♡これは妄想小説です(コメディです)

 

がんばれ大宮SK(1)

 

 

「どうしよう、もうお金ない」

 

「まずいぞ」

 

狭いボロいアパートの部屋。

 

俺たちは、困っていた。

 

少し前まで俺たちは、結構人気のあるコンビだった。

 

「大宮SK」って言うんだ。

 

歌って踊るエンターティナーだっ。

 

芸名は「大Sタカ」と「宮Kユウジ」

 

国民的スターグループのライブの前座で、人気が出たんだ。

 

でも、そのスターが活動休止してしまった。

 

何とか2年は、その時の人気で仕事もあった。

 

だが、その人気も尽きて。

 

もう今月は、一日も仕事が無い。

 

バイトも考えたが、俺たちは踊って歌いたい。

 

そう言ったら、事務所はぬいぐるみショーの仕事をくれた。

 

「顔見えないじゃん」

 

文句言ったから、仕事の電話も来なくなった。

 

家賃が勿体無いから、二人で住んでいたけど、節約も限界が来た。

 

「どうしよう……もう食べる物もない」

 

すると、テレビに知ってる顔が映った。

 

「秀吉?」

 

「違うよ、家康じゃん!」

 

すごい。さすがスターは違うな。

 

休止したグループの一人だ。

 

大河ドラマの主演だそうだ。

 

「よし、会いに行こう!」

 

「ええ?」

 

 

+++

 

 

某放送局の前。当然、俺たちは入れてもらえない。

 

「どうする?」

 

「秀吉が来るまで待つぞ」

 

どうせ暇な俺たち。

 

待つのは、エキストラで慣れてるし。

 

2時間も待った頃。

 

秀吉(家康役の主演俳優様)が出てきた。

 

「お、お久しぶりですー!」

 

「久しぶり? どうしているの?」

 

「待ってたんだー!」

 

「仕事ください! 死にそうなんだ!」

 

「俺ら、秀吉に出たいんだっ」

 

「家康なっ!」ムカムカ

 

優しい国民的スターのおかげで、俺たちは忍者の役(エキストラみたいな)とお弁当をもらえた。

 

しばらく出してくれる約束してくれたんだ、優しい人だな。

 

やっぱり秀吉は違うぜ。(家康なっ!)

 

「よし、今日からまた頑張るぞ!」ブルーハーツ

 

「わーい」イエローハーツ

 

はしゃぎ過ぎた俺らは、早速監督に怒られたのだった。

 

「コラーっ!誰だっ!忍者がそんな派手な格好するな!」ムカムカ

 

衣装は、もちろん大宮SKのものだった。

 

 

(おわり)

 

 

頑張って♡大宮SK(笑)(^^)