BL要素あり、嵐妄想小説(お山OS+かつん)になっております。

同一のお名前の方々とは、全く無関係です。

興味のない方、嫌悪感のある方は、Backをお願いします。

 

 

 

オレの先輩と心配・後編

 

 

 

 

(6)

 

「大変なんだっっ」

 

真面目で先輩思いの後輩上田竜也。

 

彼が血相変えて、仕事が終わって帰ろうとする亀梨和也の所へ駆け込んできた。

 

「ど……どうかした?」

 

「どうかしたゾッ! ……カメも来いっ」

 

「どこにっ?」

 

「まだ聞いてないっ!」

 

「はあ?」

 

ものすごい顔色は悪くて、尋常じゃない上田の様子に押されて亀梨がついて行った。

 

 

 

誰もいなくなった部屋に、中丸雄一が入って来て。

 

「あれえ? カメは?」

 

「ああ……上田さんが血相変えて連れて行っちゃいましたよ」

 

「血相変えて……?」

 

上田が血相かえるのは、最近では櫻井翔先輩の事ぐらいだ。

 

(しかもカメを連れて行くってことは、恋愛とかそっち系だな)

 

「そう。じゃあ俺も帰るね」

 

関わるとヤバそうなので、中丸は急いで帰宅する事にしたのだった。

 

 

 

***

 

 

 

櫻井に菊池が、本当は呼ばれたみたいだったが。

 

「上田くん、すいませんっ! 俺には、もう無理ですっそれに俺、明日ってか夜中に出発する仕事なんですよー助けてっ」

 

必死な菊池の電話を、用件も聞かずに切ろうとしたが、櫻井の名前を出されては聞かなくちゃ仕方なかった。

 

明日の仕事は、本当だろう、菊池はほとんど酒を飲んで無いようだった。

 

(くそーっ。なんでアイツ俺の番号知ってるんだよっ)(怒)

 

※もちろん、櫻井くんからうまーく聞き出したのは、菊池くんだ。

 

 

櫻井は、酔っ払ってとんでも無いらしい。

 

ただ場所をちゃんと聞いてないから、亀梨を連れ出してから、また菊池に電話した。

 

「早く来てえ……えっ? 亀梨くん来るんすか? じゃ、先に帰りますねっ!」

 

「バカッ、先に帰るなんておかしいだろっ」

 

「俺、最悪に酔っ払った翔さんと亀梨くんは無理っす」

 

亀梨が昔、怒ったのがトラウマのようだ。(足音だけでビビります by菊池)

 

「だいたい、どうして荒れてんの?」

 

「分かんないけど、多分……大野さんです」

 

「……」

 

「じゃっ♡お疲れっす」

 

「こらっ」

 

さっさと電話を切られてしまった。

 

 

「カメ……万が一は、合わせてくれな?」

 

「へ?」

 

 

先輩のために、仲間をちょっと犠牲にするつもりだ。

 

「できることと、出来ないことあるからなっ?」(怒)

 

「大丈夫っ! カメなら何でも出来るっ」(適当)^^;

 

とにかく、急いで先輩の元へと急ぐのだった。

 

 

 

 

 

(7)

 

 

 

上田竜也と亀梨和也が、櫻井翔先輩がいるという店に着くと、もう菊池の姿は無かった。

 

「お……お疲れ様です」

 

「こんばんは……亀梨です」

 

「ああっ待ってたよ。菊池が言ってたよー? 俺に相談があるんでしょう?」

 

 

 

えっ?!

 

 

 

ニコニコ酔っ払った翔先輩は、可愛く嬉しそうに笑うのだ。

 

先輩思いの後輩上田は、違うなんて言えない。

 

 

「え……相談って……」

 

言いかけた亀梨を制して、上田が大声で言う。

 

 

「はいっ! どうしてもっ!」

 

「そうなんだあ……俺で良いのかなあ?」

 

先輩は、うふふなんて、また笑ってる。

 

相当飲んでるから、上機嫌に見えるのが怖かった。

 

それを見ながら、亀梨は思った。

 

(菊池っ!今度会ったら絶対に締めるからなっ)(怒)

 

※…………がんばれ、菊池くん。

 

 

「まあ、飲もうよ」

 

……飲み過ぎの櫻井を、まず止めてあげなきゃならない。

 

「翔さん、今日は俺ら、烏龍茶でいいです」

 

「何でえ?」(口を尖らせて可愛い)

 

「……明日、その健康診断があって……」(嘘)

 

「そうなんだ? 飯は? いいの?」

 

「飯は大丈夫っす!」(汗)

 

「そっか……じゃあ悪いな。俺もじゃあ烏龍茶頼むね」

 

「ありがとうございますっ」

 

亀梨は、上田のやりとりを聞いて、普段不器用な男のこの返しの上手さに驚いた。

 

(きっと今まで、こういうの何回もあるんだなあ)(正解です)

 

しかし、感心してると。

 

 

「で。相談て?」

 

「う……」

 

上田は、亀梨と顔を見合わせた。

 

「あの……仕事で……」

 

言いかけた亀梨より大声で、上田が言った。

 

 

上田「恋愛相談っす!」

 

亀梨「えっ!?」

 

思わず誰の? と亀梨が上田を見つめるが、上田はマルッと無視する。

 

「恋愛の?」

 

「はい! 実はカメが『彼氏』のことで、悩んでまして!」

 

ええええ? と声もなく亀梨が上田を見るが、上田は目を合わせてくれない。

 

 

「……彼氏なの?」

 

驚いた櫻井が、聞き返す。

 

「はい!」

 

「えっ……」

 

上田が、返事するが亀梨はどうして良いか混乱している。

 

(くそー、どうすんだよ? 彼氏って誰?)

 

(カメ、悪いが適当に合わせてくれっ)

 

 

 

「あの……はい、俺……彼氏がいまして……」

 

自信なさげな声で言うと、かえって真実味があったようで。

 

櫻井は、大野のことを思い出してしまう。

 

ちょっと黙ると、櫻井がうるうるした目になって言う。

 

 

「大変だよなっ!」

 

「あ……」(しまったっヤバいやつだっ)

 

「そうなんですっカメっ大変なんですっ!」(仕方ねえ先輩のためだ)

 

「そっかー俺なら、解ってあげられると思う!」

 

「はい! 翔さんしか無理っす!」

 

(うわああああっ上田のバカっ!)

 

(ごめん、カメっ)

 

 

「よし! 何でも言って!」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

櫻井先輩は、彼氏の愚痴を言う気満々の女子会のノリに突入するのだった。

 

 

 

*****

 

 

 

 

その頃中丸くんは、家でスマホを見ながら。

 

「大丈夫かなあ……カメ」

 

上田がやりそうな事は、想像がついている中丸お兄ちゃんだった。

 

 

 

 

 

 

 

(8)

 

 

 

 

大切な先輩の櫻井翔が、荒れて酔っ払ってると連絡が来て、駆けつけた後輩二人。

 

お酒は止めることに成功した後輩、上田竜也と亀梨和也のたっちコンビだが。

 

ここから先は難関だ。

 

先輩を励まして、元気にして帰らせなくては、ならない。

 

先輩がトイレへ行った隙に、作戦会議だ。

 

「どーすんの? 俺、男同士の恋愛なんてっわかんねえぞっ」

 

「カメが分かんねえことは、俺はもっと分かんねえ」

 

「じゃあ、どーして嘘言うんだよっ」

 

上田は、櫻井に共感してる後輩を作ろうとして。(自分は共感できないし)

 

亀梨に男の恋人がいると、嘘を言ってしまった。

 

絶対に、今更、嘘だなんて言えない空気だ。

 

仲間を見つけた先輩は、すごく嬉しそうで、朝まで話す勢いになってしまった。

 

「カメっ(汗)大丈夫だ。ほらこの間、お前が言ってた……なんだ? ……EL?」

 

「BLっ」(怒)(誰かにBL本を貰ったらしい)

 

「ああ、どっちでもいいが、その本に書いてあること言っておけよ」

 

「えっ、本当かどうかっ分かんないじゃんっ」

 

「翔さん、酔っ払ってるから、きっと忘れちゃうって」

 

「今まで、忘れてた事あるの?」

 

「え……っと、無い」

 

「バカッ!」

 

作戦も纏まらないまま、先輩が戻ってきた。

 

ニコニコ可愛い笑顔で、機嫌が良さそうだ。

 

「ごめーん、俺、飲み過ぎたみたい」

 

「そうは、見えないっす」

 

思わず嘘をついちゃう後輩。

 

誰が見ても飲み過ぎで、彼氏に悩む先輩は、乙女モードに突入した。

 

「カメちゃんは、どれ位付き合ってんの?」

 

ウッと詰まる亀梨の代わりに、上田が答える。

 

「まだ1週間です!」

 

上田に呆れた亀梨は、もう言葉も出ない。

 

「じゃあさ……その……まだなの? 色々?」

 

「いろいろ? ……」(滝汗)

 

「まだキスもしてませんっ!」(キッパリ)

 

「そうなんだ。大丈夫? わかる? って上田になんでも言ってるんだねえ」

 

「そうなんですっ何でも相談しますっ一応俺、年上なんでっ」

 

「うゔ……」(バカッ)

 

恋愛の話なんか、男3人組でしたことは無いぞと、亀梨は思っている。

 

さらに、まだ酔ってる先輩は、とんでも無いことを言い出した。

 

「今から言うのは、内緒ね? 俺さあ……いきなりでさあ……」

 

((えっ))

 

やばいやばいやばい!

 

(聞いちゃダメなやつだっ)

 

(上田、どーすんだっ)

 

「俺も、びっくりして怖かったんだよねえ……」

 

真面目な先輩は、ちゃーんと自分の話をして、相談に乗ろうとしてくれるのだ。

 

「……怖いし、痛いし……心構えもなかったし……XXXX」

 

「「XXXXXX!」」(驚っ)

 

思わず、心の中で悲鳴をあげる後輩たち。

 

「あの……その……俺もよく分かんなくて……」

 

しどろもどろに、亀梨が何とか返事をする。

 

「俺、いつ会えるかとか、分かんないから普段からも、食事とかも気をつけるようになったんだ」

 

「? ……食事? ……(お腹?)え……?」

 

後輩二人には、さっぱりわからない世界になってしまった。

 

「それなのに、いつも急に呼びに来るし……かと思えば……」

 

よく分かんないけど。

 

きっと、彼氏が悪いんだな。

 

大野は、自由な人そうだし。

 

後輩は、自分に言い聞かせる。

 

もう少し、愚痴を聞いたらきっと、先輩も気が済むはず。

 

だが。

 

「あの、彼氏って誰?」

 

「えっ」

 

まさか、名前まで聞かれるとは……。

 

思わず二人で顔を見合わせる。

 

適当な男が思いつかない。

 

櫻井が納得して、普段会わないだろう人物を必死で考える。

 

「山Pっす!」

 

上田が、とりあえず言ってしまう。

 

「えっ?」

 

普段忙しいし、海外の仕事に行ってると聞いている山下にしてしまった。

 

「そうなの? 意外だなあ」

 

俺たちも意外っす! (え)後輩二人が心の中で同意する。

 

「山下は、海外多いから大変だよね。告白されたの?」

 

「は……はい」

 

「今日は?」

 

「分かんないです……忙しそうなんで……」

 

もう頭の中は、いっぱいいっぱいで。

 

櫻井が、機嫌が悪くなるとか考えていなかった。

 

「連絡も無いんだね?」

 

だから、先輩の低くなった声に、気がついた時は遅かった。

 

「許せないっ悩ませておいて、連絡も無いって!」

 

優しい先輩の何かの地雷を、どうやら踏み抜いたらしい。

 

「俺、山下に連絡してあげるよっ!」

 

「ええええ!」

 

先行きが、ますます見えなくなった後輩二人なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(9)

 

 

 

 

side 中丸雄一

 

「……連絡ないから、大丈夫だと思っておこうかな」

 

仕事も無事に終わったし、食事とお風呂も、ストレッチも終わった。

 

明日の仕事の準備もした。

 

「でも……気になるなあ」

 

上田(竜也)が、仕事終わりにカメ(亀梨和也)を引きずって、出掛けたらしい。

 

最近の流れで言うと、上田が血相変えて騒ぐのは、櫻井翔先輩のゴタゴタだけだ。

 

カメを引きずって行ったという事からすると、先輩の恋愛問題なのだろう。(上田は恋愛ごとが苦手だ)

 

もう夜も遅くなってきた時間だ。

 

早く寝るに限るが、布団に入ってから呼び出されそうで。

 

そう思ってすぐにスマホが鳴った。

 

「うわ……マジか」

 

 

 

スマホの画面には、二宮和也の文字だった。

 

「お疲れ様です」

 

「お疲れえ、ごめんね。遅くに悪い」

 

「どうしました?」

 

「あのさあ……翔ちゃん知らない?」

 

「いや、聞いてないです」(本当に「聞いては」いない)

 

すると、二宮くんが笑う。

 

「聞いてないけど、知ってるんだね」

 

「そうなるんですかねえ」^^;

 

これは、どうなのだろうか? そう思うと。

 

「大野さんが、うるさいの」

 

「うるさい? 翔さんの事でですか?」

 

「翔ちゃん、連絡つかなくて。探してるんだって。何回も電話かかってきてさあ……俺まで寝られないの」

 

「はあ……でも、俺も聞いてないですよ?」

 

「色々連絡したけど、みんな知らなくて。残ったのは、菊池と上田くらい。でも菊池も寝てるみたいで、スマホの電源切ってるから、上田かなあって思ったけど、俺、連絡先知らないの」

 

「ああ……じゃあ、上田に掛けて連絡しましょうか?」

 

「ありがとう、お願い♡」

 

……やっぱり、こうなるんだなあ。

 

仕方なく、上田に電話を掛けてみると。

 

 

 

 

 

「な、中丸っ!」

 

上田の悲鳴のような声が聞こえた。

 

「あのさあ……翔さん一緒に居たりするかな」

 

「いるっいるぞ! なんで知ってるんだっ菊池か?!」

 

いや、わかりやすいから、お前って。

 

「ま、待って」

 

上田が、ガサガサ移動するらしい音がして。

 

事情を聞くことになった。

 

 

 

 

***

 

 

 

side 亀梨和也

 

 

上田がおかしな嘘を言ったせいで、俺たちは大ピンチになった。

 

翔さんが、酔って荒れてるから共感する(俺に共感するふりの役を押し付け)「彼氏」に悩む後輩を見せて、慰めようと思ったようだった。

 

男と付き合った事のない俺に、彼氏がいると言った挙句、その相手まで山Pだと、でっち上げられて。

 

なんとか、誤魔化して逃げる算段をする手前で、翔さんが怒り出してしまった。

 

翔さんの揉めた理由が、どんな事情か分からなかったから。

 

言った言葉が、地雷だったようで。

 

「山下に連絡してあげる!」と叫ばれてしまった。

 

いやいやいや!

 

山Pが、今どこにいるとか知らないし。

 

そもそも、付き合ってないんだから。

 

海外に行ってるとか聞いてたし。

 

翔さんが、連絡できるなんて想定外だった。

 

「いや……そこまでは……自分で何とかして……」

 

「大丈夫っ! 俺わかるもんっ辛いのわかるもんっ!」

 

もん? ……意外と可愛らしい先輩に、俺は絶句して、どうしていいか分からない。(翔さん相当酔ってるし)

 

上田は、上田で、電話かかって来たとか言って、出て行っちゃうし。

 

なんとか、しなくっちゃ。

 

今更、嘘なんて言えないんだから。

 

「あ、あのっそ……その前に、どんな感じでその……翔さんはお付き合いが始まったんですか?」

 

「俺?」

 

「はい」

 

一人で、翔さんが考え込みだした。

 

で、思い切り息を吐いて、言われたのは。

 

「いきなり、やられた」

 

「えっ!」

 

「酔って朦朧としてるとこを、襲われた」

 

「ええ! そ……それでよく……許せたんですか?」

 

思わず、本気で聞いてしまう。

 

こわすぎる話だが、そんなこと大丈夫なのか?

 

大野さん……人でなしだったのかな?(信じられない)

 

「分かんないんだ……半分おかしくなってたから」

 

急に、翔さんも悩みだした。

 

「そうだよな、襲われて好きにならないもんな」

 

あれ? ダメダメ。

 

正気になって別れるとか言いだしたら、やばい。

 

「あっあのっ、やっぱり好きだったから? とかですか?」

 

だ、大丈夫か、俺。

 

賭けみたいなこと言っちゃったゾッ。

 

「好き……?」

 

翔さんが、悩みだした。

 

「智くんが悪いんだ!」

 

「え?」

 

そして翔さんが、またウルウルして、言いだした。

 

「好きだっ! 愛してるから抱きたいっ! ていうんだもんっ」

 

「だっ……」(硬直)

 

ひーっ。許してっ!

 

ごめんなさいっ。聞くんじゃ無かったっ。

 

「こんなことするんだもん!」

 

そう言って、翔さんが俺を押し倒して馬乗りになった。

 

「こんなの、狡いと思うでしょー?」

 

「うわーっ! ど、どうしたんですかっ?」

 

狡いとかじゃないっ、こんなとこを誰かが見たら……。

 

「教えてあげる、山下にやられる前にさ。予行練習」

 

「えー?! ま……待ってください!」

 

どうなってんの? 酔うとしたくなるタイプ?

 

もしかして……知らずに誘って、それを逃さず、大野さんが襲った? (鋭い)

 

「って考えてる場合じゃ……まっ待って下さい! 大野さんが知ったら、大変ですよっ!」

 

怪我はさせられないし、本気で蹴り上げるわけにもいかなくて、ジタバタ二人で暴れてると上田が戻って来てくれた。

 

「うわっ! 翔さん! カメ!」

 

「上田っ、翔さんっどーなってんのっ?」

 

「予行練習だからっ大丈夫っ♬」

 

「大丈夫じゃないですっ」(きゃああ)

 

3人で揉めてる間に、また扉が開いて。

 

「翔っ! やめなさい!」

 

もちろん、入って来たのは大野さんだった。

 

飛び上がった俺たちは、必死で弁解する。

 

「うわ……すみません! これは……」

 

大野さんにも驚いたけど、もっと驚いたのは。

 

「遅いよっ! バカッ!♡」

 

そう言って、大野さんに抱きついた翔さんと、それを当然のように抱きしめる彼氏の姿。

 

「ごめんな、翔ちゃん♡」

 

「「えええっ」」

 

俺たちの苦労は、ただの苦労になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

(10)last

 

 

 

 

side 上田竜也

 

カメ(亀梨和也)と俺が疲れ果てて、無言で烏龍茶を飲んでる。

 

その前で、翔さんと大野さんは楽しそうだ。

 

男前の笑顔で大野さんが労ってくれる。

 

「悪かったね、上田はこの前も気を使わせて……」

 

(はい、めっちゃ大変ですっ)(涙)

 

「なんでも無いです、気にしないで下さいっ」

 

「上田は、いつも真面目でねえ、優しいんだ♡」

 

真面目とか、どうでもいいです。

 

翔さんのお役に立てたなら嬉しいっす。

 

ただ、恋愛関係以外で頼りにして欲しいですっ。

 

困り顔の大野さんが言う。

 

「俺、(絵画作品)描き出すと、夢中で連絡もしなくなっちゃって……」

 

そうなんですか。

 

個人的にはわかります。

 

でもお願いします、1日1翔さんで、連絡してやって下さいっ。

 

できるなら、朝・昼・晩の3翔さんで。

 

隣でカメが、なんとか愛想笑いしながら、死にかけてるし。

 

なんとか、早くお暇しなくては……。

 

(翔さんのイチャイチャは、俺のメンタルが……)

 

 

 

side 亀梨和也

 

 

……疲れた。(脱力)

 

男同士も、男女も恋愛ごとは、あんまり変わんないんだなあ。

 

翔さんが大野さんに甘く文句を言う。

 

「すぐ、黙っていなくなって連絡無いんだもん! ひどいよね?」(可愛い)

 

上田が、反射運動的に答えてる。

 

「翔さんの言う通りっす!」(素直すぎて可愛い)

 

先輩後輩ともに可愛すぎるんですけど。

 

大野さんが、微笑んで、ごめんごめん、なんて言ってるし。(イケメン)

 

連絡しない彼氏なんだな。

 

まあわかるよ。

 

いろいろ、あるんだよね。

 

でも、困る。

 

この場にいなくて良いなら、構わないけど。

 

翔さんが上田に関係する限りは、俺も巻き込まれそうで怖い。

 

いつもイケメンで、カッコよくて、立派な翔さんが、可愛い恋人すぎて困る。

 

(後輩としては、隠して欲しい……こっちが照れて困るもん)^^;

 

俺から言えないんだから、上田が早く帰るって言ってくれないかなあ。(涙)

 

もう、2度と来ないでおこう……。(握り拳)

 

 

 

***

 

 

「大野さん、翔さんっ失礼しますっ」

 

上田と亀梨が、明日の健康診断(嘘)のために、先に帰っていった。

 

残ったのは、大野と櫻井だけだ。

 

相当酔っ払っていた櫻井も、少しずつ落ち着いてきた。

 

 

「翔ちゃん、酔うと危ないなあ」

 

「智君がいないからじゃんっ」

 

「俺がいないとこで、飲むなよ」

 

「いっつもいないじゃん、どうすんの? 俺お酒飲めなくなるよ?」

 

「うーん。上田と飲んでよ。あの子なら守ってくれそうだし」

 

「じゃあ、カメちゃんも呼ぼうかな。カメちゃん山Pと付き合ってるんだって!」(上田くんがついた嘘です)

 

「マジか! 意外だなあ」(後輩たっちコンビも、同じことを……)^^;

 

「…………」

 

ちょっと櫻井が考えて。

 

「ねえ、心配した?♡」

 

「ああ、さっきの? 襲ってたね? 翔ちゃん凶悪だよね」

 

「ええ?」

 

「俺にも、絡んで凄かったよ?……初めての時さ」(カメちゃんの考察通りです)

 

「嘘!///」

 

「嘘じゃないよ、可愛いし色っぽいし……心配するよ」

 

「じゃ……もっと一緒にいてくれないと///……」

 

「うん、そうだね♡」

 

甘く返事をしてくれる大野さんだけど……。

 

やっぱり、色々うっかりして揉めちゃうのでした。

 

 

 

……そうして、迷惑かけられるのは、後輩くん。

 

なんとか帰路に辿り着いて。

 

「俺はもう、行かないからなっ!」

 

「カメごめんなっ、もう呼ばれないと思う。大野さん謝ってたし」(信用し過ぎ)

 

また、すぐ呼ばれるなんて、思ってない二人なのでした。

 

後輩の先輩への心配は、果ては無さそうです。

 

がんばれ、後輩君……^^;

 

 

 

 

 

「オレの先輩と心配」後編(おわり)