猫のリハビリ。脳、神経症状の場合。運動させるだけ本当にいいの? | 密かに海外出張する整体師。身体の為の勉強ブログ。

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鹿児島県指宿市で指宿駅近くで姿勢や運動指導を中心とした整体をしています。体についての解剖学や運動学を中心に勉強した内容を書いています。

猫のリハビリをしてきました。

病院で働いていた頃の神経所見の見方や

脳卒中の評価がこんな所で役に立つなんて…


人間とは違うので、検査出来たのは

一部だけでしたが

同じ哺乳類ですね。

かなり近い部分もあり驚きました。


けど、驚いた時に

1つ気になった事が…


もし人のリハビリも応用が効くのであれば、

やってはいけない運動が

猫にもあるんじゃないか??




骨折後や術後なら先生の指示に従って

運動でいいと思うのですが

脳機能だったり神経では、

リハビリの方法が変わってきます。




●人と猫のリハビリの違い

●猫のリハビリ方法

●リハビリの注意点





人と猫のリハビリの違いと同じとこ



違い


人の場合は、どんな症状であれ

説明して目的を決め、それに向かってリハを進めてく事が多いです。

納得してもらえた方が

積極的に練習してもらえますからね


ただ、猫の場合は

正確な訴えもないし、

人の説明を理解するのはかなり難しいです。

右前足を90度曲げて下さいって言っても

曲げてくれません。


なのでスタート時点で違います。



その後も、正しい方法での

自主練習なども期待できません。


もちろん骨や筋肉の

機能も大きく違ってきます。

しかし、そこは

骨の形や筋肉の付き方

動きの分析で

どうにかカバーできそうです。




同じとこ


神経が傷ついたり

脳に損傷がある場合には

筋肉の硬くなり方(痙性)や

反射等は近い形で現れていました。



この状態でも色々なリハビリ方法があります。

この筋肉が硬くなった状態で

いきなり色々な動きをさせる事は少ないです。

多少運動を分解して

脳機能の回復に合せながら行っていきます。


脳が損傷した時に麻痺が出ていたりするのなら

高次脳機能障害も出ている可能性があります。



猫の高次脳機能がどんなものか、

正確にはわかりませんが

たぶん、

餌の認識や、飼い主の顔、そこが自分の居場所かどうか、

真っ直ぐ歩いたり着地のタイミングの計算ってところでしょうか

これが障害されている可能性があります。







猫のリハビリ方法



脳の損傷や神経障害の場合

人間と同じなら、

ほとんどの場合完璧には治りません。

けど、

正しく導くことで後遺症を軽減させることは出来ます。



猫のリハビリをして

大切だと思った事は

●骨格を整える

●やってはいけない運動を飼い主が把握する



この2つを守って行うことで

猫にとって負担が少なく

遠回りしなくて済むので

ご家族の心のもやもやも軽減できると思います。



骨格を整える


人間の骨と

猫の骨って

同じ名前の骨が多いです




骨格を整えるといっても

ボキボキ鳴らしたりしません

筋肉の左右差を見つけ

欲しい動きに合わせて

邪魔している硬くなった筋肉をほぐして

硬い場所と柔らかい場所の

差を減らしてあげます。

そして関節に動きを教えていきます。



猫 リハビリ 整体 脳


この子の場合は

左半身がピーンと伸びており

動きの基礎となる場所の歯車が

ズレている感じでした

なので

その歯車のズレを

調整してあげる事で

硬かった筋肉が

柔らかい筋肉の邪魔をしなくなり

歩いたりできるようになりました。



ちなみにやった事ですが

・肩甲骨周辺の筋緊張を落とす

・股関節の可動域練習

・ハムストの筋緊張を亢進させる


子猫 リハビリ 方法




やる運動より、やらない運動を決める


これが本当に大切です。

人でも同じなのですが

筋肉の付き方に大きな差が生じると

悪化の一途を辿ります。


付き過ぎた筋肉は、邪魔です。

猫の場合も同じです。

筋肉のバランスが必要です。




この子の場合、

左側が伸びた状態なので

できるだけ

左側が支持側となるような運動が必要になります。



そして、いらない運動は

・おもちゃを低い位置で遊ぶ

・左側の方でおもちゃを使い注意を向ける

・バランスの悪い場所で足が伸びるような動きを行う


1.おもちゃを低い位置で遊ぶ

低い位置で遊ぶと、骨格の流れから

後ろ足は伸びてしまいます。

頭より上に注意を向ける事により

頭や首の角度を使い

足を曲げる方に働かせる事が出来ます。



2.左側の方でおもちゃを使い注意を向ける


伸びている足の方で遊ぶと

もっと伸ばそうとするので逆効果に

なります。

落としたい筋肉をぐいぐいつけてしまい

弱った筋肉は働けなくなります。



3.バランスの悪い場所で足が伸びるような動きを行う


人が猫の体を持ち上げて

歩かせるような事も邪魔な筋肉を働かせるだけに

なる事が多いので注意が必要です。

筋力低下怒っているような猫なら

ボールに乗せてあげる方法もありますが

脳や神経障害なら

必要性を見極める事が大切です。





猫 リハビリ 骨格 方法


身体が動かしやすくなったのか

積極的に歩いてくれるようになりました

最初はふらふら歩いていたのですが

やはり運動神経が良いです。

すぐに自分の体で最高の使い方を

理解していました。


ただ、股関節の動かし方がまだ下手なので

練習が必要そうです。



調整通りに動いてくれたので良かったのですが、

1つ心配な事が…

施術者の調整次第で

伸びしろが全然違ってくるんです

間違った方法だと

猫の運動を邪魔するだけになる場合もありえます。






リハビリの注意点



・やり過ぎには注意

やり過ぎると、体力低下や過用症候群になる場合があります。


・間違った遊びを続ける

偏った運動だったり、つけたくない筋肉をつけると

猫の動きを邪魔してしまう場合があります


・その子に必要なリハビリ手段を考えてあげる


骨折後や術後のリハビリと、脳損傷後、神経障害や内臓疾患。脊髄損傷後の

方法はすべて違います。

子猫の頃なら癖は少ないですが

大人になっていると、動きのクセがあります。

動きのクセと関連付けながら

アプローチ方法を決めてあげる事が大切です。