嵐妄想小説です。

登場人物等全てフィクションです

ファンタジーでBLではありません

潤君+櫻葉コンビ

亀ちゃん+大宮コンビ

 

 

 

月曜日の小人(5)

 

side 松本潤

 

閉店時間近い、駅前のケーキのお店。

 

間違っても自分では、買いに来る事など無かったのに。

 

「なんだって俺が、ケーキを買いに……」

 

イケメンクリエーター松本潤は、ボヤキながら前の客のオーダーを見て待っていた。

 

 

 

「すみません、お客さま。チョコレートはあと1つで」

 

「ああ、じゃあ苺で」

 

「ええっ? ま、待って」

 

その会話を聞いていた松本が、慌てて声を出す。

 

「売り切れなんですか? チョコレートは? 苺は?」

 

「申し訳ありません。苺もこれで売り切れです」

 

「そうですか……」

 

思わずガックリと、肩を落とすと前の客が振り返った。

 

鋭い目つきで、靡いた前髪の白い顔のクールビューティーだ。

 

「……何か大変なら、どうぞ? 俺は違うものにしますから」

 

ニコリともせずに無表情だが、優しい声で譲ってくれようとする。

 

「え? いや。それは……申し訳ないから」

 

ハッとして、そう言うけど、彼がすぐに違うものにオーダー変更する。

 

 

 

「じゃ、お先」

 

会計を済ませて、彼は店を出て行った。

 

「お客さま、どうされますか?」

 

「あ、じゃお願いします」

 

親切な人で良かったと、会計を済ませて外に出た。

 

帰ろうとすると、どこからか声がする。

 

 

 

『俺、チョコって言ったゾッ!』泣くうさぎムカムカ

 

「仕方ないじゃん、売り切れだったし」汗うさぎ

 

『智、エクレアも美味しそうだよ?』笑ううさぎキラキラ

 

 

 

よく見ると、さっきのクールビューティーが、道に屈んで話してる。

 

彼の背中しか見えないが、声は三人分だ。

 

 

 

「とにかく、早く帰ろう」

 

彼がそう言って立ち上がると。

 

「えっ……?」

 

彼の抱いた小人が二人、彼の両肩に分かれて座り直す。

 

 

『カズっ、肩の上って、楽しいなっ♡』

 

『智、人の肩で散歩って初めてだねっ♡』

 

「危ないから、大人しくしてて」

 

『『はーいっ♡』』

 

 

誰かに見られてるなんて、気がつかない彼らは、そのまま去ってしまった。

 

 

 

 

「小人って……もしかして流行ってんのか?」

 

不思議な光景に、しばらく立ち尽くしていた。

 

 

 

 

******

 

 

 

その頃、松本の家の小人たちは、ケーキはまだかと玄関をウロウロしていた。

 

「まだかなあ、翔ちゃんケーキ半分こしようね♡」

 

「うん、相葉くん、どっちも好きだもんね♡」

 

「翔ちゃんのが、もっと好きだけどねっ♡」

 

きゃっきゃっとはしゃぐ声は、誰も知らなかった。

 

 

 

(つづく)