BL要素あり、嵐妄想小説(お山OS+かつん)になっております。

同一のお名前の方々とは、全く無関係です。

興味のない方、嫌悪感のある方は、Backをお願いします。

 

 

 

オレの先輩と七夕と

 

 

 

 

side 上田竜也

 

俺の恩人で、敬愛する翔先輩が言う。

 

「大野さんがさあ、飲みに行くときは上田を連れてけって言うんだ。いいかなあ♡」(惚気でもある)

 

えへへって、乙女モード全開の翔さん。

俺に断るって選択肢は、存在しない。

どんなに忙しい日も仕事で遅い日も、翔さんの飲み会が終わる頃までには、駆けつける。

俺は体力もあるし、車の運転も得意だし。

(昔、中丸を迎えに行ってるせいで遅刻したのに、みんなに俺のせいで遅刻したとか言われてムカついた)

(俺が遅刻するわけないだろー)

(あいつの唯一の欠点は、女子のように悪気も無く遅れることだ)(ルーティンだかなんだか知らんが)

 

ただ、困るのは。

 

「翔さんっ帰りましょう!」

 

「まだ、あんまり飲んでないし……」

 

翔さんがぐずぐず言う日は、大野さんを待ってる日なんだな。(ため息)

俺じゃ、彼氏の代わりは無理なんで。

仕方なく、俺が翔さんのスマホから、大野さんのスマホにかけても相変わらず通じないとくる。

 

「これじゃ、翔さん疑うだろーっ……全く」

 

(朝、昼、晩と連絡してやってくれ)

 

信用って大事だ。

どんなに頑張っても無くすのは一瞬だ。

 

が、俺への分厚い信用が俺を追いつめる。(涙)

 

酔っ払った翔さんを狙うオッサンを蹴散らして、最後は先輩を背負って帰る日々だ。(酔っ払って寝ちゃうんだな)

 

「上田あ……」

 

背中で翔さんが、いう。

 

「俺って、どうかなー」

 

ああ、なるほど。

 

「最高です。大野さんが惚れてる人ですから」

 

「えっ……そうかなあ♡」

 

「はい、大野さんは、翔さんにベタ惚れですから」

 

「でも、今日は会いに来ないなあ……」

 

「芸術家は、忙しく無くても難しいですから」

 

「……」

 

翔さん、寝ちゃったなあ。

まあ、良かった。

寝てりゃあ、朝になって、仕事が始まって忙しいから、今日の寂しいは忘れるさ。

 

朝までに、大野さんから連絡あると……もっと良いけどな。

 

翔さんを家まで送って、帰宅するのが普通になった。

 

 

 

――――――

 

 

 

 

side 亀梨和也

 

「やばい……」

 

亀梨は、朝から来たメッセージに頭が痛い。

忙しくって忘れてた、美人からのお誘いへの返事。

相手は、怒り心頭らしい。

断られても良いけど、無視するなんてと。

昨日から、たくさんの先輩からメッセージが多くて。

プライベートは後回しにしてたら、見事に忘れた。

 

色々仕事が、時間通りに終わらなくって。

ヘロヘロで朝方帰って、今日が何日なのかも忘れてた。

だから、さらに急に来たメッセージには、気が付かなかった。

 

まあ、自分が悪いけど。

美人と遊びたかったけど。

仕事優先・先輩優先は、仕方ない。

 

「ああ……いっそ、嫁が欲しい」

 

どんな美人より、世話焼きで家事の上手い自分がダメなんだ。

亀梨は、そう自分に言い聞かせてあきらめる。

彼女らは、最初は彼の手料理を喜んでくれてるけど、だんだん上手くいかなくなる。

嫁になろうとする女性のプライドを粉々にしてしまうらしい。

(彼女らの料理や掃除は、下手すぎた)

世話を焼かれるのが好きな女性は、そもそも嫁になって一緒になろうなんて考えないし。

 

別に一人だって困らないけど。

 

「七夕かあ……」

 

テレビの朝の番組が、教えてくれる。

 

1年に1度の逢瀬の日。

 

織姫と彦星のようなら、自分もうまく行くかもと考えた。

 

「俺が彦星なら、その日だけは完璧に仕上げてやるんだけどなあ」

 

ロマンチストな彼の企画は、いつも女の子を喜ばせる自信が1000%あるようだ。

 

 

 

 

 

 

side 櫻井翔

 

 

まだ7月が始まったばかりで、夏も本番のような暑い朝。

 

二日酔いの手前くらいの体調で、朝のニュースを何とかして頭に入れながら、水を飲む。

 

最近は、恋人の連絡が減って落ち込む毎日だ。

 

櫻井は、ため息を零しながら、久しぶりに煙草へ手を伸ばす。

 

「やめてたんだけどなあ……」

 

煙がゆらゆら漂う。

 

それを見ながら、色々考えてしまう。

 

 

 

 体に悪いって、彼が言うからやめたんだ。

 

 綺麗な声も、悪くなるからって。

 

 ――翔ちゃんの声が好きなんだ、なんて言ってさ。

 

 

 

 

「嘘つき。声も聞きに来ないじゃん」

 

連絡が無いなんて、よくあったけど。

何か隠してる気がして嫌なんだ。

そう思ってたら、決定打が来た。

先日聞いた話は、ショックだった。

 

『大野さん、アトリエを引っ越したらしい』

 

思わず、櫻井が大野に問いただすと、困った顔で言われた。

 

「ああ、そうだけど。理由? 不便だったからかなあ」

 

「……そう」

 

自分に、教えなかったのは?

今までだって、アトリエは悪いからって行かなかったけど。

そのうちに、呼んでくれるかなって待ってたのに。

だって、そこは聖域のようだったから。

 

大野が困った顔をするから、それ以上言わなかった。

 

「芸術家って、何なんだよ……」

 

彼は、自分の事が1番だと言う。

それは、恋人の自分。

確かに、誰より愛されてるはずだけど。

 

彼の人生の1番には、なれないんだと身に染みた。

彼の素晴らしい絵や作品には、一生勝てない。

 

 

 

 

 

 

 

side 中丸雄一

 

 

久しぶりの休日だけど、忙しい身の彼に休みは無い。

プライベートでも、雑用が山積みで。

 

「えーっと。今日中にこの絵を描いちゃって。次は動画、いや先に録音してしまおうかな」

 

独り言言いながら、机のパソコンに向かうと電話が鳴った。

 

「二宮くん、おはようございます、早いですね?」

 

「おはよう、ごめん朝からさ。ちょっと買い物行ってくれない?」

 

「買い物?」

 

「それとさあ、亀ちゃんって今日何してる?」

 

「さあ、どうですかねえ」

 

「本当、お前らって男子校生だな」

 

「そうですねえ。子供の時から、こんな感じで」

 

彼らは鳥のように、いつも自由に離れて自由に戻ってくる。

 

約束がなくても、必ず何かあれば黙って助けて……それだけだ。

 

ピンチが大きい時ほど、わざわざ言葉を使わないのが唯一のルール。

 

 

 

 

「じゃ、とりあえず亀に連絡しますね」

 

「お願いねー♡」

 

今日の予定は変更だなあと、中丸はパソコンを仕舞いにかかった。

 

 

 

 

 

 

 

side 櫻井翔

 

 

「今日はいいよ。無理しないで」

 

後輩上田は、優しくて。

どんなお願いも、聞いてくれる。

でも、よく考えたら上田は、俺と居たって仕方ない。

その理由だって、あの人が言うから頼んだんだ。

 

彼の言うことを聞く理由もなくなりそうな今。

上田に迷惑をかけるのは、先輩としてどうなんだ。

 

「大丈夫ですよ。そこ遠いじゃ無いですか。大野さんとの約束は守らないと。終わる頃には行きますよ」

 

優しい彼は、何となく気が付いてるかも。

きちんと迎えに来て送ってくれるから、安心感から色々しゃべってしまってる。

 

 

恋人になってから何度も、無理だと思ったけど。

自分を信じられたから、続いてきた。

それが今は、自分が信じられなくて。

彼が自分といる必要は、ない気がしてきた。

何が手伝えるわけじゃない。

彼の世界は、難しくて深い。

 

何よりこんな考えじゃ、彼を元気にできそうに無い。

 

「いっそ、向こうから別れてくれないかなあ」

 

そんなことは望んで無いのに、言葉に出してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

side 中丸雄一

 

 

 

「こっちー」

 

「ここですか?」

 

「そうそう、ここが良いんだってさ」

 

「へー。初めてですねえ」

 

ちょっと郊外の色々な専門店が、大きな1つのビルに集まっている場所。

 

中丸と二宮が、その大きな入り口で待ち合わせた。

 

ビルの周りは、駐車場と公園になっていて、たくさんの人々が交差して移動する。

 

その中で、猫背な二人はオーラを消して、寄り添ってメモをガン見する。

 

「買い物リストあるんですね」

 

「うん、でもさあ、これじゃダメみたい」

 

「ダメ?」

 

「亀ちゃんに聞いてみたらさ、全部ダメって」

 

「どこがダメなんですか? このリスト良さそうですけど」

 

「なんか色々言われてさ、仕方ないから亀ちゃんの言う通りに変更する」

 

「え、良いんですか?」

 

「亀ちゃん信用するよ、だけど外せないものが有るから、一緒に来てよ」

 

「はい」

 

色々マイペースな先輩と、優しい後輩は、ここも同じだった。

 

 

 

 

 

 

 

side 櫻井翔

 

 

ちょっと海沿いの街での仕事。

 

打ち上げのパーティーも、ここで催された。

 

酒は控えて、そろそろ終わる頃。

 

時間も遅くなったいい時間だ。

 

上田が、きっともうすぐ迎えに来てくれるはずだから。

 

ちょっと皆んなには、酔ったからって言って一人で、海辺で頭を冷やす。

 

 

「俺って暗いなー」

 

自分が暗いなんて、知らなかった。

 

暗くなるのは、彼が絡んだ時だけだ。

 

今まで暗くなるほど悩んだり、落ち込む事なんてなかった。

 

いつだって、恋はたくさん好きな方が辛い。

 

今までは、辛い恋なんて知らなかったから。

 

仕事より大切な恋なんて。

 

 

 

 

どんより曇った夜空は、星も見えない。

 

せっかくの七夕も、今夜は会えずに終わる。

 

 

 

浜辺で、子供らや若い子たちが、花火で盛り上がっていた。

 

この暑いのに、クマのぬいぐるみを着た人がいて、子供らに花火を配っていた。

 

楽しそうな風景を眺めていると、俺にも花火を差し出してくれた。

 

「いや、俺、花火は結構です……すみません」

 

笑って断ると、クマのぬいぐるみは去っていった。

 

ぼんやり波を見ていたら、いつの間にかそばに、またクマが立っている。

 

「何ですか?」

 

クマが何も言わずに、リボンのかかった小さな箱をくれる。

 

「俺に? 子供らの分でしょう?」

 

クマは、大きなジェスチャーで、首と手をNOというように振る。

 

箱を指差して、開けろと言うようだ。

 

「開けるの?」

 

うんうんと、クマが頷いた。

 

 

「何これ?」

 

箱の中には、鍵。

 

訳がわからずに、クマを見ると。

 

 

 

「え……?」

 

クマは、頭をとって人間の顔がむき出しだ。

 

そしてその顔は、大野智だった。

 

「智くん……? どうしたの?」

 

「あっちいー……死ぬ――」

 

もうダメだって、大野は全身脱いで、櫻井の隣に座った。

 

ゼエゼエ、汗だくで大野が言う。

 

「……ねえ、これってさ、嬉しい?」

 

「は?」

 

「それさ、新しい家の鍵」

 

「鍵? ……え?」

 

「翔ちゃん、喜ぶって言うからさあ。頑張ったけど、喜んでないんだもん」

 

「ちゃんと言ってよ?」

 

「これって、七夕のサプライズなの!」

 

「何の?」

 

「えーっと……」

 

 

 

 

 

 

 

side 中丸雄一

 

 

二宮君が、大野さんに頼まれたらしい。

 

 

 

大野「新しい家に良さそうな食器買ってきて」

 

二宮「えーっ自分で買えば?」

 

大野「俺、分かんないもん」

 

二宮「人の家の趣味は、わかんないですけど?」

 

大野「俺、無いから」

 

二宮「翔ちゃんに頼んでよ」

 

大野「サプライズするんだから」

 

二宮「……向いてないけど、あなた」

 

大野「俺もそう思う、誰かに聞いてきて」

 

二宮「…………」

 

 

 

とりあえず、買い物するのに中丸を呼び出して。

 

中丸の声で、亀梨を思い出して、サプライズを聞いてみた。

 

食器を買うというと、ピシャっと言われる。

 

 

「不合格、全然ダメ」

 

 

「俺、不合格だってさ。正確には大野さんが不合格」

 

「はあ、なんでダメなんですか?」

 

「新しい家のものは、住む二人でって。翔ちゃんに買わせてやれってさ」

 

「ああ、なるほど」

 

「それで、サプライズのやり方も聞いてきた」

 

「はは……そりゃ凄い」

 

「凄いよね? 俺ら関係ないのにさ」

 

 

 

思わず二人で、笑ってしまう。

 

全く関係ないのは、どうしたら良いのか。

 

「まあ、ここまで付き合ったから、最後まで付き合いましょうか」

 

中丸が言うと、ニッコリ先輩が笑う。

 

「言ってくれると思ったよ」

 

「ちょっと、上田に電話しますね」

 

「うん、亀ちゃんにも」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

side 櫻井翔

 

 

しょんぼりと大野さんが、ため息つく。

 

「あの……なんで、そもそもサプライズ?」

 

「え? だってさ、新しい家の鍵だもん。驚くかなあって」

 

「……聞いていい? 何でくれるの?」

 

「……いらない? 重い?」

 

ちょっと拗ねたふうな大野さん。

 

「だから、重いならちゃんと言ってよ! 分かんないって!」

 

「え? そうなの?」

 

家の鍵って、そういう意味?

 

「一緒に住みたいけど……」

 

「う、うん」

 

「それは、無理だからさ」

 

「無理?」

 

「翔ちゃん、いやだろ?」

 

「何で?」

 

「アトリエもあるからさ、油臭いし。俺、アトリエに篭っちゃうから、一緒にいてもいないみたいだし」

 

「一緒の家と、別の家でいるのは意味が違うじゃん」

 

「うん、だから翔ちゃんが好きに、出入りしてくれたら、嬉しいなって思って。とりあえず鍵持って来た。でも」

 

「でも?」

 

「ニノが、亀ちゃんに聞いたらダメって。俺がダメって」

 

「ダメ?」

 

「翔ちゃんと一緒に決めて、一緒に家の全部を買ったり作れって」

 

「ああ……」

 

「俺、ぜーんぶ揃えて驚かそうと思ったんだけど、そんなの喜ばないから、ちょうど七夕だから今日にしろって」

 

「で、鍵なの?」

 

「うん……いや?」

 

櫻井は、すぐ言葉が出て来なかった。

 

ずっと悩んでたし、もし大野が今日会えなかったら、辛すぎて別れてたかもしれない。

 

「……言って欲しかったよ、もっと早く。アトリエを引っ越す前から」

 

「凄い大きい家を頑張って買ったから、驚かそうと思ったのに引っ越しがバレて、動揺しちゃって……ごめん」

 

「もう……いつも、言葉が足りなさすぎ!」

 

「ごめん」

 

その時、海のそばの道路に車が止まって、クラクションが鳴る。

 

「翔さーんっ、お疲れ様ですっ」

 

後輩上田が、迎えに来てくれた。

 

 

 

「すっげえ。上田こんなとこまで、来てくれるの?」

 

「大野さんが言うから、頼んだんじゃん」

 

「いや、翔ちゃんて鬼だな」

 

「はあ?」

 

 

大野が笑って、櫻井の手を引いて一緒に上田の車に急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 中丸雄一

 

 

中丸「亀、いつもこんなことするの?」

 

先に大野の新居で、二宮と用意しながら中丸は亀梨と電話していた。

テレビ電話で、二宮と3人の会話だ。

 

亀梨「ここって時にねえ。楽しいでしょ?」

 

二宮・中丸「「全然っ楽しくない!」」

 

先輩と後輩も、感覚は同じよう。

 

 

 

全て、終わって二人は、大野の家を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 櫻井翔

 

 

 

上田が、新居まで送ってくれて帰っていった後。

 

「え……すごくない?」

 

「翔ちゃん呼びたいから、頑張った」

 

少し田舎の一軒家。

 

現代ぽい家は、大きくて広かった。

 

そのアトリエに入ると、高い天井には満天の星が光る、プラネタリウムだ。

 

天の川も大きくて。織姫に会うのは大変そうだった。

 

 

「凄いなあ……」

 

「え? 智君が作ったんじゃないの?」

 

「ニノらが、なんかサプライズ用意してくれるって聞いてた」

 

「……七夕だから?」

 

「亀ちゃんかなあ、ロマンチックなんだな」

 

 

 

会いたいのに会えなくて。

 

でも、これからは好きに会える。

 

最後の織姫と彦星って、意味だろうか。

 

もう、離れなくて良いからねって。

 

 

 

 

櫻井の後から、大野が抱きしめた。

 

「ねえ、まだ聞いてない。一緒に住める? それとも」

 

「……俺が決めるの? 智君はどっち?」

 

「一緒がいい。でも、翔ちゃんいたら、イチャイチャばっかりして、俺って働けないかも」

 

笑ってそう言って、何度もキスしてくれる。

 

「そうしたら、俺が稼ぐから大丈夫」

 

「頼もしいなあ……じゃあ早速」

 

 

 

その後は、新婚らしく愛し合って朝になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 上田竜也

 

 

 

翔さんが大野さんと暮らすようになった。

 

翔さんは、飲みに行くことも減って、俺もゆっくり出来るようになった。

 

中丸と二宮君は、大野さんにお礼だって、動画を撮るカメラを貰ったらしい。

 

(お礼をねだったのは、もちろん二宮君だ)

 

亀はお礼なら、絵を描いてくれって言ったらしいけど、翔さんの絵で良いかって聞かれたそうだ。

 

(それは悪いから、遠慮したって)

 

俺にも言ってくれたけど、断った。(大したことは、してないし)

 

 

 

七夕じゃないとって言った亀の意見は、良かったみたいだ。

 

後で聞いたけど、翔さん別れようって思ってたって。

 

いつも、しっかりして冷静なのに、先輩も恋のことは難しいらしい。

 

先輩は、しばらくは俺を呼び出さないだろう。

 

まあ、後の心配は、織姫と彦星のように仲が良すぎて、引き離されないように祈るだけだな。

 

 

 

とりあえず……俺の先輩の心配も、終わったようだ。

 

 

 

 

 

「オレの先輩と七夕と」<end>

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

真面目すぎる娘の織姫を心配した父の天帝は、真面目な牛追いを生業にする彦星を迎えて結婚させた。

 

だが、真面目な二人が恋に溺れて、仕事をしなくなり、引き離されてしまう。

 

泣き暮らす娘を不憫に思って、年に1度、七夕だけ会うのを許されるという物語。

 

……ちょっとお父さん、勝手すぎません? それも1年に1回って。^^;

 

恋に溺れすぎて働かなくなったのは、その恋が初恋だったからでしょうか。

 

真面目すぎる織姫。働きすぎだったそう。翔くんに似てるなあって、思って書きました。

 

今年は、めずらしく晴れる場所が多そうで嬉しい。

 

(2022・7・7)