嵐妄想小説です(ファンタジーでBLではありません)
大宮コンビと亀ちゃんです
お話の全てはフィクションです
月曜日の小人(3)
月曜の朝の駅のホーム。
普通の会社に行く青年、亀梨和也が出会ったのは。
可愛い小さな小人のコンビだった。
***
信じられないが、小人を二人拾ってしまった。
それも、一人は俺が蹴飛ばしてしまったらしく、気を失っている。
「……大変だ」
どう考えても、どこからどこまでも、大変な事態だった。
医者に、連れて行くべき?
「いやいや……何科だよって」
ちいさな小人。
気を失っている、黄色い服着た小人。
それに縋り付くような、青い服の小人。
とりあえず、そっとベッドの壁側の隅っこに、下ろして寝かせる。
「カズっカズっ」
泣きべそかいてる、小さな青い服の子。
「ちょっと、待ってて」
きゃあきゃあ暴れる子を、黄色い服の子から離して。
倒れてる子を、指先で首のところを触って確認。
「息はしてるなあ。血も出てないし……」
ケガがないか、服を脱がせようとすると、青い服の子が、飛んできて怒る。
「おまえっ、カズに何すんだっ」
「……ケガして無いか見るんだけど。お前がじゃあ見ろよ」
青い服の子が、必死で調べた結果、特別ケガは無かったみたい。
しかし、小人は、幻覚じゃないらしい。
「……お腹空いたかな」
食欲が無かったから、今朝は食べてなかった。
キッチンで、適当に料理をしだすと、いつの間にか目が覚めた小人は、もう一人の小人と俺の足元にいた。
「危ないぞ、また蹴っちゃうかもしれないから、離れててよ」
二人が慌ててるから、仕方なく両手で抱き上げて、そっとテーブルに座らせた。
ドキドキした顔で、小人が話し出す。
「智、いい匂いがするっ」
「カズっ、お腹空いたなっ」
……お腹空いてるんだな。
小人二人用に、小さめのお皿に玉子サンドを作って並べ、ウインナーを2本。
冷たいジュースを、お猪口2つに入れて、用意してあげた。
「食べていいよ、どうぞ?」
「わーいっ♡」
小人二人が、笑顔で食べ出して。
それを見ながら、俺もコーヒーとサンドイッチを頬張った。
「美味しい?」
「美味しいっ♡」
二人が嬉しそうに言う。
…………めっちゃ、可愛いんですけど。///
「おかわりっ」
「はいはい」
お腹空いてたらしい二人に、俺の分のもう1つをあげた。
美味しいねえと、ニコニコ食べる小人たち。
洗った食器を片付けて、着替えてベッドへ横になる。
最近、忙しくて寝不足だったなー。
小人も、ジッとこっちを見るから。
「眠い? 一緒に寝る?」
「寝るっ」
可愛い顔で、言うからベッドに、二人を入れてあげた。
「あったかいし、ふかふかだね、智」
「良かったなっ。怖そうなのに、いい奴だなっ」
……怖そうって、失礼な。
キャッキャっと二人が、布団ではしゃいでるのを見てるうちに、眠くなった。
そのうち小人たちも、仔犬みたいに丸くなって、そばで眠りだす。
可愛いなあ……。
でも、やっぱり夢なのかも知れないなあ。
小人が見えるなんて……おかしいし。
そのまま、三人で眠ってしまって。
夢じゃないことが、分かるまで、まだ時間がかかりそうだった。
(つづく)