ローカルニュースで或る農村の案山子まつりの様子が放送された。
出来映えは、お世辞にもよく出来ているとは言えない。
が、それぞれに愛嬌はあったと思う。
よくは分からないが田畑の守り神と言われれば、そうかもしれない。
昔から田んぼの風景には当たり前のように存在した。
シンボル?そうなのかも。
案山子は、
あたかも人に見せかけて服を着せたり帽子を被せたりしている。
鳥がビビったら大成功なわけで、そうして大事な作物が守られる。
が、なんと言ったらいいのだろう。
そこまで鳥って馬鹿じゃないと思うんだなあ。
ちょっとイメージしてみよう。
スズメだカラスだハトだと書くのは鳥の種類が有りすぎるので、
一律にここは、太郎と名付ける事にしてみよう。
【案山子編】
昨日まで何も無かったのに今日は田畑に人が居る。
太郎は思いきり警戒した。
時間をずらした所で今日は人間がずっと居る。ちっ、今日のところは諦めた。
しかし日が変われど人はそのまま動かない。この状態に慣れてきた。
せっせと豆を食べ放題。
【目玉編】
なんだあの目玉おやじの顔がプルプルしやがって。目?目なのか?
太郎は始めこそ驚いたが慣れるのも時間がかからなかった。
バイキング方式に食べ放題。
【効果音編】
太郎の悲鳴が何処からか聞こえてくる。
ディストレスコールっていう避難声と呼ばれるものだけど、
何度も聞くうちに太郎には何でキケンなのか分からなかった。
太郎、慣れた。
【模型編】
何のワナに掛かったんだろう、太郎の死体がぶら下がり思わず仲間はたじろいだ。
そこへ何も知らない太郎が今日の御飯へとやってきた。
「キャー!」これには太郎、全身鳥肌に見舞われた。鳥だけに。
なんだかんだで仲間も一緒に「キャー!」
太郎達、ホラーを味わった。
しかし何日も太郎がぶら下がってるので、そのうち慣れてきた。さあ食べよう。
【爆音編】
超音波?なんだいそれ。太郎には超音波は無意味だった。聞こえて無いのだ。
がしかし突然のパーンというクラッカー音には太郎まいってる。
警戒しつつも拾って食べた。
そんなわけで太郎はすぐ慣れてしまう。警戒もするが慣れると調子こいちゃうのだ。
偽者は見破る。嫌いな色なんて無いに等しい。
磁気が乱れるくらいでは発狂なんてしない、方角や向きに影響は出ない。
じゃあ、どうする?
守り神の案山子よ、どうする?
まつり…しよっか。