BL要素あり、嵐妄想小説(お山OS+にのあいAN+KAT-TUN+PK)になっております。

同一のお名前の方々とは、全く無関係です。

興味のない方、嫌悪感のある方は、Backをお願いします。

 

 

 

 

オレの先輩の大迷惑・後編

 

 

 

 

 

(10)

 

 

「俺、亀が好きです」

 

山下(智久)の放った爆弾は、翔さんを撃ち抜いた。

 

翔さんは、自分が告白されたように、赤くなって言う。

 

翔「そ、そうなんだ?」

 

山下「そうなんです♡」

 

上田「違うだろうっ?!」

 

思わず山下に詰め寄るけれど、百戦錬磨の男は涼しい顔。

 

山下「違わないさ、お前らが知らないだけ」

 

翔「知らなかったよ……ごめんな?」

 

翔さん、信じるのが早すぎますっ。

 

っていうか、なんで謝ってるんだ?

 

「良い加減な事言うなよ?」

 

「なんで、上田が怒るんだよ?」

 

「俺が、亀(亀梨和也)に殺されたらどうすんだっ?」

 

うちの末っ子は、怖いんだぞーっ!

 

「俺、関係ないじゃん♬」(ニヤッと悪い顔)

 

翔さんは、俺らの会話が分かっていないようだ。

 

翔「告白とかしたの?」

 

いや、翔さん、嘘ですからっ!

 

山下「いいえ、告白じゃあ落とせませんよ、男はね?」

 

翔「へええ……そう言うもんなの?」

 

山下「ええ、そう言うもんです」

 

上田「違います!」

 

ああ、俺じゃどうしようもないぞ。

 

翔さんも山下も、酒が入っておかしくなってるし。

 

「な、中丸……」

 

思わずスマホを取り出した。

 

こんな時に、あいつは何してるんだっ。

 

俺がこんなに困ってんのに! (やつ当たり)

 

すると、翔さんのスマホが鳴った。

 

「……あ」

 

「大野さん?」

 

スマホの画面を見て固まった翔さん。

 

その画面をのぞいてる山下。

 

「出ないんですか?」

 

「……」

 

同時に、今度は俺のスマホが鳴り出した。

 

「うわ……カメ……やばい」

 

俺が翔さんを連れていくのが遅いから、二人が同時に電話をかけてきた。

 

なんて亀に言えばいいんだろう?

 

 

 

 

 

 

(11)

 

 

上田君が、山Pと翔先輩相手に、ジタバタしている頃。

 

大野君と相談中の亀梨君です。

 

 

 

 

「大野さん、練習しましょうっ」

 

「え? プロポーズの?」

 

「それは、まだです。翔さん怒ってるんでしょう? 機嫌を直して貰わないと話も出来ないし」

 

「機嫌直るかなあ? どうしよう?」

 

「大野さん、いつもどうしてるんですか?」

 

「えーっと、翔ちゃんが好きそうな食べ物買ったり」

 

「ペットじゃないんですよ? 他は?」

 

「その……XXXXとかで、誤魔化したり」(ベッドで仲直り)

 

「それもまあ、悪くないですけど。すぐまた怒らせてませんか?」

 

「あ、そうなのー! 怒られたっ。今朝も機嫌なおった? って聞いたらさあ、また機嫌悪くなった!」

 

「……そう言う朝は、愛してるよでいいんです。しつこいくらい、愛してるって言って下さい。綺麗だとかでもいいんです。それと許して欲しいって言いましたか?」

 

「へ? 昨日のことだよ? 終わってるじゃん」

 

「昨日は、今日になるんです!」(色々な失敗を思い出している亀ちゃんだった)

 

普段は頭も良くて、欠点もなさそうな櫻井翔先輩は、恋人といる時だけは、普通の可愛い男の子になるようだ。

 

「大野さん、翔さんがしたら嫌なことって、何ですか?」

 

「えーそりゃ、浮気?」

 

「このままじゃ、浮気じゃなくて、違う恋人できますよ?」

 

「どうして?」

 

「いいですか? うちの上田(竜也)のような純粋な後輩ばかりじゃありません。上田がいないときに、酔っ払ってヤケになった翔さんを狙う人間も出てきます」

 

「えええ? それはダメ! これから上田とだけ飲みに行ってもらう!」(←最初に襲ったらしい人)

 

「え? (う、上田、かわいそうに^^;)まあ、そうじゃなくて。何が好きとか、どんな時に嬉しそうとか、気をつけるようになって下さい」

 

「……面倒だなあ」

 

「大野さんといるから、そんな感じになったんじゃないでしょうか」

 

「どうしてそうなんの?」

 

「大野さん、我慢していても気が付かないし、大野さんも我慢しちゃうんじゃないですか?」

 

「うーん……言ったら怒りそうってのは、言わないかな。心配するヤツ」

 

「何か、隠されてるなって感じるのが、1番嫌じゃないですか?」

 

「そうかも、翔ちゃんてそんな感じ。亀ちゃん何でも分かるなあ」

 

(大野さんは、なぜ分からないんだろうか)

 

「とにかく、謝って褒めて思いつくこと全部出しで行きましょう。そして、誤解を解いてプロポーズです。さあ、言ってみて?」

 

「翔ちゃん、愛してるよ! すっごく綺麗! えーっとごめんね! 誤解してるよっ!」

 

「不合格」

 

「え”〜?」

 

「それじゃ、バカにしてるって、翔さん怒ります。もっと考えて下さい!」

 

 

 

そんなやり取りが、終わらないのが辛くなったので。

 

「とにかく、翔さんに電話です!」

 

疲れ果てて、ゼエゼエ言いながら、二人は電話をかけることにしたのでした。

 

 

 

(あ、明日の仕事に、俺たち間に合うんだろうか……)

 

 

 

 

 

 

(12)

 

 

 

今度は、先輩は先輩でも、二宮君です。

 

 

+++

 

 

仕事で、仕方の無い飲みの席。

20数人いたメンバーは、一人ずつ減っていく。

ただ、用事があったり自然に帰る人もいれば、大御所に気を使って帰る人もいる。

その大御所が、悩みの種で。

出来るだけ一緒には、ならないようにしているのに、今日は捕まってしまってる。

大御所の取り巻きが、俺の周りを固めてるからだ。

 

(中丸……ちゃんと相葉さんへ電話したかなあ)

 

※中丸君はちゃんと、相葉さんへ迎えに行くようにお願いしています(^^)

 

中丸は、ちょっと変わってるけど俺の意図や考えをいつも全肯定してくれる良い人。

俺の大きな味方な頼れる後輩だ。

 

「ニノって、本当才能あるからなあ」

 

思ってもいない事を言いながら、大御所が隣にピッタリくっついて来て気持ち悪い。

 

「そうですねっ、お、俺は才能溢れてるんでっ」

 

そう言いながら、伸びてきた太い腕を押し返した。

 

(くそー! 遅いっ! 俺が拉致られたら、相葉さんのせいだからなっ)

 

いよいよ、俺と大御所と取り巻き2人になってしまった。

無理矢理、すすめられる酒が辛い。

色々理由をつけて、ウーロン茶飲んだりトイレに行くのも、限界になってきた。

何より、セクハラ・パワハラに吐き気がする。

 

(頭、おかしいんじゃないの? こういう奴ら)

 

 

 

 

「私たち、お先に失礼致します」

 

「ああ、そうだな」

 

「じゃ、じゃあ俺も……」

 

言いかけた俺を、取り巻きの男たちが、二人して俺の肩を押し返す。

 

「二宮さんは、ごゆっくり……」

 

その目には楽しそうな、意地悪そうな色が見えて、ムカっとした。

 

大御所は、嬉しそうな嫌な笑顔で。

 

「場所を変えて、飲みなおそう? ね?」

 

「あの……いや、もう帰るし……」

 

揉めるのは、嫌だが仕方ない。

いよいよ、強行突破しかないと思った時。

 

「可愛いね」

 

不意を突かれて、いきなり太い腕に抱きしめられ動けなくなった。

 

「ちょっと……!」

 

ヤバイ!

 

蹴り上げる? 一瞬迷った時。

 

ガラガラ、ドン! ガン! と音がした。

 

いきなり、体が離れて視界が広がる。

 

すると、大きな体の大御所が、ひっくり返っていて。

 

「え……? 相葉さん?」

 

でも、そこには、期待した相葉さんではなくて。

 

 

 

 

無表情で、後輩の中丸雄一が立っていた。

 

 

+++

 

 

あっちも、こっちも、後輩は忙しいのでした(笑)^^;

 

 

 

 

 

 

(13)

 

 

 

二宮君の相葉さんへの『内緒』な伝言。

 

とにかく相葉さんへは伝えたから、大丈夫のはず。

 

「さあ、明日の為に……」

 

明日は、早い時間からレコーディングだからな。

 

上田がくれたマヌカハニーでも……と思ったんだけど。

 

(くれたじゃねえ、俺から持ってったんだろう? by上田竜也)

 

また鳴るスマホ。

 

「はい」

 

相葉さん、渋滞に捕まったみたい。

 

二宮君のいる店までは、相当かかる。

 

一緒にいる人間は、よくない噂が絶えないから、見に行ってくれって。

 

「何かあったら、ぶっ飛ばして良いから! 俺が後で、フォローするし!」

 

「はあ」

 

いやいや、ぶっ飛ばしちゃいかんでしょう。

 

でも、二宮君は小柄だし。あのオッサンは、やたら図体でかいしな。

 

うちの上田や亀(亀梨和也)なら、自分でぶっ飛ばして帰って来てたけど。

 

(俺らが、ぶっ飛ばしても、誰も驚かないから)

 

(うちは、敵も多い代わりに絶対的な味方も多い)

 

「急ぐか」

 

 

 

+++

 

 

 

店に入って、すぐ。

 

「ああ、二宮君なら〇〇さんと一緒だから、邪魔しない方が良いよ」

 

嫌なオッサンの取り巻きがいた。

 

二宮君を一人置いて帰るところだろう。

 

「迎えに来ましたので」

 

「二宮くんから誘ってるから。行っちゃダメだよ」

 

そんなわけ無いだろう。

 

あんなオッサン、俺らなら5分で帰る。

 

なんなら、取り巻きもぶっ飛ばしたいとこだけど。

 

「うわっ、なんだよ?」

 

「ああ、癖ですみません。動画をいつも回してるんですよねー」

 

取り巻きは、いきなり喋らなくなった。

 

これなら効果はありそう。

 

動画を回しながら、個室へ入る。

 

この店のオーナーは、亀のファンだから、黙認してくれた。

 

和室の戸をガラガラと開けると、オッサンにのしかかられてる二宮君。

 

オッサン、下品なんだよ。

 

蹴り上げたいのを堪えて、年寄りを怪我させないように掴んで畳へ放り投げた。

 

その間も、片手で動画を回してる。

 

「……相葉さん?」

 

待ってたんだなあー、可哀想に。

 

「すみません、僕で。もうすぐ相葉さんも来ますよ」

 

聞いた途端、二宮君は、嬉しそうに笑った。

 

言っちゃったけど、一応は内緒ですからねえ。

 

「お前っ!」

 

顔を真っ赤にしたオッサンが、起き上がって来たから、動画を回してるスマホを向けた。

 

「すみません、全部録画してます」

 

オッサンは、驚いた顔で黙って逃げるように出て行った。

 

「どうします? 相葉さんに電話しましょうか」

 

まだ、ちょっと苦しそうな顔で頷いた。

 

「相葉さん、もう来る?」

 

「もう来ますよ」

 

遅れたお迎えを待ってる子供みたいな二宮君。

 

相葉さんに電話する為、スマホの録画を停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

(14)

 

 

翔(櫻井)さんと俺(上田竜也)のスマホが、鳴り響く。

 

大野(智)さんからだろう電話。

翔さんは、能面のような顔だ。

 

俺は、仕方なく亀(亀梨和也)からの電話に出た。

 

「上田(竜也)? どうしたの? 何かあった?」

 

あった。

 

「いや、なんも……」

 

電話ではうまく喋れねえから、会ってから言おう。(説明は嫌いで苦手なんだ)

 

いきなり手が出て来たと思ったら。

 

「カメ? 久しぶり」

 

「うわーッ、やめろっ。勝手に出るな!」

 

「誰?」

 

「俺、山下(智久)」

 

「Pっ?! 何してるの? そこで?」

 

「翔さんに相談してた。お前の……」

 

「うーわあああーっ!」

 

叫んで、スマホを取り返してすぐ切った。

 

「邪魔すんなよ? 電話だけじゃん♡」

 

「やめろっ!」

 

山下は、ニコニコして楽しそうだ。

 

男前なだけ、悪魔みたいに、綺麗に笑ってやがるし。

 

なんで、楽しそうなんだよっ!

 

 

 

「翔さん、出ないの?」

 

うわああああっ。

 

「翔さんの電話に触るなっ!」

 

俺が言うより先に、翔さんの電話へ手を伸ばす山下。

 

能面のまま、翔さんはその手を制して、電話に出た。

 

よ、良かった。

 

今の山下は、何を言い出すか恐ろしい。

 

 

 

「……」

 

「翔ちゃん? ごめん、俺!」

 

大声が、俺たちにも聞こえる。

 

「……」

 

「誤解なんだっ! その、翔ちゃんと一緒に行くつもりだったんだ!」

 

「……それで?」(凍るような冷たい声)

 

「えーっと、なんて言えばいい?」(遠くからガサガサ音がする)

 

大野さん、相談してちゃヤバいんじゃあ……。

 

 

 

「分かってますよ、俺と外国へ一緒に行くつもりだったんでしょう?」

 

「そうそう! え? じゃあどうして怒ってるの?」

 

「そういうところです!」

 

ブチっと音が聞こえそうな勢いで、翔さんは電話を切った。

 

 

俺と山下が、黙って見つめてると翔さんが言った。

 

「もう、今日は飲む!」

 

「えええ?」

 

「付き合いますよ♡ 上田は帰れば?」

 

「帰れるわけないだろうっ?」(小声)

 

「ああ、そう。じゃあ、このまま朝になるな♬」

 

どうして、お前はそんなに楽しそうなんだっ!

 

翔さんは、目が座り出して、酒の注文を始めたのだった。

 

ど、どうなるんだっ?

 

そして、俺たちの明日のレコーディングは、できるんだろうかっ(涙)

 

ああ、神様。

 

俺は、無事に帰りたいっ。

 

でもって、ちゃんとレコーディングしたいのにっ。

 

 

 

「上田っ、聞いてくれ!」(モード切り替わったよう)

 

「は、はい!」

 

俺の地獄は、まだ終わらないようだった。

 

誰が悪いんだ? きっと大野さん?

 

ああ、亀っー! お前だけが頼りなのに!

 

俺は、電話を切っちまったぞおー(泣)

 

 

 

「俺は、悪くない!」

 

「はい!」

 

「大野さんが悪いんだっ」

 

「はいっ!」

 

「よし! もっと飲もうぜっ♡」

 

山下のバカッ!

 

もう、もう……。

 

どうしよおおおおおお……。(涙)

 

 

 

++++

 

 

 

大野さんが、全部言えていなくても、しばらく考え続けていた翔さんは、実はもう意味が分かっています。

意味が分かったから、また怒っているのでした。(笑)

花嫁(花婿)は、いつだって複雑なんです。www

 

たっちゃん(上田竜也)、頑張って……^^; 

 

 

 

 

 

 

(15)

 

 

 

俺(亀梨和也)が、固唾を飲んで見守る前で、大野(智)さんが電話を置いた。

 

「翔ちゃん、分かってるって」

 

「分かってる? って仰ったんですか?」(どうゆうこと?)

 

「俺の言いたいこと、ちゃんと分かってたみたい」

 

「そ、それで?」(聞くのも怖い)

 

「怒ってる」

 

「分かっていた上で、怒ってるんですか?」

 

「そういうとこが、理由みたいなんだけど……」

 

「そういうとこ?」(嫌な予感)

 

「な、なんだと思う?」

 

「……そのままがアウト?」

 

「えっ? 俺、アウト?」

 

困った。

 

そりゃそうか。賢い翔さんだもん、大好きな大野さんの言いたい事は分かるよね。

 

じゃあ、どうしたら機嫌が直るのかって言ったら。

 

 

 

「俺、カレー食べたいです」

 

「へ?」

 

「これから、翔さんのところへ行きましょう。でも、お腹空いて動けないです」

 

大野さん、カレーライス作って待っていてくれたんだよね。

 

でも、翔さん対策が大変で、食べずに結構時間が経っていた。

 

ちゃんと、頂かないと。

 

それに、明日はレコーディング。

 

体調崩せないもん。

 

忙しくって、今日は何も食べていなかった。

 

「本当だ、俺も空いたあ。食べよう♡」

 

大野さんが、美味しいカレーを温めてくれた。

 

 

 

さあ。腹拵えして翔さんへ会わなきゃ、解決できない。

 

会えば、なんとかなる。

 

前回も結局大野さんが、会いに来た途端、翔さん機嫌なおったし。

 

(本当に、俺らは大変なだけだったなあ……)

 

 

 

でも、ちょっと何か不安なのは、気のせいだよね?

 

(上田に居場所、聞かなくちゃ……)

 

仲良く二人で、美味しそうなカレーを食べ始めた。

 

 

 

+++

 

 

 

翔(櫻井)さんと山下(智久)は、ガンガン酒飲んで大盛り上がりだ。

 

俺(上田竜也)は、そんな気にもなれないから水に烏龍茶。

 

やっぱり、大野(智)さんが迎えに来ないと終わらない。

 

きっと、大野さんの顔を見たら、翔さんも。

 

 

「俺、やっぱり大野さんと別居しようかなあ」

 

「ええ?」

 

「おや、良いんですか? もう別れる気?」

 

「大野さんに別れるって言ったら、なんて言うかな」

 

「も、もちろん、止めるんじゃないですか?」

 

 

恐ろしいぞ、やめてくれ。

 

そんな重い話、俺らでは対処できない。

 

「か、亀(亀梨和也)……」

 

呼ぼう。

 

大野さんを呼ぶしかないっ。

 

なんだかんだ、翔さんは大野さんが好きなんだからなっ。

 

スマホを持って、そっと個室部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

(16)

 

 

 

 

「ニノーっ! ごめんっ」

 

「遅いよバカッ!」

 

 

 

何とか、俺(中丸雄一)は間に合って、二宮くんをおっさん(大御所)から助けることに成功した。

 

そこから10分と待たずに、相葉さんが駆けつけて驚いた。

 

頑張っても、その時間じゃ無理なはず。

 

さすが、ミラクル相葉さん。

 

相葉さんは、何にも悪くないんだけど謝っちゃうのが、俺は(中丸雄一)いつも凄いと思う。(俺らには、できない)

 

まあ、二宮くんの相葉さんへの信頼の大きさと重さなんだろう。

 

だが、会うなり二宮くんに怒られてる。

 

ま、まあ……仲の良いことで、良かった。

 

 

 

「じゃあ、僕は失礼しますね」

 

「ああ、ダメダメ!」

 

「? なんかあります?」

 

「あるある!」

 

相葉さんが、俺の前へ。

 

「ついて来てよ」

 

「ど、どこですか?」

 

「山下のとこ!」

 

「へ?」

 

 

 

 

+++

 

 

 

いい加減、二人が酒にも飽きた頃。

 

翔(櫻井)さんが、山下(智久)に聞く。

 

「今日は、本当は誰と約束だったの?」

 

「相葉(雅紀)くんと飯だったんですよね、でも、急に電話がかかって来て帰っちゃった」

 

「そうなんだ、めずらしいんじゃない? 相葉くんも、山下も」

 

「まあ、そうですね」

 

「……」(どうでもいいぞ)

 

「上田(竜也)、どうでも良いような顔してる」

 

「まあな、どうでもいいし」

 

「ダメだよ? ちゃんと聞いてあげなきゃ」

 

「すみませんっ! もちろんですっ」

 

「もう、調子いいなあ。ねえ、亀(亀梨和也)の話してよ」

 

「は? なんの?」

 

「最近の亀、何してんの?」

 

「普通だよ」(勝手に教えたら、ダメだろ?)

 

「上田、ちゃんと話してあげなよ」

 

くそーっ。翔さんじゃなかったら、返事もしないのに。

 

「……アルバム作って(明日はレコーディングなんだっ)コンサートの準備して、ほら、あとはドラマとか。俺ら個人の仕事は、いちいち言わねえから分かんない」(マネージャーとか、テレビで紹介されて分かるんだ)

 

「「違うって」」

 

二人、同時に言われて、ちょっと驚いた。

 

なんか、違う?

 

「もう、上田、鈍いなあ」

 

悪かったなっ。意味がわかんねえよっ!

 

ああ、亀と大野さん早く来てくれっ。

 

もう俺は、水も烏龍茶も飽きたゾッ。(怒)

 

 

 

+++

 

 

 

「もう、出られます?」

 

俺は(亀梨和也)急いで、お皿を洗いながら大野(智)さんへ声をかける。

 

「うん、もうちょっと……」

 

何か探してるらしい大野さんは、奥の部屋でバタバタしてる。

 

さっき上田と電話して、後は、聞いた場所へ翔さんを迎えに行くだけ。(の筈)

 

綺麗に台所やテーブルを掃除して。

 

布巾を干しながら、思う。

 

「ああ、これだから俺、フラれるのかなあ」

 

女の子より動いちゃって、プライドを傷つけちゃう。

 

 

 

「あった、見てえ♬」

 

子供みたいな可愛い大野さん。

 

持ってきたのは、どうやら結婚指輪のセット。

 

「うわ、凄いですね」

 

「うん、これはまだ翔ちゃんにも内緒なんだ」

 

「喜んでくれると良いですねえ」

 

そうして、早く仲直りして欲しい。(願っ)

 

 

 

結構、時計はとんでもない時間だ。

 

疲れてるはずの上田も救出しないと。

 

大野さんと、一緒に家を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

(17)

 

 

俺(亀梨和也)と大野さんが、翔さんと上田(竜也)のいる店へ行くと。

 

なぜか、山Pがいて。(そう言えば、さっき電話でも)

 

相変わらずイケメンで、ブランド服を気崩していてかっこいい。

 

でもさ、なんでいるわけ?

 

「P? 何してんの?」

 

「別に、飲んでるだけだよ」

 

「あー、そう?」

 

上田が、ガッと俺の腕を掴む。

 

「カメっ、お前は俺の隣だっ」

 

「? うん」

 

「こっちおいでよ」

 

Pが言うけど、上田が、目でダメって。

 

「ここで良いよ」

 

残念なんて笑ってる。意味わからんが、上田が怒るのは意味があるんだろうし。(一応お兄ちゃんだし)

 

大野さんが、当然のように翔さんの隣へ。

 

翔さんは、大野さんと目を合わせないようにしちゃうし。

 

翔ちゃーんて、可愛く大野さんが言うけど無視だ。(可哀想に)(仕方ないのか)

 

分かんないのは、相葉さんと二宮くんと……中丸がいるんだけど。

 

「中丸、何してんの?」(小声)

 

「いや、分かんない。着いて来いって言うもんだから」(小声)

 

「俺もわからん、急に3人が来たんだ」(小声)

 

そう、なんでか二宮くんが大野さんへ怒り出した。

 

「どうせ、大野さんが悪いんでしょー?」

 

「えっ? 俺?」

 

「……」

 

「翔ちゃん、怒ってるじゃん」

 

「ニノ、そんな言い方ダメじゃん」

 

相葉さんが、止めようと声をかける。

 

「俺が悪いなら、謝るけど」

 

大野さんが言う。

 

「悪いって理由わかんないんでしょー?」

 

「そうなのっ、この人分かんないの!」

 

翔さんにも、スイッチが入った。(やばい?)

 

Pは俯いて、声を殺して爆笑してる。

 

Pも結構酔ってんじゃん。

 

こ、ここは何も言っちゃいけないヤツだ。

 

俺と上田は、目を合わせて頷きあう。

 

「いっつも、翔ちゃん可哀想っ!」

 

「ニノは、関係ないだろう?」

 

相葉さんも必死になってきた。

 

流れ弾に当たらないように、俺と上田がオーラを消す。

 

「そんな言い方ダメだろうって話!」

 

「だって!」

 

二宮くんが、涙目になった。

 

それを見て。

 

しまった、ここにはもう一人困った奴がいたんだ。

 

「あのですねー」(きゃーっ)

 

こら中丸! お前が喋ったら「あかん」やつ!

 

俺と上田が声もなく悲鳴をあげる。

 

「二宮くん、今日は大変だったんですよーだからですねえ、そのー」

 

バカッ!

 

中丸、お前はわかっていない!

 

お前は親切だが、分かっていないからっ。

 

「はあ? 中丸は、黙ってろ」

 

めずらしく相葉さんが、機嫌が悪くなった。

 

そう、そうなんだっ。

 

彼氏(?)より、分かった風に喋るなよっ!

 

お前は、わかんないんだからっ!

 

「いいえ、二宮くんが可哀想です」

 

淡々と。でも、引き下がらない中丸。(絶対に引かないんだから)

 

「中丸のが、優しいもん!」(げっ?)

 

いきなり、ピタッと中丸にくっつく二宮くん。

 

……分かって、やってますよねっ? (涙目)

 

もちろん、さらに相葉さんの機嫌は悪くなる。

 

 

「か、カメ……」

 

上田が、こっちを見るけど。

 

俺は、応えようもない。

 

無理、全然無理。

 

もう、もう。

 

中丸のバカーっ(涙)

 

レコーディング行けなくなったら、お前のせいだかんなっ!

 

 

 

 

 

 

(18)last

 

 

 

 

俺(亀梨和也)が、どう出ようかと考えていると。

 

「バカッ! 中丸! いい加減にしろっ!」

 

上田が、相葉さんとん中丸の間に入った。

 

その隙に俺は、二宮君を中丸から剥がして、相葉さんの方へ押す。

 

二宮君が可愛くいやいやするが、ここは無視だ。(もう困るんだから)

 

「いや、喧嘩してるんじゃないし……」

 

中丸が言うけど、上田がその言葉を遮った。

 

「このままだと喧嘩になるだろうっ?」

 

「ああ、なるほど」

 

「なるほどじゃねえっ、バカッ」

 

相葉さんが、冷静になったみたいで声音も通常モードに。

 

「ごめん、大丈夫。な? ニノ」

 

「……うん」

 

 

 

これで終わるかな? と安心したのに。

 

ざっと見回して、山Pが微笑んで言い出した。

 

「うやむやは、つまんないからさ、挙手しようぜ」

 

「は?」

 

何を言い出すんだっ?

 

「何の挙手?」

 

翔さんが不思議そうに聞く。

 

そりゃそうだろう?

 

何か意味がある?

 

「大野さんと翔さん。ちゃんとハッキリさせよう」

 

え?

 

「俺が見たところ、この二人はずーっと同じ所をぐるぐる回ってる。大野さんこの先の計画あるの?」

 

「え? 俺? いや、プロポーズしたんだけど……」

 

大野さんが、困ったように翔さんを見るけど、翔さんは返事しない。

 

山Pが、それを見てちょっと考えた。

 

どうすんの?

 

これって、終わんの?

 

え? 終わる?

 

「終わるって……」

 

俺が言いかけると、Pが言った。

 

「どっちの味方する? 俺は翔さんね。翔さんの人は手をあげてっ」

 

楽しそうな声で、ゲームのように。

 

上田は、即あげるし、二宮君も。

 

二宮君に合わせて中丸もあげる。

 

「相葉さん、あげないの?」

 

「ニノ、こう言うのって、どっちが悪いとかじゃないじゃん」

 

そうそう!

 

困るよ! 俺は大野さん側だから、成り行きを見守るだけ。

 

「カメは?」

 

試すように、Pが俺を見る。

 

「翔さんの意見を聞かなきゃ……」

 

俺らは、関係ないんだし。恋愛ってそう言うもんだろ?

 

「意外と、分かってないなあ。翔さん、どうすんの?」

 

俺は、山Pの言葉にムッとするけど。

 

大野さんが、翔さんに言う。

 

「ねえ、なんでプロポーズしたら怒ったの?」

 

「……大野さんの計画は俺の仕事のことを考えてない。だから怒ったんだ」

 

ああ、そうだった。

 

大野さん、海外で結婚式上げて、期限を決めずに海外でハネムーン旅行してとか言ったな。

 

「翔ちゃん、ごめん。そうだった。喜んでくれるって思い込んでた」

 

仕事って、難しい。

 

勝手に辞めさせられるって、思ったのかな。

 

仕事しないなんて、男はキツイ。

 

女性だって今時は、したい事の為に結婚しないっていうし。

 

「でも、そのままじゃあ何も決められないんでしょう? 別れたい?」

 

「「まさか!」」

 

Pの言葉に、大野さんと翔さんが同時に叫ぶ。

 

その二人の姿を見て、Pが笑って言った。

 

「この二人、結婚した方が良いと思うなら、手を挙げて!」

 

「はーい!」

 

もちろん、全員で手をあげる。

 

「はい、決まりで終わり! 簡単じゃん。みんなが賛成する結婚は、するべきだよ」

 

めちゃイケメンな顔で、Pが言ったんだ。

 

かっこいい顔だなあ。

 

「じゃ、じゃあ翔ちゃん、結婚してくれる?」

 

予定と違うプロポーズだけど。

 

「うん。でも、海外はだめ。仕事あるからね」

 

「分かった。計画は変更するよ」

 

お酒の勢いもあるからか、呆気なく話が終わった。

 

急に翔さんも、大野さんも甘いムードへ。

 

仲良くならんで、デレデレしてるし。

 

俺ら、こんな事のせいで苦労して。(まあ、いつもか)

 

相葉さんと二宮君も、いつの間にか仲良く話してるし。

 

倒れそうなのは、やっぱり上田と俺だけじゃん。(涙)

 

ホッとしてると、Pが俺に言い出した。

 

「カメえ、今度デートしよう」

 

「俺らと一緒にWデートする?」

 

「へ?」

 

翔さんまで言い出して、意味が分からないんですけど。

 

上田が立ち上がった。

 

「無理です! 忙しいんで! レコーディングやらコンサートやら、もう大変なんです!」

 

上田が、なんで断んの?

 

「今度の休みで良いよ?」

 

ニコニコして、Pと翔さんがそうしようとか言ってるし。

 

デートって、何だよ?

 

「カメっ、俺はこれ以上揉めるカップルと付き合いたくないんだっ」(怒)

 

「上田あー大丈夫だよー♡」

 

酔ったPと翔さんが、ケラケラ笑う。

 

何かを思ったらしい中丸が言う。

 

「カメ、上田の言う通りにしとけ」(憮然)

 

何か分かんないけど。

 

「そろそろ、俺ら帰って良いですか?」

 

「まだっだーめっ♡」(翔さんとP)

 

「……」

 

 

 

結局、俺らはほぼ徹夜で、仕事(レコーディング)へ行く羽目になったのだった。

 

本当、先輩って分かんない。

 

先輩の恋は、もっと分かんない。

 

 

 

新曲は、疲れた俺らの声が色っぽいとか言われて、好評になったのだった。^^;

 

……後輩って、大変なんだよ。(涙)

 

 

 

(おわり)