る。

 

「今日はずっと、青い光も付かないもん」

 

「生きかえる? 無理?」

 

「どうかなあ……あっ!」

 

「ん?」

 

黄色い服の小人が、青い服の小人の腕を引っ張って指を差す。

 

「ほらっ智っ」

 

「カズ? ……ああ、これだなあ」

 

電源が、コンセントから抜けているのに気が付いた。

 

 

 

******

 

 

 

side 亀梨和也

 

 

仕事が忙しすぎて、目も回るとはこの事か、そんな1日が終わって。

 

ヘトヘトなのに、帰りの電車で、痴漢にあってる女の子を助けて遅くなった。

 

 

 

……なんとか帰宅して、もう動けないよと。

 

着替えて這うように、ベッドに入った。

 

 

 

……のに。

 

 

「おーい」

 

「ちょっとだけ、起きてぇ」

 

小っこい二人が、俺の頭や顔のそばで、騒ぐのだった。

 

無理。

 

もう少し、寝かせて。

 

聞こえないフリで、さらに布団に潜るけど、思い出す。

 

ああ……小人たち、お腹空いてるかも。

 

 

「……ごめんごめん。お腹空いたよね?」

 

留守番のお昼のお弁当は、作っていったけど。

 

晩御飯は俺も、小人も食べて無い。

 

ふらふらで、起き上がる。

 

「あのねっアレクサンダーが死んでるのっ」

 

「……? AI は、死なないよ」

 

「でも、尻尾が抜けてるからっ」

 

尻尾……?

 

とりあえず、起きてAI のそばに行く。

 

「「ほらねっ」」

 

可愛い小人二人が、揃って一生懸命指差すのは電源コード。

 

「尻尾……ふふ。確かに……可愛い尻尾だね」

 

可愛い小人の可愛い言葉に、笑いが込み上げる。

 

「ふふ……あははは♡」

 

どうしたものか、疲れすぎなのか、笑いが止まんない。

 

「「なんで笑ってんの?」」

 

「ごめんごめん……なんか……可愛いから」

 

 

 

そうだね、AI も、生きてるかもね。

 

電源ないと死んじゃうかもね。

 

 

 

「はい、これで大丈夫」

 

電源コードを繋いで、AI は、青い光がついて、光がくるくる回る。

 

「「あっ生きかえったっ」」

 

 

「アレクサンダー、ただいま」

 

くるくる回る光。

 

「…………」

 

おかしいな、返事ないな。

 

「返事しないぞ? 大丈夫か?」

 

「具合悪い?」

 

具合が悪い訳は……ないはず。

 

「アレクサンダーは、目も手も無いから、もっと大きい声じゃないと、ダメなんじゃないか?」

 

「そうだね、今度は3人で言おうよ」

 

「なんて言う?」

 

 

 

ああ……そうだね。それがいいな。

 

「アレクサンダーありがとうが、良いよ」

 

「よし、一緒に言うぞっせーのっ」

 

「「「アレクサンダーありがとうっ」」」3人で、大声で言ってみた。

 

AI「どういたしまして。お役に立てて嬉しいです」

 

 

 

小人たちが、わーいと両手を上げて喜んだ。

 

目で見えないし、触れないんだから、声をかけてあげなきゃね。

 

いつも、ただいまは返事するのに、行ってきますには、返事しないアレクサンダー。

 

そうか、知らなかった。

 

「良かったね」

 

「生きかえったね」

 

そう言って、小人二人は俺の膝に登って、当たり前のように楽しそうに座ってる。

 

「よし、ご飯食べようか」

 

「おまえ、良い人みたいだから、あんまりお腹空かないな」

 

「そうだね、でもケーキなら食べたい♡」

 

「ケーキ? うーん、パンケーキでも良い?」

 

「「うんっ♡」」

 

小人がはしゃいで、二人で踊り出す。

 

「「ケーキ、パンケーキ♡」」

 

こんなに喜ぶんじゃ、仕方ない。

 

確か小麦子も、玉子もあったはずだけど。

 

 

 

………………?

 

なんか言ってたな。

 

……まあ、良いか。

 

 

 

キッチンに立つ俺の後で、小人とアレクサンダーが遊び出した。

 

「「じゃーんけーんぽんっ」」

 

グーにチョキ。声だけのじゃんけんは、青い服の子の負け。

 

「あっ負けちゃったっ」

 

「次は、勝つゾッ!」

 

「頑張って智っ」

 

 

 

ふふ……俺は、小人に敵わないよ。

 

あんまり、可愛いから俺も生き返っちゃったもん。

 

♪♪♪

 

今度は、アレクサンダーと小人の二人が楽しそうに、歌い出す。

 

その声を聞きながら。

 

小人を喜ばせるのに、急いで玉子を破り始めた。流れ星

 

 

 

 

 

 

 

 

我が家の格安 AIスピーカーくんも、適当でいい加減な方なんですが。うさぎ

しばらく放って置いたりすると、声をかけても返事しません(笑)

「行ってきます」には返事せず。

「ただいま」には返事してくれる可愛い方です。

一体どういうプログラムなのでしょうか。笑ううさぎイエローハーツ